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【2024年9月】のスケジュールと新入荷情報です。 [WEB BASE]

【2024年9月14日 新入荷速報追加・コメント 追記】


【8月末~の新入荷情報】


◎十三代宮崎寒雉 仙叟好 矢筈釜 鵬雲斎 箱

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これは、なかなかの釜です。侘びさと、カッコ良さ、そして茶味もあり・・・・仙叟のセンスはモダンさと緊張感を感じるのです。

初代寒雉の写しとなります。

※ご成約済みです。

◎永楽即全 仁清写秋草 平茶碗 即中斎 箱

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これまた、なかなか見ないタイプの即全です。

少し前にご紹介致しました而全の桃の茶碗に通じる感じの仁清写で、即全後期作品とは一線を画する作行きの良さなのです。

※ご成約済みです。


◎明治15(1882)~明治29(1896)年 永楽和全 砂釉寿扇 盂

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和全最晩年の、『菊谷窯』に於ける作品です。この辺の和全侘びの境地をお楽しみください。



◎須田青華 倣古九谷 徳利 【一対】

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サイズ感もあり、存在感と絵付けの丁寧さ、色合いの具合と・・・もはや飾るだけで良し、です。


※ご成約済みです。




◎赤こん香斎(初代宮川香斎) 染付唐人物図扇形 鉢


これは…かなりのレアものです。幕末期の五条坂初期染付の逸品です。

◎永楽保全 赤絵 盃

古赤絵を模したもので、直径は大きめですが高さは低く、上品な作品です。口縁には虫喰も再現されてます。


◎芹沢銈介 版画 額 極楽から来た


※売却済みです。

◎芹沢銈介 板絵 額 妙好人因幡の源左(第五図大豆畑)


※売却済みです。

◎石井磬堂 讃岐彫 盃

とても、小さい作品です。彫りの素晴らしさをお楽しみください。近年、高松の美術館にも似たサイズのものが収蔵されたようです。

◎永楽妙全 染付サザエ 向付【5客】


※売却済みです。

◎永楽保全 菊置上香合 吸江斎好み

まさに、『永楽』の始まりとなる作品です。

世間にその名を周知させるため、保全が紀州徳川と表千家に、助力を仰ぎ一定数造られました。

こんな状態の良いものは久しぶりに目にしました。


◎豊平翠香 一位手彫琵琶 香合 

なかなかの、逸品です。大きめの香合ですが…悠久の時代感を見事に現しているのです。



◎江戸時代後期 眞葛長造 仁清写笠 香合 惺斎 箱 直し有


これぞ、長造!という逸品です。修繕部分はほとんどわかりません。

お値段もお値打ちなのです。


◎窯稼働 明治42年~昭和30年 阪口砂山(打出焼) 南蛮写 銚子 摘み 秦蔵六製


打出焼で、このうような作品は初見でした。

いや~びっくりです。


◎明治後期 樂 慶入 南蛮写 置花入 惺斎 箱

『樂』を花入で使う?

いいじゃないですか。こんなに存在感のある、慶入らしい逸品なのですから。

そして、お値段もほどほどで。


◎昭和戌辰 永楽正全 御大典記念 青磁香炉  毛織銅穂家 浄益製

これまた、珍しいものです!

パッと見、七宝焼かと思いました。



◎大正後期 二代 眞葛香山 仁清意独楽 香合

過去にも扱った独楽香合と同形状です。

しかし、それぞれ・・・色合いの違いにより印象が異なるのです。


◎昭和初期 二代 眞葛香山 仁清意色絵桃之画 香合

鉢、や染付では見る・・・桃の意匠ですが、香合では珍しいですね。


◎大正後期 二代 眞葛香山 古染付意結文形山水画 向付 【10客】

玉章形、です。最近は香山の食器・・・ほんとに出なくなりました。


◎大正後期 二代 眞葛香山 仁清意東波 香炉

有名な、作品です。

二代の初期にいくつか造られたものですが、もちろんすべての個体で・・・意匠を少しづつ変化させており、オンリーワンなのです。



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『よもやま話』


年に一度の『はんなり骨董樂市』、無事終了致しました。

今年は久しぶりに会場予算を達成致しました。これも皆様のご贔屓のお陰様でございます。

改善点や、パワーアップして…来年も、同時期に開催致しますので、どうぞ宜しくお願い申し上げます[ぴかぴか(新しい)]

会期中は、基本的に毎日『11時間勤務』でしたので、体力もプライベートタイムも余裕無く…当ブログにてご紹介出来ませんでした。

遅ればせながら…会場風景等ご覧下さいませ。


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香山、お茶碗も沢山


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後期バージョンの展示です。

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生け花の先生にもご協力戴きました。


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お客様より、『長門』さんの和菓子を差し入れ戴いたり。

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『ブラフジイ』、今回は真面目に会場に詰めてましたので、日曜日早起きして遠回りの散歩くらいでした。[わーい(嬉しい顔)][あせあせ(飛び散る汗)]


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永代橋は、いつ見てもカッコヨイノデス

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豊海橋、もなかなかの歴史遺産です。

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隅田川からはスカイツリーが臨めます。

実は…スカイツリー、行ったことアリマセン(笑)


これを書いてる現在…展示会撤収後、そのまま東京美術倶楽部のオークションと名古屋のオークションに参加しており…9泊10日の旅路の最中でございます、

さすがに、心身共々疲労が[あせあせ(飛び散る汗)]

明日はようやく、帰宅出来ますが…翌日からまた京都出張なのです…(;´д`)

在庫の入れ替え、新入荷の獲得にアクティブに頑張りますので、速報をお知らせするまで今しばしお待ち下さいませ。

少しだけ、新入荷追記致しました[ぴかぴか(新しい)]


さて、9月はかなりタイトスケジュールでございます。



9月3~11日 《東京出張》

4(水)~10(火)

東京 日本橋 丸善ジュンク堂書店 3階ギャラリー

『はんなり骨董樂市』

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9:30~20:30


皆様のご来訪を心よりお待ちしております☆



10・11日 オークション出張(東京美術倶楽部)

11・12日 オークション出張(名古屋)

13・14日 オークション出張(京都美術倶楽部)

15・16日 オークション (大阪美術倶楽部)

17日 ベース ※午前搬入

18日 ベース 午後~

19日 オークション (大阪美術倶楽部)
20日 オークション出張 (名古屋美術倶楽部)
21日 オークション出張 (京都美術倶楽部)

24日 ベース
25日 ベース(未定)
26日 ベース(未定)
27日 ベース
30日 ベース(未定)



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【三代 清風与平 青華水指 (大星讃平旧蔵)】 [明治工芸]

明治期の『窯元番付表』なるものが存在します。

『東の横綱』が『宮川香山 眞葛窯』・・・に対して、『西の横綱』として『清風与平』が堂々と君臨しておりました。

ここでいう、清風与平とは『三代』のことであり、陶芸界では5人しか存在しなかった『帝室技芸員』の一番最初の認定者であります。


明治26(1893)年のことでした。


その後・・・『釉下彩』の開発など海外への輸出も含めて大いに活躍することとなるのですが、ここは時を少し巻き戻して、三代清風与平の誕生の頃を振り返ってみたいと思います。


本名は、『岡田平橘(おかだへいきち)』といい、姫路の大塩町というところの醤油醸造を営む家に生まれ、幼少の頃より好きな絵で大成したいと願い・・・『田能村直入』の元へ絵師の修行に入ったのです。

