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中元 東美正札会 2021年のお知らせです。 【随時更新いたします】 [催事]

東京美術倶楽部の名物催事のおしらせです。

また、準備状況も随時更新いたします☆


『中元 東美正札会』

開催概要

日時

2021年7月3日(土) 午前10時から午後6時
2021年7月4日(日) 午前10時から午後5時

会場

東京美術倶楽部

入場料
無料

主催
東京美術商協同組合

後援
NHK厚生文化事業団


交通アクセス
● 三田線「御成門駅」A4出口より徒歩2分

● 浅草線・大江戸線「大門駅」A4出口より徒歩5分

● JR「新橋駅」烏森口より徒歩10分

● 銀座線・浅草線「新橋駅」より徒歩10分

● JR「浜松町駅」北口より徒歩10分



当日、当店出品作品に関わらず、会場内でお気に召したものがございましたらお呼び立て下さいませ。

作品のご紹介ならびに検品、アドバイスからお求めの手続きまでさせて頂きたく存じます。



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TEL 090-8578-5732

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2021年 《6月度》の新入荷&スケジュール情報です  ※随時更新 [新入荷]

今月の新入荷、追加です。

本日・明日であと数点増えるかもしれません。


作品は、既に東京へ向かって旅立っておりますので・・・撮影やご紹介が出来ず、文字だけになってしまいますのをご容赦下さいませ。


7月3日(土)・4日(日)、1年半ぶりに復活しました、『東美正札会』へ出品致します。

また、詳しくは数日内にお知らせ申し上げます。









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♢加藤孝俊(真玉園) 鈞窯写紫紅釉 酒盃

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※御成約済みです。

♢加藤孝俊(真玉園) 蓼冷汁手 酒盃

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※ご成約済みです。


♢加藤孝俊(真玉園) 青白磁 酒盃

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孝俊軍団、シュッとしたフォルム、凛とした釉薬・・・・フィンランド陶芸のようなカッコよさを感じまして。


♢永楽保全 於湖南 金襴手 馬上盃

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なかなか、出ない逸品です☆


※ご成約済みです。




♢大西浄中 鉄夜学 蓋置

※ご成約済みです。




♢真葛香斎 交趾狸 香合

※ご成約済みです。




♢初代 伊東陶山 六角獅子摘 香炉

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帝室技芸員認定後、作品です。

※ご成約済みです。



♢黄瀬戸 酒呑


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口縁部に何か所か直し、はございますが釉調と手に持った時の感じがたまりません。

※ご成約済みです。



♢金重陶陽 備前緋襷杓立 累座三角松竹梅透し入 晃介極め箱 


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小品ながら・・・・色、造形共に何か惹かれるものがあります。。

杓立といわず、花入に。

平成29年 備前ミュージアム 『美意識のかたち 心のかたち ~金重陶陽の粋なわざ~』出展作品

で、展観のメインとして展示されておりました。




♢仁阿弥道八 桃山窯 桐葉 鉢


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※ご成約済みです。




♢御深井焼 瀬戸黒 筒茶碗 『千歳』 惺斎 箱


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祖母懐印の瀬戸黒の優品です。小ぶりです。


※御成約済みです。


♢眞葛長造 仁清写 手鉢

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最近・・・似たような形状の長造を取り扱いましたところです。びっくりです。

小鉢、はマイブームであります。


※ご成約済みです。



♢十三代 宮崎寒雉 霰 真形釜 鵬雲斎 箱

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ここ数年探し続けていた・・・炉用の寒雉さん。状態も良く・・ようやく。

