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【永楽和全 安南写 小鉢】 而妙斎 箱 [幕末京焼]

ちょっと、まだまだ・・・忙しい日々が続きますので、少しだけ作品紹介をば。


これは・・・なかなか、地味に優品なのです。



和全 安南写小鉢 (5)-1.JPG



【永楽和全 安南写 小鉢】


幅   13.8cm×11.7cm

高さ   7.6cm

高台径  7cm

製作年代 明治18(1885)年~明治29(1896)年頃

箱  共箱 而妙斎 書付箱(替え蓋として)



「金襴手」等の磁器、寛永文化の継承である「色絵」、そして・・・侘びの極致である「菊谷焼」を経て、肩の荷を少し降ろした時期であります。

また、その感じが逆にええのです!


「技」と「感性」は完成されており、手練れが自然に作ったことによる、センスの境地です。

画像で伝わるかどうかは分かりませんが・・・


和全 安南写小鉢 (8)-1.JPG


見込みは・・「竹」の絵です。


小鉢、として作られておりますので、底面もしっかりとらてれております。

口造りは、「沓形」になっているのも良いのです。



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お茶碗でも使ってしまいたくなるところですが・・・高台は大きいのです。(^^;


和全 安南写小鉢 (10)-1.JPG



和全 安南写小鉢 (11)-1.JPG


反対側の側面です。 全体に、人物・・・「碁打ち」しているようにも?と竹、雲、などが描かれております。

碁打ちのように見えるのは、ひょっとしたら舟かもしれません。

古染付、である意匠ですね。



和全 安南写小鉢 (7)-1.JPG


なにより、上がりとサイズ感がとても良く・・・表流の書付箱は、「おまけ」として、裏流の鉢としても、また・・・ばっちりなのは、懐石の「預け鉢」としてお薦めなのです。


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共箱です。


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而妙斎の替え蓋です。


安南は、元はヴェトナム地方で、中国南方のやきもの技術の伝世により、作られたものです。

しかし、地方の雑器にしては・・・妙に、日本の茶道に適うものが有りますので、中には交易品として注文制作もあったのかもしれません。


和全はおなじくヴェトナムの「交趾」でも、古作の雅味あふれるものを生み出しております。

すっきり綺麗、な保全の交趾とはまた違った志向です。


和全は、その長い製作年代の間に、様々な場所の変遷、そしてなにより・・・時代の変遷に翻弄された陶工でもありました。

それが故に、製作時期により・・・作品のテイストの違いを楽しめるともいえるのです。


これは、箱の筆跡などから・・・・菊谷焼の後、明治18(1885)年に「祇園花見小路 有楽館」へ転居し、明治25(1892)年に建仁寺塔頭 正伝院へ移るまでの間の作品と推察出来ます。


和全 安南写小鉢 (6)-1.JPG



しかも、お値打ち価格ですのでお勧めでございます。



※ご成約済みです。






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