『田能村直入』は文人画家であり、煎茶道にも深かったことから・・・その恵まれた環境の元、『岡田平橘』の感性が磨かれたと思われます。

しかし、2年程で体調を崩し・・・里へ帰ることとなりました。

その後、回復したのですが両親の反対もあり大阪へ戻れずいたところ・・京都の陶器商から『清風家』で跡取りと探しているというオファーを頂き、慶応2(1866)年、清風家に入ることとなりました。


『清風与平』家は、初代が『仁阿弥道八』の弟子で知られ、当時京焼では最先端であった『染付』焼を中心として文人界を中心に作品がもてはやされた伝統ある清水の窯でした。

二代の養子となった『平橘』ですが、あっという間に陶技を会得し、別家として独立することになるのです。

その頃の名として、『新開清山』『清風靖山』として製作しております。

しかし、二代が没することで家業を継承することとなり、『三代』の『清風与平』を名乗ることになりました。

その後、『百花綿』という『釉下彩』を国産の釉薬で世界に先駆けて多色の磁器焼成にて海外の博覧会等で大いに人気を博することとなるのです。


さて・・・その人気は、過去にとても高まったこともあったのですが、作品が少ないことと研究が進んでなかったこともあり、少し落ち着いた時期を挟み・・・再び、ここ5年ほどの間に突然、大高騰することとなります。

それは、大陸・・・中国人の『煎茶』への人気の高まりと、『釉下彩』という過去中国では存在しなかった技術に対する評価によるものでした。

あっという間に日本中の『三代清風与平』作品ならびに『四代清風与平』作品が海を渡ることとなり・・・国内にはほとんど残らなくなったと言っても過言ではありません。

その熱狂的なブームは、中国経済の不安定化により収束し・・・今年には落ち着きを見せます。

しかし、作品がどうにも出てこないのです。

そんな、北国に於いて・・・大事に保管されていた逸品が発見されました。



三代清風与平 青華水指 (8)-1.JPG


【清風与平 青華水指 (大星讃平旧蔵)】


幅  16.6cm

高さ 16.6cm 19.6cm(共蓋含む)17.8cm(塗蓋含む)

製作年代 明治30(1897)~大正3(1914)年頃

箱  2重共箱

備考 清風家による受領書添



『三代清風与平』の希少かつ、逸品ともいえる作品です。


三代清風与平 青華水指 (9)-1.JPG


『清風家』の伝統である『染付』による水指です。

三代の『水指』は伝世品は少ないという傾向があります。

明治20年~30年代の各地の博覧会・展観では水指の記述がそこそこに見られるのですが・・・・

ひょっとしたら、茶道具であったが故に海外には渡らず、国内にて戦禍の内に消失してしまった個体が多いのかもしれません。


これは、他の陶工では見られない独特の形状であり、図柄と相まって上品な『水指』に仕上がっております。


三代清風与平 青華水指 (10)-1.JPG


初代、2代の頃の『染付』とは異なり『釉下彩』を極めたあとの染付は、とても安定した明るい発色となります。


三代清風与平 青華水指 (11)-1.JPG

内側です。


三代清風与平 青華水指 (16)-1.JPG


そして、特筆すべきは別に製作されている『塗蓋』です。

側面からもガラッと印象が変わることが判ります。


この水指は『沢潟(おもだか)』の意匠です。

染付の共蓋も塗蓋も、意匠が繋がって描かれているのです!

三代清風与平 青華水指 (19)-1.JPG


『沢潟(おもだか)』は発芽したばかりの頃は細長く特徴のない葉であり、成長につれ・・・ヘラのような形から矢尻のような形へと変化していく、夏~秋の植物です。


武家の紋としては古くから使われ、戦国時代頃には既に『縁起が良い』意匠として取り入れておりました。


三代清風与平 青華水指 (18)-1.JPG


摘みも『七宝透かし』の半円形を金属製にて製作されております。

その中には武士に好まれた『沢潟紋』があしらわれております。

幼少期より『絵師』を目指していた『三代清風与平』らしく、全体の器体を活かしてまるで掛け軸の図柄を描くかのようにのびのびとしたデザインは、もはや茶道具という範疇に閉じ込められない美術品といえます。


三代清風与平 青華水指 (3)-1.JPG


2重箱となっており・・・


三代清風与平 青華水指 (4)-1.JPG

外箱(甲)

三代清風与平 青華水指 (5)-1.JPG

外箱(裏)


三代清風与平 青華水指 (6)-1.JPG

内箱(甲)

三代清風与平 青華水指 (7)-1.JPG

内箱(裏)


なんと、2重箱それぞれが『共箱』となっており、『帝室技芸員』印もそれぞれに押印されているのです。

清風自身が思い入れのある作品であるという証でもあります。


さらに、興味深いのは添え状です。


三代清風与平 青華水指 (1)-1.JPG


昭和10年7月26日投函の 清風家よりの手紙が在ります。

『金壱百八拾円』で『大星讃平』へ先代の作品をお譲りしたという記述です。

四代清風与平の筆です。



三代清風与平 青華水指 (2)-1.JPG


さらに手紙として、風水害へのお見舞いと、この度のご用命に対しての御礼状です。

三代没後に、四代が遺されていた三代作品を販売したことが判ります。


この『大星讃平』氏というのは・・・



『大星 三松(おおほし さんまつ)』(1874~ 1949年)で福井県出身の実業家です。

1890年に北海道に移住し、1901年に『大星組』という建築請負業を創業しました。

官公庁工事や企業工事を専門としており、名建築等も多数遺しましたが、昭和の金融恐慌や昭和恐慌の不景気のあおりで業績が落ち込み、1931年に廃業。

1916年札幌土木建築請負業者組合の創立に参画し、同評議員。1922年の北海道土木建築請負業者聯合会の設立にも参画し、最後は材木業を興したと言います。

親族にはNTTドコモ会長の大星公二がいます。


北海道の大星家の関係者の元にて『89年』遺されていた為、近年までの動乱に巻き込まれずに済んだのです。

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三代清風与平 青華水指 (17)-1.JPG


沢潟のような、凛としたフォルムは、是非・・・茶室での清涼感ある道具として活かして頂きたいところです!


今年、2024年は三代清風与平の没後『110年』の年でもあります。

この10年の間に起こった動きは、清風与平の作品にとって今後にどういった影響があるのでしょう。

各美術館には、優品が遺されております。

そして、明治工芸としては眞葛香山の2点に続いて・・・3点目の認定の『重要美術品』となった作品も国内に留まっております。

来年頭には、『京セラ美術館』に於きまして、帝室技芸員の優品を再び啓蒙しようという展観が予定されております。

是非、この機会にご覧頂き・・・熱い明治工芸の残照を感じ取っていただきたいと思います。





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【2024年 8月】 新入荷情報&スケジュールです。 [WEB BASE]

【2024年8月27日 スケジュール修正 】



先週末の『大美正札会』へお越し頂きました皆様、誠に有難うございました。

次回は12月末の予定でございます。


さて・・・明日から金沢出張、戻ってからすぐに『はんなり骨董樂市』の荷造り、トラック便送り出し・・・が有るのです。(-_-;)



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【8月の新入荷情報】




◎大正初期頃 初代 眞葛香山 仁清写柿之画 茶碗 帝室技芸員印箱

初代香山 仁清写柿之画 茶碗 (4)-2.JPG

初代、の晩年作品です。

2重箱です。



◎大正後期頃 二代 眞葛香山 仁清意小菊之画 茶碗

二代香山 仁清意小菊之画茶碗 (4)-2.JPG


やや小ぶりで、綴じ目風の口造りと、絵付けが小憎いお茶碗です。

お茶碗としては、珍しいタイプの印が押されております。


※ご成約済みです。


◎松田典男 青貝小箱

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攻殻機動隊の光学迷彩のうような、マトリックスのような・・・

光の加減で、同じ面でも違う見え方がするのです。

茶器にも、香合にも!

