SSブログ

【二代 眞葛香山(宮川香山) 白磁観音 置物】 [宮川香山 眞葛焼]

香山といえば、「造形もの」を思い浮かべる方も多いかと存じます。


といっても、輸出ものであった「高浮き彫り」や、国内外で人気のあった置物や、盛器、香合等々…と様々なものが存在します。


そんな中で、香山の代表的なものに「観音像」というものがあります。



DSC05340-1.jpg



【二代 眞葛香山 白磁観音 置物】



幅 15.5㎝ 高さ 23㎝


製作年代 昭和時代 初期 (1926~40年)



DSC05341-1.jpg


眞葛窯では、初代の後期から二代にかけて観音像を製作しております。

一番有名なのは大正4年に横浜にある平安時代の観音像が国の重要文化材に指定された際に製作したものです。

そちらの方は同じ形状でのみ、存在しますが・・・他の観音像は、似ているようで全て形状が異なります。香山の特徴であり、たとえ型物であっても細部を少しずつ変化させております。


DSC05345-1.jpg



尊顔もなんともいえない表情をたたえております。


DSC05346-1.jpg


この作品は珍しい座像で、悟りをひらいたような表情、精細な耳飾り、流れるような袈裟の造形にいたるまで品格を感じます。

DSC05343-1.jpg


DSC05344-1.jpg

観音様は、正式には観音菩薩といい、慈悲を象徴しております。

中世的で、高貴な雰囲気を持ち・・・現世での救いを与えてくれるものとして、崇められているのです。

DSC05348-1.jpg


DSC05349-1.jpg


DSC05350-1.jpg

銘部分です。


この作品は、洗練された白磁により本来は木彫である観音像を新たな尊い置物として生まれ変わらせているのです。

香山作品としては、数の少ないタイプになり・・・このクオリティと状態の良さは、なかなかのおすすめとなります。




=======================================================

Journal of FUJII KOUNDO 《お問い合わせ先》


TEL 090-8578-5732

MAIL fujii-01@xc4.so-net.ne.jp

=======================================================












nice!(0)  コメント(0) 

【黒唐津 沓 茶碗】   ※追記有 [食の器]

おもしろ、古陶磁シリーズもひとついってみましょう。

こちらも・・・なかなかのレア度です。(^-^;



DSC05302-1.jpg



【黒唐津 沓 茶碗】


幅 15.5㎝×9.9㎝  高さ 6.8㎝ 高台径 4.8㎝

353.2g


江戸時代





最初の画像から、既にお茶碗では無い体でのご紹介しておりますが・・・

作品単体をじっくりとご覧いただきましょう☆



DSC05293-1.jpg


黒唐津、です。


古唐津は、創成期から合わせると80ちょっとほどもの窯が存在しました。

その中で、「松浦系」と呼ばれる窯跡群があります。

文禄・慶長の役の後に元々の岸岳系陶工や、新たに連れてこられた朝鮮陶工たちにより、佐賀県伊万里市周辺に開かれたといわれます。

その中の、蛇蝸唐津で有名な「祥古谷窯」(しょうこたにがま)で焼かれたものに、近似しているようです。

DSC05294-1.jpg


黒織部を意識した釉調と形状のものも見られるようで、この作品はまさに・・・。

しかし、窯内ではじけた陶片により「沓」どころかさらにへっこんでしまいました(笑)


DSC05295-1.jpg


どかんっと、くにゃっと。


DSC05296-1.jpg

しかしながら、元がかなり端正な形状であり、さらに釉薬も発色も、なかなかのものなのです。


DSC05297-1.jpg

細い口からは、「お酒」を注ぎ。

DSC05299-1.jpg


太い口からは抹茶を戴くことも。

DSC05300-1.jpg


高台側です。


DSC05301-1.jpg



私は左利きですので、左手でお酒を注ごうとするとこれ以上ないくらいマッチします。


DSC05271-1.jpg


ね。


しかし、こぼれないように入れると42CC ほどしか入りません。


いっそ、このうつわで直接呑んでしまってください! (^-^;


DSC05270-1.jpg

花入としてちょこっと挿してみても乙なものかもしれません。


しかし!