しかし、安くなりましたものです。。。


※ご成約済みです。


♢樂旦入 清寧軒焼 南紀男山土御茶碗 織部写

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大変、珍しいものです。

国焼研究家であり、コレクターであった、山口銀行元頭取の山口吉郎兵衛の旧蔵品で、のちに適水美術館蔵として展示されておりました。

その後、所有が変わり・・・楽美術館で旦入の生誕200年記念として、平成7年度秋季特別展 『楽歴代 十代旦入展』が開催された際にも貸し出され、展示されたものです。

共箱と、別箱として覚入極め箱に而妙斎が書付をされたものがあります。銘は『清風』です。

※ご成約済みです。


♢十一代 三輪休雪 萩 茶碗 鵬雲斎 箱

出来栄え、すこぶる、良し、です。やろう箱となっております。

茶碗に惹かれて・・・久しぶりに休雪に手を出してしまいました。


※ご成約済みです。


♢加藤孝俊(真玉園) 蓼冷汁手 酒盃

先刻の分は売れてしまいましたので、うまく補充出来ました☆


♢五代 清水六兵衛 倣仁清翁作 扇流し茶碗


以前、何碗か扱ったものです。久しぶりに手に入りましたが、やはり巧いです。。。


※ご成約済みです。


♢石田陶春 丹波刷毛目 平茶碗


個展クオリティです。お値打ち価格ですので正札会用に☆


♢石田陶春 丹波飴釉 茶碗

こちらも、同じくです☆


♢錦光山 京薩摩 花扇文香合

元は、ボンボニエールと思われます。

なかなか見どころのある作品です。



♢永楽和全 鉄絵 千鳥絵片口盃  【5客】 即全箱

和全の晩年期と思われます。

地味な色調に、鉄絵で千鳥がさらっと描かれ・・・・よく見れば!その小さき盃に片口が、そのもの千鳥では無いですか☆


♢仁阿弥道八 仁清形秋草図 茶碗

仁阿弥の色絵です。

まるで月の明かりを受けて光る草花を表してるかのような侘びさ加減の優品です。


♢一元 玉水焼 黒茶碗 久田耕隆(石翁宗員)箱

ある意味、旬のものです。(^-^;

せっかくですので、研究してみましょう。

※御成約済みです。


♢加藤春岱 礼賓三島 平茶碗 祖母懐谷土以て


良いです。なかなかです。

そして、共箱も☆



♢三代 豊楽焼 交趾写 狸香合

大変希少な作品です。

型物香合の交趾狸を素焼きで再現したもので、豊楽がこのような造形作品にも技が長けていたことが分かる作品です。

共箱が現存しております。

※御成約済みです。


《6月のスケジュールです》

1     東京 出張

2・3・4 ベース営業

6・7   大阪 オークション

9・10  ベース営業

11・12 岡山 オークション出張

13・14 京都 オークション出張

15・16 ベース営業       

17・18 東京 オークション出張

19~21 大阪・名古屋・京都 オークション出張

22 ベース営業

24~27 名古屋 展示会出張    




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【名美アートフェア2021】のおしらせです☆ [催事]

本日、荷飾り準備完了です☆




【名美アートフェア2021】   @名古屋美術倶楽部


名古屋美術商協同組合に加盟する美術商が、個性溢れる展示で皆様をお迎えいたします。
様々なジャンルの美術品を鑑賞し、安心して気軽にご購入いただける美術品展示販売フェアです。
恒例となりましたチャリティー入札コーナーも引き続き開催いたします。皆様お誘い合わせのうえ、是非ご来場ください。

昨年は中止いたしました名美アートフェアですが、本年は感染防止対策を施し下記日程にて開催いたします。



2021年

 6月25日(金)  午前10時~午後6時

   26日(土)  午前10時~午後6時

   27日(日)  午前10時~午後5時




当店の出店者情報ページです。↓

https://www.meibi.or.jp/fujii.html 




さて・・・今回のサザエさん・・・じゃなくって、香雲堂さんは~




昨年は、中止になってしまった企画が、ようやく陽の目を見ます。

特製パンフレットもご来場の方へお渡ししたく存じます。


名古屋美術倶楽部 2階 ⑪ブース



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『 企画展 御深井焼(おふけやき) +

            OWARITOKUGAWA Official Ware 【plus】 』




徳川御三家の筆頭である、尾張徳川家の御庭焼です。

初代義直が御庭焼として名古屋城御深井丸に寛永年間(1622~1644)に開窯した。

次の光友の時代は前期の最盛期で、尾張では御深井焼以外にも横須賀御殿で、江戸では戸山御殿でそれぞれ新たに御庭焼が始められた。

その後八代宗勝まで断続的に続けられたが、九代宗睦の代で緊縮財政の為一時中断。

10代斉朝の文政年間(1818~1829)頃に、新製染付焼の加藤唐左衛門により再興され茶の湯に熱心だった12代斉荘公時代に最盛期を迎える。

斉荘は裏千家11代玄々斎に茶事を学び、伝来の名品や贈答用の御庭焼への箱書をさせて重用した。

これは玄々斎が三河奥殿藩主松平家から裏千家へ養子入りしており、尾張藩家老の渡辺規綱は実兄であること、斉荘が藩主に就任したとき(天保10年1839)規綱の長男・寧綱が家老になっている事とは無縁ではないと思われる。
 