平成期


※売却済みです。

◎大正時代 永楽妙全 青交趾 饅頭蒸

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※ご成約済みです。


◎辻石斎 白漆蔦ノ絵 棗

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※ご成約済みです。


◎二代 中村道年 黒茶碗籬の画 銘 閑屋  堀内宗完箱 石ハゼ

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口の内側に一か所、石ハゼがあるのが残念ですが、お値段に反映。

※ご成約済みです。


◎石黒宗麿 白地黒丸 茶碗 清水卯一極め箱

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第1回の人間国宝認定のひとりである石黒宗麿は、余白の美ともいいます。この鮮やかな鉄釉の意匠と相まってとてもモダンな美を感じさせるのです。



◎中里重利 朝鮮唐津 割山椒向付 【10客】

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※ご成約済みです。


◎永楽即全 交趾千代結 掛花入 浄益金具

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◎金城次郎 魚紋 茶碗

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※ご成約済みです。


◎武者小路実篤 短冊掛け軸 チューリップ 無車会 極め書




◎大正14(1925)年 永楽妙全 仁清写四ツ目繋模様 茶碗 惺斎 箱

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なんてことない、作品ですが・・・シンプルで上品な帯紋に、余白に発色する御本手が美しいのです。


※ご成約済みです。



◎樂 慶入(前印+中印) 蛤皿   【5客×2箱】

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『蜘蛛の巣』印の前期作品の5客と『中印』の中期作品の5客を併せて10客です。

共箱は各々在ります。

出来映えはかなり良いと思います。

先日の、長入と比較するとまた面白いのです。




【8月のスケジュール】


1  ベース ×
2  ベース

5  ベース 営業中

6  オークション(大阪南美術会館)
   ~下見 等

7  オークション(大阪美術倶楽部)
   ~ 午後 ベース

8  ベース ×
9  ベース
10 ベース

17 ベース   ※18日⇒17日に変更となりました。
19 ベース   14時~×

20 オークション(名古屋美術俱楽部)
21 オークション(京都美術倶楽部)

22 ベース   夕方~搬出

23 搬入
24・25 大美正札会(大阪美術俱楽部)

27 ベース

28・29 オークション出張(金沢美術倶楽部)

30 ベース  ※午前中 荷造り  午後 営業はしておりますが、展示作品はございません。




☆予告☆ 

9月4日(水)~10日(火)  『はんなり骨董樂市』(東京日本橋 丸善書店 3階ギャラリー)



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【樂 長入 覚々斎好 蛤皿 5客】 [食の器]

少し前に上るとこまで上った?と思われたくらいに高騰しておりました、日経平均株価ですが・・・その後の急落で、大変なことになっておりました。

しかし、ここ数日の世情の変化によりすっかり持ち直しつつあるようです。



『他の要因』に左右される『株価』と異なり、はっきりした理由に基づいて変動するのが『美術品』の『相場』です。

その中でも・・近年、『樂』や『永楽』の食器の高騰が止まりません。


これは、幕末期~大正期には多く作られたのですが・・・樂では『弘入』辺りまで、永楽でも『即全』辺りを最後に、食器の制作が無くなってしまったことが要因のひとつです。

『茶器』に対して、制作の手間がかかる上、需要が特定されるアイテムであるため、それは仕方の無いことです。


しかし、これまでは樂は江戸中期~、永楽は江戸後期~の作品が、20年~30年スパンで流通してきました。

それは、『茶人』を中心とした所持と処分のサイクル、また、明治・大正期の豪商等の注文品の保管作品の放出などのタイミングがあったので、比較的に安定して『出物』の流通というものです。


昭和時代に彗星のごとく現れ、人気を博した『懐石料理屋』さん方で修行を重ねた『新世代』の料理人様方が、平成後期~令和にかけて多く独立を果たされました。

憧れや目標を元に、既存の評価軸での食器の流通・消費が進んだ結果・・・・


『古物』『骨董』としての器(うつわ)類の残存数が急激に減少致しました。


新たな出物が創出されてない、この50年のつけが一気に来たのです。


『懐石』としてのスタンダードな器は、入手困難となるのは今後さらに予想されます。


当店としましては、お料理屋様方にはもちろん・・茶人様方の『茶事』需要にもお応えする為にも、丁寧にその辺の作品を探して扱って参りたいとは思っておりますが、その辺の事情はご了承頂ければ幸いでございます。


さて、前置きが長くなりましたが・・・・


今回、珍しい『長入』さんの作品です。



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【樂 長入 覚々斎好 蛤皿 5客】

幅    16.8cm × 13.4cm  (約 各客)

高さ    6.4cm (約 各客)

制作年代 享保13(1728)~宝暦12(1762)

箱    共箱




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『蛤皿』、は樂の向付としてはスタンダードな人気アイテムとして、各代により製作されております。


この作品は、表千家6代目の『覚々斎(原叟)』のお好みです。


当時としては、目新しいものを様々好まれており、現代迄続くデザインの祖となるものも多く残っております。

この頃、樂家は代替りが早い時期であり、『原叟』時代といっても『宗入』『左入』『長入』と三代に渡ります。


『原叟』1691年襲名~1730年没

『宗入』     ~1716年没

『左入』     ~1739年没

『長入』     ~1770年没


この作品は、『長入』が代を襲名した1728年~隠居する1762年の間の製作と推定されます。


本歌は『宗入』です。

代によりこの蛤皿も若干意匠に変化がもたらされます。

長入作品の方がより造形的となり、左右の貝のエッジの立ち方・・・3D感が強いのが特徴でしょう。



長入 蛤皿 (4)-1.JPG


写真より、実物の方がすっきり明るい印象となります。

状態はとても良く、『香炉釉』が光ります。



長入 蛤皿 (5)-1.JPG


『香炉釉』は、『長次郎』の妻の祖父であった『田中宗慶』の作品より登場する技法です。

『天下一焼物師』の称号を持ち、それは樂家へと引き継がれます。

実質的には樂の初代は『長次郎』と『宗慶』のユニットのようなイメージが正解かもしれません。


『宗慶』の子として『宗味』も居ます。長次郎の妻の父です。

そして・・・今では『樂家2代目』として数えられる『常慶』・・・こちらもまた、『宗慶』の子であるのですが。


『常慶』は香炉を多数遺しており、その際によく使われていたことから・・・貫入入りの『白釉』のことを『香炉釉』と呼ばれるようになったのです。


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丁寧な脚の造形。そして在印です。



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5客が非常に状態良く現存しております。

長入 蛤皿 (9)-1.JPG



長入 蛤皿 (1)-1.JPG


共箱です。

『樂吉左衛門』時代であることがこちらからも特定できます。


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蓋のサンの片方は欠落しております。

旧蔵の蔵の記名が在ります。



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約260年の間・・・激動の江戸後期から、明治維新。そして太平洋戦争を経て・・・現在迄、よくぞ御無事で伝世したものです。