とうとう、見つけてしまいました。。。

抹茶碗として、の愉しむ方法を。


普通に、茶杓ですくい置き、普通の茶筅で点てて、普通に飲むことの出来る、一連の動きを編み出してしまいました・・・・


やはり、生まれ本来の、抹茶茶碗として遊んでいただきたいですっ


※売却済み。

=======================================================

Journal of FUJII KOUNDO 《お問い合わせ先》


TEL 090-8578-5732

MAIL fujii-01@xc4.so-net.ne.jp

=======================================================
nice!(0)  コメント(0) 

【珠光青磁 了入補茶碗 楽了入箱】 [茶道具]

なかなか、愉しめるお茶碗のご紹介です。

希少度はかなり高いです。(^-^;




村田珠光が見出し、後世へと知らしめた道具として・・・有名なものに、『珠光青磁』というものがあります。

天文11(1542)~天正(1575)年までの34年間の茶会記に、23回も登場することも知られております。


珠光から利休に渡ったものは後に戦国武将の三好実休に現在の価格で5千万円で譲られたとか。
(この茶碗は、本能寺の変で焼失したようです)

さて、珠光青磁・・・この機会に研究して楽しんでみましょう。


『珠光茶碗』といっても、数が少ないせいかよく知られていない部分が多いと思います。


珠光茶碗というのは、唐物です。

官窯にて完全なる管理の元、多大なコストをかけて還元焼成された『青磁』に対し、そこまでの温度管理をせずに(出来ず?)酸化焼成にて作られております。

それは『雑器』として生まれたものであったからと推測されております。


様々な諸説がありますが、研究が進む中で・・・最初の茶会記に登場した鎌倉時代のものは、現在知られている『珠光青磁茶碗』とは手が異なるものであったということです。

珠光茶碗に対する詳細な記述、が今でいう珠光茶碗と合致しないということです。

茶会記での登場回数の多い中、それは同じもの、同手、が複数回登場したということではなく・・・珠光茶碗に憧れ、それに類するものを求めた当時の茶人により、新たに発掘されたものが今で知られる『珠光青磁茶碗』の殆どを指すものとなります。

さらに江戸中期頃以降に、博多遺跡群で出土したシリーズが、現在知られる各地で所有・展示されている珠光青磁なのです。

福建省の同安県にて発見された窯跡で類似したものが出土したことから、現在では『同安窯系青磁』として分類されます。


同安窯系青磁(珠光青磁)は南宋時代である12世紀~13世紀に造られたもので、その中でも12世紀前半~中頃のタイプ、それ以降12世紀後半~13世紀に入るタイプがあり、後期になると文様が簡素化されている傾向にあります。


今回、ご紹介するのはその後期の窯によるもの・・・を、”使った”作品です。


DSC05264-1.jpg



【珠光青磁 了入補茶碗 楽了入箱】


幅 16㎝ 高さ 6.4㎝ 高台径 5.2㎝ 重量330g


樂了入 箱




DSC05265-1.jpg


了入が、3分の2ほどを補っているのです!


DSC05263-1.jpg


DSC05253-1.jpg


反対側より



DSC05251-1.jpg


見事なものです。


DSC05254-1.jpg


珠光青磁(同安窯系)では、褐色のオリーブ色から枇杷色のものまで発色が様々あります。

(個人的には、保全等が写していたこの作品のような綺麗な枇杷色が好きです。)