この頃には名古屋城内では御深井焼以外に楽焼の萩山焼、その東側では東山焼が新たに始められ。江戸藩邸では戸山焼の復興と、加えて楽々園焼も始められた。

 斉荘没後は、江戸藩邸のやきものは廃窯になり、御深井焼・萩山焼も断続的に焼成されるのみで、明治4年に廃窯となる。
 
「前期」御深井焼では藩主及び、藩の献上品・贈答品・城内調度品などが制作され、「後期」御深井焼ではそれに加えて、藩主自らの手造りや家臣への下賜品が作られるようになる。

出仕したのは、前期は瀬戸の御窯屋三人衆である加藤唐三郎・仁兵衛・太兵衛家と御焼物師 加藤新右衛門・三右衛門家で、義直が美濃より招聘し瀬戸の再建の為に擁護した家である。

「後期」御深井焼ではこれらの加藤家と新たに新製染付焼の加藤唐左衛門・川本半介らが参加し、尾張藩士で陶芸を得意とした平澤九朗や正木惣三郎、加藤春岱なども加わった。


濫堀を禁じられ、城に秘蔵されていた祖母懐の土が使われ、尾張徳川家の数ある本歌の数々を参考に製作出来ること、尾張陶工界のトップレベルの技術の投入、そして藩主の主導による非売品であったことなどから、これ以上に珍重される茶陶は無いといえます。


関係した九朗や御用窯の民吉、紀州徳川家に関わった保全も併せてご紹介致します。


是非、ご高覧下さいませ☆








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【御深井焼 瀬戸黒 筒茶碗 『千歳』 惺斎 箱】 [おもろいで!幕末尾張陶]



御深井焼は・・・徳川御三家の筆頭である、尾張徳川家の御庭焼です。

初代義直が御庭焼として名古屋城御深井丸に寛永年間(1622~1644)に開窯。

次の光友の時代は前期の最盛期で、尾張では御深井焼以外にも横須賀御殿で、江戸では戸山御殿でそれぞれ新たに御庭焼が始められました。

その後八代宗勝まで断続的に続けられたが、九代宗睦の代で緊縮財政の為一時中断。

10代の徳川斉朝の文政年間(1818~1829)頃に新製染付焼の加藤唐左衛門により再興され茶の湯に熱心だった十二代斉荘公時代に最盛期を迎えるのです。





さて、今月25日~27日に開催されます『名美アートフェア2021』では、当店ブースは・・・・



『おもろいで!尾張陶 御深井焼(おふけやき) OWARITOKUGAWA Official Ware』


を、企画展示致します。

本来は昨年上半期の企画として準備しておりましたが、新型コロナ感染拡大によりフェア等が中止・延期が数多くある中で、宙ぶらりんになっておりました。(ミニ図録も刊行したのに・・・)

御深井焼、ならびに藩窯、参画した陶工、美濃・瀬戸焼、紀州徳川藩に関するもの・・・合わせて13点、展示即売致します。

今回、ご紹介いたしますのは、そこに展示する予定の新入荷作品です。



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【御深井焼 瀬戸黒 筒茶碗 『千歳』 惺斎 箱】



幅 9.3㎝ 高さ 8.3㎝


少し、こぶりではありますが、なかなかのお茶碗です。

見事な瀬戸黒の釉薬です。


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形状的には黒織部の半筒茶碗と同じなのですが、真っ黒ですので引き締まって小さ目に見えてしまうのです。

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釉ちじみなども、景色として愉しめます。


腰の下部より窯変により、朱釉っぽく発色しております。

「瀬戸黒」というのは鉄釉をかけて、1200℃もの高温から引き出して急冷することにより、発色する釉薬のものです。

釉薬における鉄釉の割合は10%程度といわれております。

同じ製法によるものに、織部黒、と黒織部がありますが瀬戸黒はほぼ茶碗のみしか製作されてなかったようです。


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上部より。


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高台側です。 このねっとりした粘土質の土・・・これぞ、祖母懐の土です。


尾張藩の御留め土として、他での使用を禁じられたもので・・・まさに、御深井焼独自のものといえるでしょう。

一説には、鉄砲の玉に転用出来るから、城内に保管されていたという話もありましたが・・・そういうものではなく、あくまでプレミアム感を演出するためのモノであったようです。


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『祖母懐印』は、大中小が現存し徳川美術館に保管されております。