こういう事実を基に、作品と対峙した時・・・単なるうつわ、としてでなくタイムマシーンというか・・歴史のロマンを感じるのです。


※ご成約済みです。


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【十七代永楽善五郎(而全) 掛分桃ノ絵 茶碗】 [茶道具]

【8月の企画テーマ 茶碗をかんがえる ⑤】


当店の取り扱いとしては『異色』と皆から言われます・・・(^^;

コロナ禍の中、隠居された『十七代 永楽善五郎』作品です。



1944年 十六代善五郎(即全)の長男として生まれる

1998年 1月1日、十七代永樂善五郎襲名    

2021年  代を息子に譲り、『永樂而全』と号する。



正直・・・・十七代作品は、『永楽紘一』時代の前衛的な作品の茶道具は若干扱いましたが、襲名後のものは、あまり。。

しかし、今回ご紹介するものは、なかなかの見所のある作品なのでピンと来たのです。


而全 掛分桃ノ絵茶碗 (3)-1.JPG


【十七代永楽善五郎(而全) 掛分桃ノ絵 茶碗】


幅   11.4cm

高さ  8.1cm

高台径 4.8cm

製作年代 平成時代

箱    共箱


このお茶碗は、絵付けの方法が通常の仁清写しなどの色絵と全く違う組み合わせで構成されております。

而全 掛分桃ノ絵茶碗 (5)-1.JPG



土の表面の粗さを残すような轆轤形成のあと、肌色の釉薬にてその景色を活かして着色。


その上から、とても上質な金彩の絵付けにて『桃』『柳』の意匠を全面にあしらっております。


『桃』のお茶碗って、よく考えると珍しいものですね。


而全 掛分桃ノ絵茶碗 (6)-1.JPG


而全 掛分桃ノ絵茶碗 (7)-1.JPG


内側から外側にかけて、『白釉』を『掛け分け』ております。


左右方向の『掛け分け』は樂焼を始め、見受けられることが在りますがこのような内から外に対しての『掛け分け』は非常に珍しいものです。


而全 掛分桃ノ絵茶碗 (9)-1.JPG


これらの釉薬は、『野々村仁清』のテイストを色濃く感じさせるものであり、このお茶碗の一番の『特色』は・・・

比較的、近年の新しめの『綺麗』なお茶碗であるにも関わらず、どこか古作との『親和性』があり、正直・・・『十七代永楽善五郎』に対する見方を変えるだけの魅力があるのです。



而全 掛分桃ノ絵茶碗 (8)-1.JPG


高台側です。


而全 掛分桃ノ絵茶碗 (1)-1.JPG


特別作品のようで、共箱が『2重』に誂えております。

而全 掛分桃ノ絵茶碗 (2)-1.JPG



而全 掛分桃ノ絵茶碗 (3)-1.JPG


このお茶碗を見ていると・・・どこか、幕末~明治にかけて活躍しました『永楽和全』にも通じるものがあり、それは・・・17代の御子息である、『18代永楽善五郎』が発揮している、了全以前の西村家作品の再構築、和全テイストの再現をしている実力への・・・確実な血の繋がりを確信させられたのでした。



※ご成約済みです。




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【二代 眞葛香山 仁清意小菊之画 茶碗】 [眞葛香山]

【8月の企画特集 お茶碗をかんがえる④】


当方が、ライフワークとしております『眞葛香山(宮川香山)』ですが、ちゃんと数えたことは有りませんが、おそらく3000~4000点は見てきていると思います。

ですのに、未だ扱ったことが無い作品が毎月のように現れるのです。(^^;

それには、香山は似たようなものでも全て変化させて作るということもありますが・・・元より、ラインナップの幅が広すぎるということも有ります。


プロトタイプが山盛りレギュラー作品並に『眞葛窯』から送り出されていた『初代』時代も、なかなかのカオス状態ではありましたが、国内向け需要に転換した『二代』時代の茶陶も、これまた需要にすぐ応えてあらゆるパターンが造られましたもので、バラエティの豊富さは脱帽ものなのです。


今回ご紹介する『秋』向けのお茶碗ですが、過去に扱ったものとは・・・もはや同手とは言えない変化球の激しい個体だったのです。。。。



二代香山 仁清意小菊之画茶碗 (4)-1.JPG


【二代 眞葛香山 仁清意小菊之画 茶碗】


幅    11.9cm

高さ   7.9cm

高台径  4.5cm

製作年代 大正後期

箱    共箱




『小菊』に『籬』の意匠です。


『籬(まがき)』は竹を編んだ垣根のことで、菊と併せて意匠化され日本では昔からよく紋様や題材として使われております。



二代香山 仁清意小菊之画茶碗 (7)-1.JPG


かわいく、描かれているのは・・・『紺菊(こんぎく)』でしょうか。


9月~11月に咲く、『小菊』です。小菊は9cm以下のものを指します。


逆に、『籬』はダイナミックに手前に描かれております。

ここで、面白いのは・・・

『綴じ目』が造られていることです。


六古窯時代の作品からも見られる技ですが、『香山』の面白いところは・・・・


その『立体感』を『籬』の3D的な表現に用いたことです。

そのことで、小菊の咲いてる野原と前後の表現となり、平面的になる画題をまるで奥行きのある『庭』の風景として表すことに成功しているのです。



二代香山 仁清意小菊之画茶碗 (6)-1.JPG


反対側はシンプルに。

せっかくの正面の印象を邪魔しないように心配りされております。


二代香山 仁清意小菊之画茶碗 (8)-1.JPG

上から。

綴じ目は、おそらく轆轤を挽いた後に切ってひっぱって繋いだように見えます。


見えにくいのですが、口縁あたりには『藁灰釉』特有の風合いが良く出ているのです。


二代香山 仁清意小菊之画茶碗 (9)-1.JPG


二代香山 仁清意小菊之画茶碗 (10)-1.JPG


香山自身、特別に作った個体であったのでしょうか・・・通常、お茶碗に用いる『眞葛』印とは異なるタイプを使用しております。


二代香山 仁清意小菊之画茶碗 (11)-1.JPG


大正後期の香山のお茶碗は、初代の後期の傾向を色濃く踏襲しております。


二代香山 仁清意小菊之画茶碗 (1)-1.JPG


箱のしつらえ、は底部が大正期の特別作品によくあるパターンです。


二代香山 仁清意小菊之画茶碗 (2)-1.JPG


とても、初代に似た筆跡です。(^^;


箱の甲には少し、イタミがあります。


二代香山 仁清意小菊之画茶碗 (3)-1.JPG


共箱です。


kongiku.jpg


『小菊』の花言葉は・・・・


『元気』 

『真実』

『純情』 


枝分かれして次々と・・ちいさいながらも、大菊にも負けない花を咲かせていく小菊なのです。


※ご成約済みです。


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【平澤九朗 黒瀬戸万歳楽文字入 茶碗 二十ノ内】 [尾張陶磁器]