暗めの色調ですが、澄んだ発色です。うっすらと飴色も感じさせますね。


DSC05262-1.jpg


欠落部分を、きちんと樂焼にて形成され、文様も再現されております。



DSC05255-1.jpg


高台側にうつりましょう。


DSC05257-1.jpg


珠光青磁の無釉の土も特徴的です。


DSC05258-1.jpg

反対側です。


DSC05259-1.jpg


筋が多数見られます。

DSC05260-1.jpg


了入の隠居印が押されております。



DSC05241-1.jpg

了入箱です。



今回のタイプの珠光青磁(同安窯系)は、確認される全種類の珠光青磁茶碗の4割にも及ぶといわれ、一番多く目にするものといわれます。

唐物の中でもこの珠光青磁茶碗というものは、他の唐物に遅れて評価され、秀吉時代以降に人気がかなり高まったとみられます。

しかし、手に入れようにも入手する術がございません。

江戸中期になると発掘により、完品やそうでないもの、も含めて多数出土することにより、茶人の間で流通することとなります。それでもまだまだ稀少なモノです。

江戸後期になり、京焼での製作技術が高まった頃には写し物の製作が行われるようになりました。

もちろん、それぞれの陶工の名に於いて、です。



DSC05242-1.jpg


DSC05243-1.jpg


大正12年に東京美術倶楽部で開かれた、『某伯爵家売り立て』目録に掲載されております。


DSC05246-1.jpg


DSC05247-1.jpg


実は、根津美術館に所蔵されております3つの珠光青磁茶碗のうち、1つがこのお茶碗と同様の3分の2を了入で補ったものとなっております。

おそらく同じときに造られたものでしょう。



DSC05268-1.jpg



「和漢この境を紛らわす」

村田珠光によるの唐物と和物との親和が大事だという教えです。これは珠光青磁の取り立ての根本にあるといわれます。

その当時は、唐物偏重であった傾向から、貴族相手ではない『侘び茶』へと移行する中、道具の取り合わせの面からも珠光が考えたものではありますが、信長の後に・・・桃山陶器等の和物が登場し人気を博したことから、高く取引された『最後の唐物』となったのです。


そして、時を経て・・・江戸時代後期にも、別の意味で和漢がひとつになった作品が生まれたのです。



⇒多数の御問い合わせ有難うございました。

ご成約済み、となりました。





=======================================================

Journal of FUJII KOUNDO 《お問い合わせ先》


TEL 090-8578-5732

MAIL fujii-01@xc4.so-net.ne.jp

=======================================================


参考文献 京都府埋蔵文化材論集
nice!(0)  コメント(0) 

【2021年 5月のスケジュールです。】※追記有り [BASE215]

今月もあっという間に後半戦に入りました。

近々のスケジュールをお知らせ申し上げます。


19日  大阪美術倶楽部 オークション~午後 《ベース》


⇒新入荷情報☆

加藤卓男 釉裏紅網文 平茶碗

珠光青磁 了入補茶碗 楽了入箱



20日  名古屋美術倶楽部 オークション
21日  京都美術倶楽部 オークション

22日 【第2回 海老屋十軒店】 最終日

東京日本橋 海老屋美術店でのリアル展示は閉幕致しますが、WEB展示会はインスタグラム上で継続して31日迄引き続き開催致します☆ 

24日~27日 《ベース》


28日~29日 オークション出張@神戸

30日~31日 オークション出張@金沢 (未定)



十翔会が開催中止となりましたので、その分・・・オークション出張が増えそうです。。。


《ベース》営業日は、所用等で変更することが御座います。ご来訪の節には事前のご連絡をお願い申し上げます。




=======================================================

Journal of FUJII KOUNDO 《お問い合わせ先》


TEL 090-8578-5732

MAIL fujii-01@xc4.so-net.ne.jp

=======================================================
nice!(0)  コメント(0) 

【永楽保全(善五郎) 瀬戸薬蔓手付 茶入】 [幕末京焼]

