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初代 眞葛香山(宮川香山) 安南写蜻蛉画 茶碗 [眞葛香山]

少し前に、古安南茶碗のご紹介を致しましたが・・・今回は、『写し』モノのご紹介です。

ベトナム地方より16世紀~渡来したやきものを、総称して”安南焼”と呼ばれております。

近年、色々と研究が進んでおります高麗茶盌に比べて、まだまだ不明な部分が多いのが安南焼です。

元は見立て品と云われますが、茶陶としての作為の見られる作品もあることから、途中からは注文品であることも指摘されております。

さて、今回の作品は眞葛香山です。


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初代 眞葛香山(宮川香山) 安南写蜻蛉画 茶碗


大正時代 初期

幅12.1~12.6㎝ 高さ 6.8㎝ 高台径 4.6㎝



明治も終わりに入ってくると・・・煎茶から抹茶へと、流行が変わっていきます。

高浮き彫り⇒釉下彩 と変遷し、世界の流れに乗ってきました香山ですが、今度は国内需要へと主軸をシフトしていきました。

父、長造から元々は伝世している古陶磁の写し、に長けていた眞葛窯ですので、茶陶はお手の物です。

しかし、初代香山は・・・どうしても、自身のもつ感性が作品に出てしまうのでしょうか。

”写し”といえでも、”オリジナル”です。(笑)

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反対側より。

安南の蜻蛉、は有名な手です。

それはやや三角の小ぶりのものが知られます。


このお茶碗は、いたって通常のサイズのお茶碗です。

高さも安南の馬上杯のような高さでもありません。いたってまじめな茶碗形です。

逆側への”ひねくれ”を感じます。

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見込みです。

安南の法則に沿ってます。

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高台側です。

赤土の感じも然り。


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共箱 甲側です。

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裏側です。 帝室技芸員 印が押されております。


初代宮川香山は、明治29年(1896年)6月30日に帝室技芸員に任命されました。

このタイプは、三越呉服店等での展観に出されたものであることが多い作品であります。

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故に、箱の造りも丁寧です。


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釉調は、本歌に対して清涼感のある感じで、絵付けのユニークさは初代らしい感じで愛らしいです。

手取り、もよく愉しめるお茶碗です。


なにより、初代香山の茶碗というのは二代以降に比して、かなり少ないのです☆



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永楽和全(宗三郎)截金忽子(急須) [幕末京焼]

激動の幕末から明治への時代の流れの中、永楽家を守りぬいたことで知られる永楽家の十二代和全は1866年(慶応2年)、宗三郎(のちに13代の称号を授けらる)・常次郎(14代得全)と共に九谷焼の指導のため山代春日山に赴き、九谷焼の改良と、自身の作品の製作も行いました。

その際に、和全による指導でそれ以降の九谷焼に定着したのが『金襴手』の技法です。

今回は、その九谷焼時代の和全作品をご紹介致します。

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永楽和全 截金忽子


幅 6.8㎝ (取っ手含むと9㎝) 高さ 5.8㎝



・・・・・はい、品名読めません、という声が聞こえてきそうです。(^-^;

『きりがね こっし』


きりがね、は金箔を貼り合わせて模様として焼き付ける技法です。

こっす、は煎茶道具でいうところの急須を指すようです。

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この形状のやさしさ、とバランスの良さ。

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銘は染付による書き銘です。

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底部です。


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保全は金泥と使っておりましたが、和全より金箔を使った金襴手が焼成できるようになりました。

この最新の技術を使い、九谷焼の再興を加賀の大聖寺藩から依頼されたのです。

そして1870年(明治3年)迄、九谷村に滞在いたしました。

この作品は、和全と永楽家の両輪として活躍した宗三郎の手によるものと推測されます。

もちろん、『和全』ブランドとして世に出されておりますが。

宗三郎の作品は陰ながらも大変丁寧かつ、上質で私自身も好きです。


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この作品は、8月より金沢美術倶楽部のHPでのWEB展示会にも出品致します。


※ご成約済みです。



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7月のベース [BASE215]

金沢出張から、戻りました。

久々の「遠方」「展示会」は…なかなかに疲労が…(^_^;)

二日間、使い物になりませんでした。


明日からベース営業でございます。

急遽、出張の予定が入りましたので…以下の通りとなります。

27日(月) 朝イチご予約

28日(火)

29日(水) ×

8月は1日(土)からの予定です。

宜しくお願い致します。


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Web 若筍会 [催事]

この、ご時世です…以前のように催し、にお越しになれない方々も多いことと存じます。

当店の出品エリアの雰囲気だけでも…御覧下さいませ。(^^♪

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金沢美術倶楽部~「若筍会」開催中です[exclamation] [催事]

金沢美術倶楽部 正札会、始まりました[exclamation]

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三階の当店出品エリアより


同時に、政府のGo To キャンペーン始まりました。

途端に…金沢には人も車も溢れ出しました。

ここまで、影響あるのかと驚きです…

東京を始め、各地では過去最高の感染者数をマークしておりますのに。[冷や汗2]


そして、金沢美術倶楽部も初日の今日は…前半、かなりの人出でした。


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なかなか、皆様冷静にお買い物されておられるようです。

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明日も、皆様のご来場を心よりお待ちしております[ぴかぴか(新しい)]
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金沢、到着![かわいい]? [ひとりごと。]

昔は、当日早朝に走って来て…搬入して、陳列なんて平気でした…

もう、半白間近なので無理は禁物です。[わーい(嬉しい顔)][あせあせ(飛び散る汗)]