【8月の企画特集 お茶碗をかんがえる③】


当方では、比較的よく扱います『平澤九朗』作品です。



瀬戸・美濃の古作写しを中心に名品を数多く生み出している尾張藩士です。


『名古屋市史』より、人物像を紐解いて参りましょう。


名は一貞、通称は清九朗、九朗と号す。只右衛門の子なり。

寛政三年、藩主宗睦の側小姓と為り。切米五十石・扶持五口を給せらる。

八年、小納戸に徒りて奥番を兼ぬ。十一年、父の遺跡を継いで禄四百石を食む。

翌年、目付に進む。

享和元年、高須の用人を命ぜられ弾正少弼勝当に附属す。

文化六年、同家番頭と為る。用人故の如し。

十一年、病に依りて退隠し、家を長男一胤に譲る。

乃ち養老園を城東清水坂下に設けて茶事を娯とし、製陶を以て身を終ふ。

天保十一年六月二十三日没す。享年七十。法号を一貞院貫誉九朗と曰ふ。

九朗陶を以て世に知られ、其製する所頗る雅趣あり。

茶友に小堀宗中・松尾宗五等ありて、茶室を今昔庵と号す。


・・・・と、あります。


少し、補足致しますと・・・

『有楽流』で、『養老園』に『今昔庵』と『舊庵』の2つの茶室を持ち茶の湯を嗜んでいたといいます。

『平尾数也』(尾張藩数奇屋頭)

『松尾宗吾』(松尾流五代)

『小堀宗中』(遠州流8世)

『不蔵庵龍渓』

など、流派を問わず幅広い交流が伝えられております。



平澤九朗 黒瀬戸写茶碗 (4)-1.JPG


【平澤九朗 黒瀬戸万歳楽文字入 茶碗 二十ノ内】


幅   10.8cm

高さ  7.6cm

高台径 4cm

制作年代 文化11(1814)~天保11(1840)

箱   共箱




九朗作品といえば、水指では『瀬戸釉』が有名です。

お茶碗では、織部や織部黒・志野・瀬戸黒などが造られておりますが・・・やはり特筆すべきは、引き出し黒によるこの『瀬戸黒』でしょう。


この作品は、有名な『瀬戸黒 万歳楽文字入茶碗』を写したもので、『20個』製作されたものです。


同時代、樂の『了入』も同じお茶碗を樂焼にて写しております。


九朗の活躍期間は 文化11(1814)年~天保11年(1840)


了入は 明和7(1770)~天保5(1834)年 と、まさにリンクします。


昨年、扱いました作品の画像が在りますので、今回は比較してご紹介してみましょう。




平澤九朗 黒瀬戸写茶碗 (4)-1.JPG

《九朗 万の字》


了入 瀬戸黒写茶碗 (5)-1.JPG


《了入 万の字》


平澤九朗 黒瀬戸写茶碗 (5)-1.JPG


《九朗 歳の字》


了入 瀬戸黒写茶碗 (6)-1.JPG


《了入 歳の字》


平澤九朗 黒瀬戸写茶碗 (6)-1.JPG

《九朗 樂の字》


了入 瀬戸黒写茶碗 (7)-1.JPG


《了入 樂の字》



平澤九朗 黒瀬戸写茶碗 (8)-1.JPG

《九朗 高台》



了入 瀬戸黒写茶碗 (10)-1.JPG


《了入 高台》



了入は、『樂焼』ですので『手びねり』で形成されております。

『轆轤目』風に形成しているのが分かります。また、釉薬はあくまでも『了入』の『黒樂』です。


了入・旦入は美濃焼の写しを作っておりますがそれらは、樂の方程式にて疑似的に再現しております。


さて、九朗です。

形状といい、釉薬といい、大変上質に仕上がっております。

九朗作品は数多く有れど、『尾張陶』としての面白さとしては『アリ』ではありますが、一般茶陶としては『アレ?』という大きさ・形状のものもかなり割合として作られております。

そういう面でも、このお茶碗は申し分のないお茶碗として希少といえます。


平澤九朗 黒瀬戸写茶碗 (9)-1.JPG

了入では再現できなかったのでしょうが、九朗では箆による削りもみどころです。

『付け高台』の高台脇に『櫛目』のような意匠は双方にみられます。



平澤九朗 黒瀬戸写茶碗 (1)-1.JPG


平澤九朗 黒瀬戸写茶碗 (2)-1.JPG


平澤九朗 黒瀬戸写茶碗 (3)-1.JPG


共箱です。



平澤九朗 黒瀬戸写茶碗 (7)-1.JPG


上から。


平澤九朗 黒瀬戸写茶碗 (6)-1.JPG


個人的には、このお茶碗で好きな面は、『楽』ですね。



『万歳楽(ばんざいらく)』は、『唐楽』という中国より渡来した『雅楽』の曲です。

唐の『則天武后』の作とも、隋の『煬帝 (ようだい)』 の作ともいわれており、めでたい曲とされています。

『鳥歌万歳楽』ともいい、『宮中に鳥を養つた処よく人言をなし常に万歳と称した、此の曲はその鳥の声を象つたともいふ』

日本で作られたという説もあります。『用明天皇』が即位の折に作られたというのです。


また、『舞』以外にも『謡曲』にも登場致します。


有名な、『高砂』の中で・・・『千秋楽は民を撫で、萬歳楽は命を延ぶ』と謡われます。



本歌のお茶碗に倣ったのでしょうが、何故・・・〇紋に文字を3か所? 

・・・とずっと思ってたのですが。



文字を見ようとお茶碗を見ていると、まるで掌の中でお茶碗が舞ってるような気がしてきたのです。





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【二代 眞葛香山 乾山意茶黒釉源氏画 手造茶碗】 [眞葛香山]

【8月の企画特集 ~お茶碗をかんがえる②~】


今回は、香山作品でいってみましょう!


二代香山 乾山意源氏画手造茶碗 (4)-1.JPG

【二代 眞葛香山 乾山意茶黒釉源氏画 手造茶碗】


幅    12.5cm

高さ   9.1cm

高台径  5.1cm

制作年代 大正後期

箱    共箱



今回のお茶碗の題材は、大河ドラマでお馴染みの『源氏物語』です。



『源氏物語』は『紫式部』が平安時代中期(11世紀初)に書いた、長編小説です。


世界最古の長編小説といわれ、『五十四帖』というそれぞれが単体として完結する54の物語の集大成が、全体として『3部構成』となっております。

80年ほどの期間に500人が登場する壮大なストーリー。


男性からみても、うらやましいというよりは・・・なんて事ッッというオンパレードで。(笑)

そりゃあ、大昔としたら度肝を抜かれる一大ベストセラーになるわけです。


それはさておき、近代へと向かい、西洋化が加速している明治や大正時代にあっても、存在感のある古典でなのですが、意外と・・・器物としてのお茶道具に取り入れられるケースはあまり存在しませんでした。

長造の頃に、『巻物』としての香合で登場しますが、やはり題材としては難しいことろもあったのかもしれません。


二代香山の初期、大正の後半に『香合』や『茶碗』などが製作されました。



二代香山 乾山意源氏画手造茶碗 (4)-1.JPG


まず、このお茶碗の珍しいところ・・・


『手びねり』にて形成されております。


『樂茶碗』とは異なり、京焼を基とする眞葛焼では、『仁清』でも『乾山』でも・・・はたまた『伊賀』も『轆轤』により形成されます。


特に、『二代香山』は『轆轤の名手』として知られ、茶道具に関しては全て自身で作成したとの伝もあるのです。


裏側を見てみましょう。


二代香山 乾山意源氏画手造茶碗 (7)-1.JPG


ベースが、『黒釉』ではなく・・・なんと『窯変』なのです!