DSC05167-1.jpg


【永楽保全(善五郎) 瀬戸薬蔓手付 茶入】


幅 8.4㎝×9.4㎝ 幅8.4㎝ 

重量    93.2g

製作年代  天保12(1841)~14(1843)年頃



蔓付茶器といえば、四滴茶入のひとつ・・を思い浮かべることも多いかと思います。

これは、そちらの方とは異なり・・・割り蓋となります。


常叟好として、楽焼で江戸中期頃の作品で黒楽のものが存在しますが、こちらの作品は瀬戸釉となります。



DSC05169-1.jpg


桐の蓋(当時もの)との色目の対比も良いですね。


DSC05170-1.jpg


保全の造形、はまさに「プロフェッショナル!」というコトバがピッタリだと常々感じます。

もちろん、そうでないのも存在しますが・・・概ね、手の込んだ丁寧な造形と、きれいな釉薬発色を重ね合わせた・・・まさにアルチザン(職人)的なものです。

作家性よりも、道具としての少し・・・引いた良さ、という感じでしょうか。


DSC05171-1.jpg

DSC05172-1.jpg


底の印銘部です。


DSC05168-1.jpg

反対側より。



さて、この手付茶入ですが・・・大体、この向き、が正面と思いがちです。

DSC05167-1.jpg


しかし、今回の作品で永楽印から・・・


DSC05166-1.jpg


こっちが正面でした!   釣瓶水指の向きですね。


お点前では、横にして茶杓を載せないといけませんので、90度途中で回すことになります。



DSC05163-1.jpg


DSC05165-1.jpg


保全が善五郎を襲名した、御室窯時代の作品となります。


替え茶器、としてはもちろんですが・・・おそらく、この時代では替え茶器というよりも、普通にお点前で使われた事と思います。


すっと、蓋を開けて・・・綺麗な所作を伴う事で、数奇の世界がさらに引き締まることでしょう☆




※ご成約済です。


=======================================================

Journal of FUJII KOUNDO 《お問い合わせ先》


TEL 090-8578-5732

MAIL fujii-01@xc4.so-net.ne.jp

=======================================================
nice!(0)  コメント(0) 

【平澤九朗 織部手付小鉢 六十三翁彫り有】 [尾張陶磁器]

小粒でピリリ、という作品が入りました☆

幕末尾張陶でございます。


DSC05049-1.jpg


【平澤九朗 織部手付小鉢】


幅14.5㎝×15㎝ 高さ13㎝


重量 615.4g

製作年代 天保6(1835)年頃

合わせ箱



九朗は尾張藩士で、屋敷内に窯を築き本格的に作陶。その作品は当時より評価が高く九朗焼として珍重されました。

尾張徳川家の御深井焼にも招聘されるほどで、尾張の余技作家の中では最も有名です。


DSC05050-1.jpg


DSC05051-1.jpg

色調、も造形、もなかなかのものです。


有楽流の茶人でもあり、自身の茶室“今昔庵”で茶の湯を楽しみ、小堀宗中・松尾不俊斎・不蔵庵龍渓などと交流を深めました。故に、茶事などの小間で活きる作品が多い傾向もあります。

この作品も、小間での菓子器としてはもちろん・・・懐石での預け鉢としても、個人の愉しみとしても抜群です。

DSC05052-1.jpg


この作品も年齢を彫り入れる九朗の晩年のシリーズのひとつで、成熟した技が光る小鉢です。

DSC05054-1.jpg


底に「六十三翁」という彫りが入れられることで、製作年代が判別できる作品です。

この作品が作られてから・・5年後の九朗は文政7(1824)年、六十八歳でこの世を去りました。


DSC05049-1.jpg

花生、としても面白いかもしれませんね。



「円熟の技」が垣間見える・・・優品のご紹介でした。





=======================================================

Journal of FUJII KOUNDO 《お問い合わせ先》


TEL 090-8578-5732

MAIL fujii-01@xc4.so-net.ne.jp

=======================================================

nice!(0)  コメント(0) 

【中村宗哲(元斎)銀輪朱手桶 水指 即中斎好み 五つの内】 [茶道具]

当店では、珍しい流儀道具の登場です☆ (昔はそういうものばかりだったのですが・・)

といっても、やはり・・・珍しいモノ、というのは心がけております。



DSC05233-1.jpg


【中村宗哲(元斎)銀輪朱手桶 水指 隋流形を以て 即中斎好み 五つの内】


幅 23㎝ 高さ 27㎝ 4986g


手桶というのは、古くから存在するもので・・・東山御殿に有った塗桶を元に、室町時代の侘び茶の創始で知られる茶人「村田珠光」が杉木地を使い、上下に籐の箍を掛けて水指として好まれたものが始まりと云われております。

後に「武野紹鴎」が真塗とり、台子用としてリメイクされたものが真手桶です。

紹鴎の愛弟子であった、千利休はそれを小ぶりにしたものを好みとしております。

天文八年(1539)に初めて茶会記の中で名称が登場し、永禄年間(1558~1570)から天正13年(1585)頃までが最も多く使われていたようで・・天正八年(1580)をピークに、天正十二年(1586)頃から減少し、天正十四年(1588)には代わって釣瓶水指が台頭し始めることになります。


