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【大原貫学 青貝平卓】 [漆工芸]

戦前期の、大阪には今では失われた技術を持つ職人達が存在しておりました・・・。


それらの存在を記憶の風化と共に失ってはいけない、ということで大阪歴史博物館が一大展観を行いました。


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大阪歴史博物館開館15周年記念特別展

「近代大阪職人アルチザン図鑑―ものづくりのものがたり―」


明治維新以後の工芸界は東京を中心に発展を遂げ、国内外で高い評価を受けるようになります。しかしその一方、中央から離れた大阪での作り手や作品の中には、十分に世に知られないままのものが少なくありません。

平成28年は、大阪歴史博物館が開館してから15年となります。その間にも数多くの大阪の職人“アルチザン”の存在や作品が明らかになりました。これらは当館の前身たる大阪市立博物館の40年に大阪歴史博物館での15年を加えた、55年間の調査・収集の積み重ねによるものです。

本展覧会では、これまでの当館活動の中で見いだされた初公開作品を含む「忘れられた大阪の工芸」約170件を展示します。その中には美術か美術でないか、その区分にとらわれない「博物館」ならではの展示作品も少なくありません。そのような大阪の職人“アルチザン”が残した作品を通じ、大阪の近代工芸の知られざる魅力をご紹介します。



その際に、当方もご協力させて頂いアルチザン、に『大原貫学』という名工が居ます。


今回は、その貫学の作品のご紹介です。


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【大原貫学 青貝平卓】


幅 51.4㎝×30.7㎝ 高さ 12.8㎝

大正時代~昭和時代初期



反対側より。


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貫学は、本当に作品のデザインの上品さもさることながら・・・・仕事がかっちり丁寧なのです。


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使われている螺鈿(青貝)はかなり上質なものを選び抜かれており・・・質の一定レベル感も整えられ、さらに輝きも配置も秀逸です。

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木地形成もしっかりされており、全体のシャンとした感じも良いのです。


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裏側は布張の漆がけです。

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銘部分です。

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共箱

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共箱裏側です。

抱玉庵というのが貫学の号です。


およそ30年ほどの活躍だったのでしょうか・・・一代限り、の名工として彗星のように現れ、消えました。。。


戦前の大阪には、本当に指物師をはじめ凄い職人たちが、財界人の茶道への傾倒と併せて活躍の場を与えられ、その技を競い合いました。

それらは、ただ・・・ただひたすらに良い作品を作り続けるという、”職人~アルチザン~”として自己の追求をしており、名声や役職、受賞などといった雑音には目をくれませんでした。

それが故に、コトバとしては後世に残らず・・・ただ、作品があるだけ。

そういうストイックなものこそ、今見直されなくてはならないと思うのです。



※ご成約済みです。


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