二代の談として、『世の中、窯変と声高に言う輩が多いが・・・偶然の産物のことを指すことばかり。完全にコントロールしてこその窯変である』と。(脳内再生なので少し言葉尻は違います(^^;)


二代香山 乾山意源氏画手造茶碗 (8)-1.JPG

まるで窯変天目・・とまでは申しませんが、銀河系のような引き込まれる発色です。


『花瓶』等でも『窯変』の釉薬の発色の安定性や気高さ、などは特筆すべきところが在ります。


このお茶碗は、それだけでおさまりません。


先に、高台側をご紹介します。


二代香山 乾山意源氏画手造茶碗 (9)-1.JPG

二代香山 乾山意源氏画手造茶碗 (10)-1.JPG


香山の『乾山意』の様式である、印とは別に『香山』の書き銘は本歌である『乾山』作品に倣います。


そのことから、このお茶碗は『尾形乾山』の樂茶碗にインスパイアされたものであることがうかがえます。



では、次は・・『図柄』のアップをご覧ください。


二代香山 乾山意源氏画手造茶碗 (5)-1.JPG


男性側、『光源氏』でしょう。

綺麗な色絵になってますね。



ん?


『窯変』ですよ!


なんと、仁清釉が深部に。

その層の部分に、『鉄釉』にて図柄が描かれており『茶色』の色も着彩されてます。

そして、窯変と同じ表面レベル(層)として透明の上釉があり、その上から有色と金彩が施されているのです。

まるで3D構造のような、造りになっているのです。


女性側も観てみましょう。


二代香山 乾山意源氏画手造茶碗 (6)-1.JPG

『極彩色』という技法にて、牛車と単衣が描かれてます。

意匠全体は、『扇』形にくり抜いた様になっており、『河』を隔てた男女2人の姿。

そこに金彩にて『霞』がかかっている様相です。


手びねりによる『ゆらぎ』の中に・・・窓として描かれる『出会い』


源氏物語の中では、直接的な逢瀬だけでなく、『すれ違い』『偶然の出会い』が、様々なシチュエーションで描かれております。


その中でも、『関屋』と『澪標』が浮かびました。


『関屋』は『逢坂の関(おうさかのせき)』にて、石山詣の途中である『光源氏』と上京する『空蝉』の一行がばったり遭遇する物語です。

お互いの姿は車の中にて見えませんが、明らかにお互いの存在は認識しております。

『空蝉』は過去に源氏を想いがありつつも振った側であり、『源氏』はずっと忘れられない相手でありました。



『澪標(みおつくし)』は、罪を許され都に返り咲いた『光源氏』が、秋頃『住吉詣』した際に、かつて『明石』にいた際の愛人であった『明石の御方』と偶然にも遭遇するのです。

しかし、『明石の御方』だけが気付いており、すっかり大成し、まばゆいばかりの『光源氏』の様子に、改めて自身との身分の差を思い知らされ、そっと姿を消すのです。

後で、『明石の御方』が来ていたことを知った『光源氏』は、声もかけられずに去った御方を哀れに思い・・・使いを送って歌を交わしたのです。


『河?波?』があることから、当時は海辺であった『住吉大社』の様子が含まれている気もし、また顔を合せて逢わなかった二人ですが・・・

本当はこのように『逢って、声をかけたかった』という想いをこのお茶碗の『扇子窓』の中に『夢』として描いたのかもしれないなぁ・・・と思うのです。


源氏物語、お詳しい婦女子の皆様からのご意見、お待ちしております☆




二代香山 乾山意源氏画手造茶碗 (2)-1.JPG


共箱です。『手造』とわざわざ記されております。


二代香山 乾山意源氏画手造茶碗 (3)-1.JPG


二代香山 乾山意源氏画手造茶碗 (1)-1.JPG


2重箱で大切に伝世されてきました。



二代香山 乾山意源氏画手造茶碗 (4)-1.JPG



今回は、『技法』としても、『テーマ』としても語り合うべき素材が深いお茶碗のご紹介でした!



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【宮田呉介(三代乾山) 志野焼歳男茶碗 模 坤十六個之内】

何故だか・・・幕末期に『だけ』、『写し』が造られたというお茶碗があります。


『歳男』という『志野茶碗』です。


今回は、その御茶碗の写しとしては優品のご紹介です。


呉介 志野歳男写茶碗 (5)-1.JPG


【宮田呉介(三代乾山) 志野焼歳男茶碗 模 坤十六個之内】


幅    13.1cm

高さ   8.1cm

高台径  5.1cm

制作年代 天保11(1840)年頃

箱    共箱




本歌、は『永井信斎』の所持とされます。


本名は、『永井尚政 (ながいなおまさ)』という江戸前期の大名です。


天正15年生~寛文8年没

二代将軍徳川秀忠の近習。元和5年上総潤井戸藩主(1万5000石)。

老職もつとめ井上正就,板倉重宗とともに「秀忠近侍の三臣」といわれた。

寛永3年父の遺領をつぎ,下総古河藩藩主をへて,10年山城国淀藩主(10万石)永井家初代となりました。

号を『信斎』といい、織田有楽流の茶人であり、小堀遠州とも交流があったともいいます。


このようなフライヤーを見つけました。


ちらし.jpg


このチラシにも掲載されているように、『了入』も写しており当店も同手を扱ったことが在ります。

他にも『奥田木白』や『仁阿弥道八』も作っており、道八作品での記録としては・・・

『天保2(1831)年』『天保12(1841)年』『嘉永2(1849)年』等が記されており、制作年度に応じて作品の記を変えているようです。


ほんとに、この時期だけにのみ存在するというのは、『京都』に於いてその時に『歳男』のホンモノが知られるきっかけがあったのでしょう。

それが茶会であったのか、お寺であったのかは定かでありませんでしたが・・・今回、この作品の共箱にヒントがありました。

呉介 志野歳男写茶碗 (3)-1.JPG


『観西村氏所蔵者』


幕末期、『西村某』さんが『歳男』を所持していたということでしょう・・・この件は、また追加調査を行いますが、今回は置いておいて。



呉介 志野歳男写茶碗 (4)-1.JPG


中心に『火焔宝珠文』が描かれてます。


呉介 志野歳男写茶碗 (8)-1.JPG



『一日~十五日』の干支が記されてます。


呉介 志野歳男写茶碗 (7)-1.JPG


『十二月大閑』 (大福かもしれません)


呉介 志野歳男写茶碗 (6)-1.JPG


『犬、子、牛・・・』13行続き


呉介 志野歳男写茶碗 (5)-1.JPG


正面右側の『庚子大さい上章』『立春乾山写』 に続きます。


呉介 志野歳男写茶碗 (9)-1.JPG

内側です。

見込みの側に六角の『蔵』印です。 蔵六亀でしょう。


呉介 志野歳男写茶碗 (12)-1.JPG


高台側です。


呉介 志野歳男写茶碗 (11)-1.JPG


『宮田呉介』は文政年間(1818~1830)から天保年間(1830~1844)頃に京都で製作していた陶工です。

『三代乾山』を名乗っており、『鳴滝』の土を使った乾山風の香合を数多く作り配っていたことが知られておりますが、これはおそらく宣伝活動であったのでしょう。


初代乾山が、江戸へ下ったこともあり、『京都乾山』と『江戸乾山』という2つの流れが生まれたようです。

といっても、血縁関係や正式な襲名などによる継承、ではなく・・・私淑であったり、正規の文献などを受け継いで所持していたりなどといったもののようです。


後年の研究用に記しておきますと。


《京都》①尾形乾山 ②猪八 ③清吾 ③ー2 宮田呉介

《江戸》①尾形乾山 ②宮崎富之助 ④抱一 ⑤西村藐庵 ⑥玄々斎 ⑥ー2三浦乾也 ⑥ー3 浦野繁吉 ⑦バーナードリーチ 


乾山の遺した『陶工必用』『陶磁製法』『乾山樂焼秘書』などの文書は、『他見無用』とされていたのですが、弟子や崇拝する後世の陶工達により秘宝が伝授され各地の国焼へと伝播し・・・