江戸時代に入り、1600年代後半には四代目の逢源斎(江岑)好みの銀箍で内側を黒塗りにしたものが作られます。

約100年の時を経て、手桶水指が再び脚光を浴びることに。

遠州流や裏流でも新たな好み物が作られます。


五代目の隋流斎の好みの真塗、九代了々斎好みの小型真塗、十一代碌々斎好みの小型の朱塗 と、溜塗、真塗と続き・・・

十二代目の惺斎時代の好みでは、白竹張手桶・貝尽朱手桶、春野蒔絵黒手桶、秋野溜手桶、吹寄黒手桶、楽器蒔絵手桶、その他にも色漆物が色々と・・・手桶祭りとなります。(^-^;



その中で、隋流斎好みのものを基調とし、朱色に変えたものが今回の「即中斎好み」であります。

DSC05234-1.jpg



隋流斎は、古風の千家流である千利休のスタイルを重んじておりました。

故に、好み物をあまり作らなかったことも特徴です。


そんな隋流斎が好んだ手桶、というのはどういったものなのでしょうか。


DSC05233-1.jpg


フォルムは、利休形をやや細長くしたようなものでシュッとした印象になります。


DSC05235-1.jpg


そして、手の両端が左右に出ます。(利休形は出ません)


DSC05236-1.jpg


割り蓋は、段差がなく重ならないのも特徴です。


DSC05238-1.jpg


足は、四つになります。(通常は3つ)


DSC05232-1.jpg


即中斎の好みとして、5つ製作されたもののうちの1つです。


DSC05237-1.jpg


花押です。


DSC05231-1.jpg


作は、歴代の中でも在代の長かった名工、元斎宗哲です。


DSC05239-1.jpg


彫り銘です。


十一代宗哲 明治32(1899)~平成5(1993)年

九代の次男で、母であり、夫の死と長男の廃業から宗哲を継承した十代を支え、襲名後も戦中戦後の多難な時期に多数の名作を製作。京都府文化功労者であります。昭和60(1985)年隠居。


DSC05230_LI-1.jpg


箱は印部に少しだけへこみがございます。



作品は綺麗な状態で伝世しております。


DSC05233-1.jpg


朱色も落ち着いた色であり、そのフォルムと共に・・・艶やかな近代道具とも、侘びた古い道具とも合わせれることでしょう。


手桶、というものはその形状の由来からも・・・清浄で新鮮な水を汲んで来て、おもてなし、をするようなイメージがあります。

それは心配り、とこだわり、の精神を体現したお道具と言えるでしょう。



※ご成約済みです。



=======================================================

Journal of FUJII KOUNDO 《お問い合わせ先》


TEL 090-8578-5732

MAIL fujii-01@xc4.so-net.ne.jp

=======================================================




nice!(0)  コメント(0) 

【永楽保全(善一郎) 高麗写八道 酒飲】 [幕末京焼]

今回、大変珍しい酒器のご紹介です。

これは・・・本当に希少です。



DSC05177-1.jpg


【永楽保全(善一郎) 高麗写八道 酒飲】



◎サイズ  幅5.4㎝ 高さ3.7㎝ 高台径 2.5㎝

◎製作年代 天保14(1843)~弘化4(1847)年頃



当ブログでおなじみの・・・(^-^;