前のり、で搬入~


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金沢美術倶楽部着~

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ひとつひとつ、エレベーターで上げてから場所まで運びます…


いつも、金沢は春と秋なので、夏でしかもマスク付きはかなりのしんどさです…
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2020年7月20日の新入荷情報です☆ [新入荷]

名古屋出張から戻りました。

明日からは金沢出張で、詳しくご紹介するお時間がありませんので・・・リストだけ。


和田桐山 金襴手三宝 蓋置

小川長楽 平 赤茶碗

根来塗 菊茶器

村瀬玄之(張貫師) 八角 細茶器 ※ご成約済み

村瀬治兵衛 栗ハツリ 銘々盆 【5客】

古渡 ギヤマン丼 金縁船形 ※ご成約済み

二代 中村道年 青楽舞鶴 皿(向付) 【10客】

平安十匠 合作草花絵替 折敷膳 【10枚】

平安十匠 合作花鳥風月 折敷膳 【10枚】

平安十匠 合作波尽くし信玄弁当 【10客】





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GO TO [ひとりごと。]

GO TO なんちゃら・・・が物議を醸しだしておりますようですが・・・

大阪からの、名古屋出張中のワタクシです。

しかし、名古屋の繁華街の一角である栄地区は、不用意な若者たちで溢れておりまして・・( `ー´)ノ

ささっと、食事だけ済ませてホテルに籠っております。

明日は一旦帰宅し、明後日より金沢へGO TOです。

この出張にキャンペーンが適用されるのかは知りません。(^-^;



元々、月に一週間程度のみのベース営業でしたが、4月以降はベース中心の活動でしたので・・・撤収作業は久々でした。

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ここ数か月で、在庫をスリム化しましたので今回の荷造りはこんな感じです。

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8月25日~は東京日本橋 丸善書店での催事もございますので、今回の金沢に連れていかない子たちに・・・お留守番しておいてもらいました。('ω')ノ
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明治の激動期、海外へ挑戦した伝統的京焼 ~【永楽得全 仁清半開扇 絵替向付 10客】 [食の器]

明治4年、先代である和全(12代)より家督を譲られた『永楽家14代 得全』

和全は晩年・・菊谷焼など、侘びの方へと傾倒しておりますが、永楽家の伝統はやはり京焼の美です。

祖父である保全のような名人気質であった得全は、激動の明治期にあって・・・茶陶に固執することなく欧米の博覧会に積極的に参加し、受賞を重ねました。

得全の作品群には、古清水からの伝統の美の中に世相や、海外からの影響も垣間見え、独自の作品性が存在します。

今回、ご紹介するものは、まさにその感性が込められた作品といえましょう。


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【永楽得全 仁清半開扇 絵替向付 10客】


明治時代

サイズ 幅18.8㎝×13.8㎝ 高さ3.3㎝ (各客)



10客、絵替わりですので・・・1客づつ、ご覧いただきましょう。


① 【橘】

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② 【薔薇】

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③ 【万寿菊】

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④ 【桐】

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⑤ 【桜】

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⑥ 【桔梗】

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⑦ 【百合】

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⑧ 【芍薬の牡丹】

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⑨ 【朝顔】

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⑩ 【薔薇】

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仁清のわびときらびやさが同胞した美しさ、そこにモダンな意匠取りを盛り込んでおります。

側面にも、金盛りによる唐草風、極彩色による七宝つなぎ、交趾による緑や水色のアクセント・・これらそれぞれは伝統技術として有名な表現手法ですが、それらを一つの作品へ結集させております。


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無釉の底面に、窯切れが生じている部分もありますが、全客・・後キズは皆無です。

今の作品では決して出せない、色彩・デザイン感覚を是非・・・食の器として愉しんでください☆




共箱 (1客づつ入る棚がしつらえられております)

※ご成約済みです。


TOKUZEN ZENGORO 14

1853(嘉永6)-1909(明治42)

1871襲名



京都博覧会の品評人にも就任し、明治の陶磁器改革にも深く関わった得全ですが、

襲名後、38年・・・57歳で早世してしまいます。


江戸期の感覚と新時代の感性を併せ持った最後の世代の永楽でしたが、得全に20歳で嫁ぎ、家を支えた妻、『悠(ゆう)』が変わって・・・今度は家業を継承し支えることに。

明治の終わりから大正・昭和への3つの時代で永楽家を牽引していくのです。



☆ 各客の図柄名を記載しましたので、再度アップ致しました。なにぶん・・若干ディフォルメがあるので判別間違いがあるかと思います。皆さまからのご指摘、お待ちしております!


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2020年7月14日の新入荷情報です。 [新入荷]

雨続きの京都出張でした。。。。

取り急ぎ、新入荷情報をお知らせ申し上げます☆



初代 眞葛香山 倣仁清意都鳥 香合

初代 眞葛香山 安南写蜻蛉画 茶碗 帝室技芸員印

五代 高橋道八 模仁阿弥翁作 黒釉茶碗 ※ご成約済み

朝日光斎 (十三代) 半史茶碗 ※ご成約済み

永楽和全 金襴手煎茶碗 方瓶 ※ご成約済み

永楽和全 截金急須  ※ご成約済み

三代 清水六兵衛 御本色絵十六羅漢 平茶碗 ※ご成約済み

三上揚光堂 七宝透 菓子器

眞葛香山 乾山意菖蒲画 茶碗 合わせ箱

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