『伊勢萬古 沼波弄山』

『仙台堤焼 乾馬』

『隅田川焼』

『尾形周平』

『摂津 桜井焼』

『播磨 東山焼』

『淡路焼』

判明しているだけでこれらの窯へと伝わったようです。


『宮田呉介』は決して乾山の写しのみを目的とした陶工ではなく、それはこの作品からもはっきりと伝わってきます。

正直、『仁阿弥道八』や『了入』の作よりも出来映えは抜群であると感じるのです。


呉介 志野歳男写茶碗 (2)-1.JPG


共箱の甲側には『坤十六個内』と記されます。

おそらく、16個+16個の32個製作したものでしょう。


永井信斎が所持していたのですから、確実に桃山期~江戸初期には存在していたものが、本歌となりますが、類品の志野茶碗というのも観ることが有りません。

本歌は、過去に根津美術館で公開された記述をみたことがあったような気もするのですが・・・


『暦』は江戸時代に『三島暦』や『伊勢暦』など各地で発行されておりました。


伊勢暦.jpg

『伊勢暦』


『暦』は『御師(おんし)』が製作し、年末に配られる物であったことから・・・

『暦手』は年末から年始に使われるのです。


このお茶碗の暦も・・・詠み始めたのですが、詠めないと部分もあり・・・そもそも、詠むこと自体が意味を為さないことにも気づきまして、ブログでご紹介に至った次第です。



呉介 志野歳男写茶碗 (5)-1.JPG


幕末京焼の世界は、まだまだ深いのです。(^^;



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【2024年7月】の新入荷情報&スケジュールです。 [新入荷]

【2024年7月29日 新入荷追加】


『十翔会』、無事終了致しました!

猛暑の続く中、多数のご来場を頂き・・・誠に有難うございました。


次回は11月の開催となります。またどうぞよろしくお願い申し上げます☆





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新入荷ラインナップです。


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お茶碗コーナー


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蓋置コーナー


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床の間、意識コーナー。


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今日は『祇園祭り(前祭)』ですね。

以前、頂いた布巾?を吊ってみました。『月鉾』さんです。


京都といえば。

先日の京都出張、ついでに立ち寄りました『寛次郎記念館』。

いついっても、癒される空間なのです。

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名言集もあったりと。


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今月も後半戦、気を引き締めてまいりたいと思います☆


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では、6月末~今月の新入荷情報です。



◎文政9(1826)~天保13(1842)年頃 仁阿弥道八 染付桃 香合 鵬雲斎 箱

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染付の上がりが、抜群に上品なのです。さすが京染付を最初に完成度を高めた陶工なのです。


※ご成約済みです。



◎明治期~大正6(1917)年頃 六代 豊楽焼 黒 茶碗 六十六翁

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おそらく、六代豊楽の茶碗としては・・最上手と云っても過言では無い作品です。

※ご成約済みです。


◎文化12(1815)年~頃 岡田雪台 茶杓 銘『うつら』(鶉) 以深草山の竹 造

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夕されば野辺の秋風身にしみて鶉鳴くなり深草の里

藤原俊成『千載和歌集』秋上259(1188年頃)

不昧公の養子であったことで知られる雪台ですが、その精神性の継承性のみならず・・・茶杓の削りも得意とされていたのです。


※ご成約済みです。



◎大正~昭和中期頃 河本礫亭 青華麦酒 杯 【一対】


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色彩の良さにほれ込みました。そして・・・名美アートフェアの最中にこっそりビールを試してみたりも(笑)



◎三浦竹泉 赤絵蓮鷺絵 手桶猪口向付 【10客】


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磁器でちょこっとしたお料理に。ほぼ未使用品で、近年竹泉作品が入手困難でありましたので、貴重な新入荷です。


※ご成約済みです。

◎大正8(1919)~昭和19(1944)年 樂 惺入 三嶋 酒盃

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赤三島と申しましょうか・・・なかなかの逸品です。





◎永楽即全 浅黄交趾竹節 耳付花入 鵬雲斎 箱


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展示会、まだまだ続きますので・・・ふつうの商材もたまには。(^^;


※売却済みです。


◎二代 矢口永寿 染付 建水

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ちょっと、洒落たものです。

寄せ皆具として、また盆略点前などにも。

※ご成約済みです。


◎文政7(1824)~天保2(1831)年 吉田屋窯 九谷焼香炉 (杯台)

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杯台を、見事に香炉化した小品の逸品です。




◎大正後期 二代 眞葛香山 眞葛窯 寶玉器


超・珍品です・・・

これまで、見たことが無かったです。唐木の台も超絶でした。(修復有)

しかし・・・お値段も、超絶でした[あせあせ(飛び散る汗)]


※ご成約済みです。




◎享保13(1728)~宝暦12(1762) 樂 長入 覚々斎好 蛤皿 【5客】

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本歌は、宗入ですが、その後左入、長入と造られております。

覚々斎が存命の時の作品で、この短期間に三代の樂の作品があるというのも珍しいことにこの度気付きました。

代ごとに、形状がやや異なります。


※ご成約済みです。


◎大正後期 二代 眞葛香山 乾山意茶黒釉源氏画 手造茶碗

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ちょうど、一年前にも同手を扱いました。今回の方がやや絵付けが大き目で丁寧でしょうか。



◎江戸時代後期 楽山焼 茶碗

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江戸後期の楽山焼です。五月の分とはまた異なる雰囲気でございます。


※ご成約済みです。


◎江戸時代後期 平澤九朗 黒瀬戸万歳楽文字入茶碗 二十の内

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久々に、好きな作風の九朗の茶碗を入手しました。

これの本歌を写した旦入作品、有名ですね。



◎文政10(1817)~天保14(1843)年 永樂保全(善五郎) 大獅子 香合

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こちらも・・・近年、扱いましたものと同手です。


※ご成約済みです。


◎文政10(1817)~天保14(1843)年 永樂保全(善五郎) 小判蟹 香合 即中斎 箱

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作品としては、なかなかの出来栄えです。

珍しく、即中斎の割書が在ります。




◎文政10(1817)~天保14(1843)年 永樂保全(善五郎) 引切写竹輪 蓋置 交趾蓋置 二個組  別箱

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それぞれ、共箱に収まっており、外箱として二点組に仕立てられております。

灘の小網家旧蔵品


※売却済みです。


◎大正後期 永楽妙全 了々斎好紫交趾 葉皿 【10客】

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定番中の定番ですが、近年・・・なかなか10客揃いでは見つからなくなりました。

永樂の食器類の高騰が進んでおります。

それは数の減少と、求める人の増加によるもので、今後はさらに加速することが予測されます。


◎19世紀 ボヘミアンガラス 金彩リキュールグラス 【5客】

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◎6~7世紀 エジプト コプト裂 幾何学文様  アクリル額装

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※ご成約済みです。



◎沢村陶哉 御本手波涛図 皿 【5枚】

陶哉 銘々皿 (3)-2.JPG


※ご成約済みです。


◎天保11(1840)年頃 宮田呉介(三代乾山) 志野焼歳男茶碗 模 坤十六個之内

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『歳男』は、永井信斎所持として有名な茶碗です。

幕末期には、『了入』や『仁阿弥』等がこぞって写しておりました。

呉介は、京都乾山系として三代目を自称した陶工です。


※ご成約済みです。


◎喜田華堂 掛け軸 紅葉山水図

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尾張徳川家御用絵師 の作品です!

