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【御本立鶴 茶碗】 [茶道具]

「御本立鶴」は、高麗茶碗の中では一番有名なものでは無いでしょうか。


それ故に、現代にいたるまで様々な茶陶作家が挑戦し続け、「写し」が作られております。

そして、それを手本としてさらに茶会なので知られ広まっているのです。


その「写し」への挑戦は・・・古い時代にも朝鮮半島でも挑戦されておりました。(挑戦半島。。)


「本歌」というのはかなり数が少ないモノで、野村美術館に所蔵されておりますものは中興名物であります。

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小堀遠州から松平不昧へ伝わったものです。


世間で知られますように、寛永16年頃に3代将軍の徳川家光が描いた立鶴の絵を元に・・・小堀遠州が朝鮮に注文したものであるとの伝承で、その図案をお手本にしたことから「御本茶碗」と称されるわけです。

この最上手の本歌は、他に数多く伝世するものと区別して「本手」御本立鶴と呼ばれます。


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他に有名なものでこちらもございます。


こちらは原三渓旧蔵のものです。やや口径が小さいです。


比べてみますと、同じ鶴のようで若干異なるようです。


さて、序盤で・・・挑戦半島・・・と書きましたように、需要があったことから倭館での御本立鶴茶碗の製作は比較的長期間に及んだようです。

本手は江戸時代初期であるわけですが、そこから約200年の間に朝鮮にてオフィシャルの「写し」が作られるわけです。

その中の作品で、比較的優品が入りましたのでご紹介致します。


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【御本立鶴 茶碗】


幅 11.9㎝~12.1㎝ 高さ 9.4㎝~9.8㎝ 高台径 7㎝


ちなみに、本手の方は 幅 12.4㎝ 高さ 9.9㎝ 高台径 6.2㎝ と近似しております。

こちらはおそらく切り型か、もしくは仕様書が残っていたのでしょう。

鶴の方は数ある立鶴茶碗でも、足の形状等が異なるようです。


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本手では、2匹の鶴が象嵌されておりますが、後期モノと推定される本作品は1匹と簡略化されております。

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きれいな轆轤挽きでの形成です。


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高台もお約束の3つの切れ込みですが、この切込みもなかなかデザイン性を感じます。


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高台脇もいいですね。

高台内への釉掛けも、うれしいところ。


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伝世箱


この作品の魅力は、やさしさと大胆さを併せ持ったところでしょう。


造りこみから、なんだか・・・非常に作り手の気持ちが入ってるように感じるのです。




※ご成約済みです。


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