幕末京焼の3大名工の一人、永楽保全の作品です。

保全は高麗の写しにも長けておりました。この作品はあまり類例のないもので・・・朝鮮八道の写しを、ぐい呑みサイズで写したものです。


『朝鮮八道』とは御本茶碗の中で有名な茶碗のひとつで、李氏朝鮮時代の行政区域を示したものです。

現在では定番となっております、暦手茶碗のようなものですね。

アップしてみましょう。


DSC05178-1.jpg


♢京畿道(キョンギド) 首都近郊を意味する

♢忠清道(チュンチョンド) 忠州+清州

♢慶尚道(キョンサンド) 慶州+尚州

♢全羅道(チョルラド) 全州+羅州

♢江原道(カンウォンド) 江陵+原州

♢平安道(ピョンアンド) 平壌+安州

♢黄海道(ファンヘド) 黄州+海州

♢咸鏡道(ハムギョンド) 咸興+鏡城



これらの区分は1497年に制定され、1895年には廃止されました。

なんと、足利時代の明応6年~明治28年もの長きに渡るものです。


DSC05176-1.jpg

反対側より。

すこし口造りが沓になっており形状に趣きがありますね。


幕末京焼では、こぞって各名工が朝鮮八道を写しました。おそらく、本歌を建仁寺かどこかで目にする機会があったのかと思います。

DSC05179-1.jpg


形状も良い上に、御本手の発色も抜群です。

DSC05180-1.jpg

高台です。

DSC05181-1.jpg

印部分です。

DSC05173-1.jpg

箱は保全の共紐が現存します。

DSC05174-1.jpg

共箱(甲)

DSC05175-1.jpg

共箱(裏)


この保全の善一郎時代(天保14(1843)~弘化4(1847)年頃)は円熟期で一番作品の質が良いともいわれております。


DSC05177-1.jpg


薄造りで、轆轤も丁寧に挽かれており、このサイズとは思えない手の込みようです。

この時期では、盃形が多く・・・現代での主流のぐい呑み形状というのはあまり遺されておりません。

コレクションアイテムとして、お勧めです。


_20210514_083702_copy_800x790.jpg


※御成約済みです。


=======================================================

Journal of FUJII KOUNDO 《お問い合わせ先》


TEL 090-8578-5732

MAIL fujii-01@xc4.so-net.ne.jp

=======================================================









nice!(0)  コメント(0) 

初代 矢口永寿 倣鍋島麻之葉 手塩皿 【10客】 [食器]

永寿さん、の珍しい良い器のご紹介です!


DSC05119-1.jpg


【初代 矢口永寿 倣鍋島麻之葉 手塩皿 10客】


幅14.4㎝ 高さ4.6㎝ (175.3g)

明治後期~昭和初期頃




初代 矢口永寿 明治3(1870)生~昭和27(1952)年没

1904(明治37)年、山中町東町に「永寿窯」を築窯しました。初代は清々軒と号します。

魯山人との親交もあり、その縁でしょうか・・・関東や名古屋からの注文製作に応じていたようです。

この作品も、名古屋の御大家からの注文作品です。


DSC05117-1.jpg


DSC05118-1.jpg


DSC05120-1.jpg


鍋島焼の中でも、かなり希少な作品を本歌として注文されたようです。

永寿さんの作品でも珍しいモノです。


DSC05123-1.jpg

DSC05124-1.jpg


艶やかなデザインですが、盛り付け面は染付となっているのは、食材の色目を引き立てることを意図したものでしょう。

サイズも名称の手塩皿というよりも中皿に近いサイズです。


甘手のやわらかい白磁は、永寿さんの特徴でもあり・・・磁器にありがちな冷たい印象を温かみのある印象に変化させる効果があるのです。



DSC05115-1.jpg


DSC05116-1.jpg


10客組が2組あり、それぞれ10客づつの共箱での販売となります。

(片方は1客のみ裏側にソゲがありますので特別価格になっております。)


お勧め作品です!




=======================================================

Journal of FUJII KOUNDO 《お問い合わせ先》


TEL 090-8578-5732

MAIL fujii-01@xc4.so-net.ne.jp

=======================================================
nice!(0)  コメント(0) 

緊急事態宣言下の【5月】のお知らせ、です。 ※修正版 [BASE215]

大阪府は緊急事態宣言中です。

延長も決まりましたね。[わーい(嬉しい顔)][あせあせ(飛び散る汗)]

ベースも「営業」はしておりませんが「稼働」はしております!