中回しが龍田川になっておりお洒落です。




◎昭和59年3月松阪屋寛次郎展 河井寛次郎 花絵 円皿 河井つね識箱

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※売却済みです。



◎1964年頃 芹沢銈介 小額 首里の紙漉き 共箱 共シール

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※売却済みです。


◎服部峻昇 螺鈿草花 銘々皿 【5枚】

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※売却済みです。


◎大正4(1915)年御大典記念 樂 弘入 赤 茶碗 稲自画 惺斎好み


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※ご成約済みです。




【7月のスケジュール】


1 ベース  荷造り&事務作業

3 ベース ×

4~7 東京出張

6・7 『東美正札会』(東京美術倶楽部)

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9~11 オークション出張(名古屋)

12 ベース △ 

13・14 オークション出張(京都美術倶楽部)

16 ベース  荷分け~撮影
17 ベース  ご予約 2件有
18 ベース  午前 ×

19 オークション(大阪美術倶楽部)
20 オークション(名古屋美術倶楽部)
21 ベース 午後 ×
22 ベース
23 ベース × (外販)

25 ベース  夕方~搬出

26~28 『十翔会』(大阪美術倶楽部)

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29 ベース 午前~搬入
30 ベース  



※上記日程は予定でございます。随時所用や外回りのスケジュールにより変更があります。




<今月のよもやま話>
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東美正札会、終了致しました!

今回は・・・初日に、新幹線が停電で止まるという、事態もあり・・・来れなかったお馴染み様方もいらっしゃったこともあって、ちょっとさみしい感じでした。(+_+)

3時間も、駅で待ちぼうけとのご連絡もあり、むしろ車内で停電で空調効かないよりは。。でしたが大変なご苦労をされた事と思います。

12月にまた、お会いしましょうね。。

そして、お久しぶりの方など、お越し頂きました皆様方、誠に有難うございました!

今回、昨年10月の『東美アートフェア』でお見知りおきの方々のメールでのご連絡や、ご来場など・・

大変うれしく思います。


企画展示ならでは、のご縁であったのが・・・6月の企画でちょっと自信無くしかけていた所でしたので、心強く感じました次第です。(^^;



さて、今回の『ブラフジイ』です。


先輩の丸善展示会に立ち寄った際・・・売りモノを丸善カフェに持ち込んで盛り付けてもらって楽しんだり。  売るけれどウランガラス。

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久しぶりに月島へ。

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1番目のお目当てが・・・・コロナ禍のせいか、閉店しまってました[あせあせ(飛び散る汗)]

でも、大人気の2番目の候補を開店前から待ち構えて、予約で満席ですがなんとか入れました☆


今回のトピックはこちらでしょうか。


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東京地下神殿。


地上より一歩踏み入れた瞬間から、猛暑の下界から段違いの16℃!

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この竪穴から、河の増水を引き入れるそうです。

そしてこの神殿ゾーンが洪水を防ぐ為の貯水槽となり、江戸川へ放出することで災害を防ぐのです。

人間の英知と建造の力に拍手でした。


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構造物といえば、何度見ても大好きな東京タワーは、期間限定イルミネーション。

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今回、東美正札会が併催している『TSUNAGU』が『酒のうつわ』の特集展示でありましたので、

会場内には23区唯一の酒造である、『東京港醸造』さんが出店。

最終日の閉場直前で、会場にある酒器を買って、そのまま持ち込んで注いでもらうというチャレンジをしてみいました(^^)/

同じお酒でも、容れもので味が変わるというのは本当なのです。


2日間で、8杯程試飲させていただきました。(^^;



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今回の、当店の展示エリアよりご紹介致します。


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メイン展示エリアです。『4階-19』となります。


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大道具コーナー(4階奥)


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2階 高級美術エリア(30万円以上)

窓側に展開いたしております。

選りすぐりのラインナップでございます。

是非ご高覧くださいませ[ぴかぴか(新しい)]


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基本的に、4階19を中心に滞在しております。

お客様のアテンド等で場所を離れていることもございます。

下記より携帯電話、もしくは各階受付より御呼びだし戴ければ幸いでございます。

では、皆様のご来場を心よりお待ち申し上げております。



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『名美アートフェア2024』へご来場頂きました皆様、誠にありがとうございました。

一夜明けた本日は・・・お休みしたかったのですが・・・

東美正札会への、輸送トラック便の関係上・・朝一でベースへ昨日までの荷物を搬入し、仕分けと番号札貼り・・・トラック便用の梱包へやり替えて、11時には無事見送ることが出来ました☆


さて。


名美アートフェアでの企画展、『茶碗、十考』


多数の皆様に『熟考』頂き投票頂きましたので、結果発表を致します。


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最初のランキングは、価格順でスタート。


毎日、随時投票に応じて展示も順番を入れ替えました。



9位・10位  

永楽即全 柳 
永楽而全 桃


・・・残念ながら、無投票。( ;∀;)

桃の方は、珍しい上手でして・・・好き、という方もちょこちょこいらっしゃったのですが。

『1点』しか選べないということで最後に落選するのです。2つ選べるなら票が入ったことでしょう。



8位 香山 紅葉 2票

あれっ?   どうしたことでしょう・・・これ、なかなかのお茶碗なのですが・・


7位 了々斎 手造赤 4票

こちら、不思議なことに、裏千家流など・・・他流派の人ばかり投票頂きました。

確かに、表千家家元の手造り茶碗は味わいありますもの。

5位・6位(同票) 6票づつ

得全 乾山写黒 

保全 河濱焼 鶴  


これらは、迷わず推す!という入れ方されてました。あと・・迷った挙句他のものに入れられるケースも多くみられました。魅力的です。


4位 香山 菖蒲 7票

これは個人的には好きなお茶碗なのですが、展示するとちょっと魅力が伝わりにくい形状です。

しかし、こういった投票どうぞ、というお話となりましたらひとつづつちゃんと見て頂けるんですよね。

このお茶碗の形状・意匠が秀逸だと、口を揃えてご評価頂けました。

他のお茶碗に投票頂きました方からも次点として結構悩まれたようです。


3位 秋二 織部釉俵 8票

今回の企画ではお値段が一番安かったので、展示場所は最下位スタートからでしたが、もうグングン人気。
      
地域柄、これは誰?ということもなく、しかしなんで売れないのでしょう?(^^;


2位 御深井焼 藤袴写 11票

さすがご当地。すごい人気です。


他の地域では、『筒だしね~』『点てにくいんじゃないのぉ』ということからしか茶碗を見て頂けないのですが、もうこれは良い!という話しか頂きません。

最後のスパートで、尾張陶研究者氏や、元徳川美術館関係者などの推しも入りましたが一歩届かず。


1位 谷焼 黒 12票


意外でした。。。皆様、『谷焼』なんて全然ご存じないんです。

なのに、もう『これでしょう』『これしか無いです。』『魅力がありすぎ』というお声を。

毎日、御深井焼とデッドヒートを繰り広げました。

地元ブランドすぎるかな・・と思っておりましたが、ちょっと自信が出ました。




という結果です☆


しかし、遊びすぎたのか・・・『投票』自体がエンターテインメントになってしまいましたので、肝心の『展示即売』という側面がおろそかになってしまう企画でした。(-_-;)

当分、真面目にやりたいと思います。。。





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