現在、鋭意名古屋に仕入れ出張中でございます。

到着した本日…

DSC_2192_copy_460x259.jpg

と、いうことでさらに気を引き締めて気を付けないと。

お部屋で、明日からの【海老屋十軒店】の準備を、モバイルギアでしております[exclamation]

DSC_2195_copy_460x259.jpg

DSC_2196_copy_259x460.jpg

こちらのモバイルグッズは使用方法をミスったようです。[わーい(嬉しい顔)][あせあせ(飛び散る汗)]



スケジュール


6日   大阪南美術会館 オークション・会議
7日   大阪美術倶楽部 オークション・(午後~)《ベース》
8~11日 名古屋 オークション出張 ×2


9日 【第2回 海老屋十軒店】開幕☆   


12日~14日 《ベース》

17日~18日 《ベース》

19日  大阪美術倶楽部 オークション
20日  名古屋美術倶楽部 オークション
21日  京都美術倶楽部 オークション

22日  【第2回 海老屋十軒店】 閉幕☆

25日~27日 《ベース》

29日・30日 【第34回 十翔会】@大阪美術倶楽部
⇒ 中止

31日~6月2日 【北浜ベース01 御深井焼 展】@大阪美術倶楽部 WESTgallery

⇒中止




【 】印は、イベント・催事でございます。


さて、いよいよ明日からですッッ!



Scan2021-04-29_174131-940x1842_copy_329x645.jpg


いよいよ…5月9日から5月22日まで、コロナ渦ならではのイベントがスタートです!



【第2回 海老屋 十軒店】


既に、4月からプレ開幕として・・只今、インスタグラムにて鋭意宣伝中です「海老屋十軒店」が5月9日(日)より本開催となりますので、お知らせいたします!


本展は昨年より始まりました・・・東京・日本橋にあります《海老屋美術店》にて全国より古美術店10軒が集まり開く、小さな骨董市です。

江戸時代、日本橋室町の地にありました名所で日本初の商店街と言われた人形市の「日本橋十軒店」にちなんだもので、その名を後世に遺す為、あらたに骨董市という形態にてスタートした企画です。

昨年1月にご好評を得て開催され、その後・・・海老屋さんの前には「十軒店 石碑」も建立されました。



第2回となります、今年ですが・・・「人を集めること」が憚られる世相にあって、リアル会場へ足を運ばずとも楽しめるよう、「インスタグラムの投稿」で美術品を紹介しようという試みを連動させます。

さらに、お手軽にご購入できますように、「ヤフーオークション」の定額出品システムを利用しまして若干のポチっと購入出来るのも併用いたします。


「リアル展示」 「インスタグラム展示」 「ヤフオク展示」


の3つを絡めてのトリプルアタックッッ!という企画でございます。




【海老屋十軒店 ~インスタグラムって何グラムッ!?】


リアル展示会場 東京・日本橋 海老屋美術店

        東京都中央区日本橋室町3?2?18(銀座線・三越前が最寄駅)

会期      2021年5月9日(日)~22日(土)

時間      11:00~18:00

Webサイト   https://www.instagram.com/ebi10tana/

アカウント   ebi10tana

ヤフオク   【海老屋十軒店】と検索入力



現在は、十軒店の歴史、と参加業者 10軒のご紹介をアップされております。

会期になりましたら、3か所にて商品の紹介がドドンっとスタート致します。

会期中に毎日、随時に増えていく予定です。

催事、という形式ですので・・・全ての商品紹介は「会期中」のみ、となります!



Screenshot_20210503-002921_copy_432x768.png


元は、海老屋さんが・・・何故だか、インスタグラムだからと重量を計っていたことを面白く思いました私の思い付きでの企画。

今回の商品作品は、全てが前代未聞の「グラム」表記ですッ。 


是非、ご高覧下さいませッッ! (ッ、と入れるのもルール、なのです。(^-^;)


なお、全国十軒に渡るお店を3つの手法で繋ぎますので、他店の商品へのお問い合わせ等でもご協力致します。お気軽にお問い合わせくださいませ。

残念ながら…この、緊急事態宣言の延長につき、私のリアル展示場滞在は出来なくなりました…

うちの、かわいい商品たち「9点」はお預けしておりますので、どうぞ御高覧下さいませ[exclamation]



=======================================================

Journal of FUJII KOUNDO 《お問い合わせ先》


TEL 090-8578-5732

MAIL fujii-01@xc4.so-net.ne.jp

=======================================================
nice!(0)  コメント(0)