もう1種、あるといわれますが裏付けは取れておりません。


明治以降ならびに、贋作としての祖母懐印のある茶碗などが多数流通していることも、御深井焼へのあこがれが高かったことの証です。


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惺斎の大正初期の箱書です。


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利斎による桐箱です。不審庵の受取状も現存します。



徳川斉荘は裏千家11代玄々斎に茶事を学び、伝来の名品や贈答用の御庭焼への箱書をさせて重用しました。これは玄々斎が三河奥殿藩主松平家から裏千家へ養子入りしており、尾張藩家老の渡辺規綱は実兄であること、斉荘が藩主に就任したとき(天保10年1839)規綱の長男寧綱が家老になっている事とは無縁ではないと思われます。


また、東海圏全体としては松尾流が盛んでありましたが、堀内家等も広まっておりましたので幕末から明治以降は、表流派への茶人の広がりを見せ、このお茶碗のように表千家の箱のものも後代に増えてます。

碌々斎も瀬戸の窯元へ赴き、その縁から大正期には惺斎による新黄瀬戸の好み物シリーズ等へと繋がっていきました。


 
「前期」御深井焼では藩主及び、藩の献上品・贈答品・城内調度品などが制作され、「後期」御深井焼ではそれに加えて、藩主自らの手造りや家臣への下賜品が作られるようになります。

出仕したのは、前期は瀬戸の御窯屋三人衆である加藤唐三郎・仁兵衛・太兵衛家と御焼物師 加藤新右衛門・三右衛門家で、義直が美濃より招聘し瀬戸の再建の為に擁護した家です。

「後期」御深井焼ではこれらの加藤家と新たに新製染付焼の加藤唐左衛門・川本半介らが参加し、尾張藩士で陶芸を得意とした平澤九朗や正木惣三郎、加藤春岱なども加わりました。


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尾張徳川家の数ある本歌の数々を参考に製作出来ること、尾張陶工界のトップレベルの技術の投入、そして藩主の主導による非売品であったことなどから、これ以上に珍重される茶陶は無いといえます。


※御成約済みです。



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【正意 茶入 一尾伊織箱 大倉好斎極め 惺斎 箱】 [茶道具]

茶入の謎・・・・尾張陶を研究するときに、いつも頭の片隅で疑問なのが・・・茶入です。


桃山以前の瀬戸のやきもの、でいわゆる古い茶陶・・・は、『茶入しか』無いんですよね。

桃山時代や江戸初期ですら、茶陶は瀬戸でなく、美濃ですし。

茶碗とか、水指とか、他のアイテムは無いんかい~と、不思議でならなかったわけです。

うちの師匠にことあるごとに愚痴ってるのですが、返ってくる答えは『それしか売れへんかったんやろ』

確かに。

まだ、和物茶碗として・・・長次郎も織部も志野も有りません。

遠州七窯も定められず、唐物至上主義の最中です。


そんな中、天下人を始め・・・力のあるもの、国をもつもの、が所持された唐物茶入は手に入ることがまず、不可能です。

そこで、『茶入』というアイテムへの需要が高まったこと、代用が無いものであったことが、国産化への流れを進めたのが真実といったところでしょうか。


加藤四郎左衛門 景正が安貞元年(1227年)!に唐の土を持ち帰り作ったのが『唐物』で(他のものでいう唐物と茶入れの唐物では定義が異なりますね)、和の土を使って始めたのが古瀬戸であるといわれます。

その古瀬戸の中でも分類が分かれており・・・・


唐物、古瀬戸(からもの、こせと・ふるせと) ⇒ 春慶 (初代 加藤四郎左衛門 景正)

真中古(まちゅうこ) ⇒ 藤四郎春慶 (二代 藤四郎 基道)

金華山(きんかざん) (三代 藤四郎 景国)

破風窯(はふがま) (四代 藤四郎 政連)

後窯(のちがま)  四代以降の時代での・・・利休窯、織部窯、正意、万右衛門、新兵衛、宗伯、吉    兵衛、茂右衛門、源十郎、鳴海窯などを指します。


さらにそれぞれの中で、『~手』と細分化されますが、そこは割愛します。(^-^;



後の時代のように、作者名で称されていたら、わかりやすいのに・・・と思うのは今の思考であって、当時は『作家もの』というのが主流でなかったため、唐物や高麗のような呼称をわざとつけたのでしょう。


・・・と、いうのと、なによりも・・・作者の特定自体が出来ない、という事情もあったのかと思います。

そこで、あとは誰が所有したか、伝来したか・・・で価値観が膨らんでいったのでしょう。


そもそもが、始祖であります景正という人物すら、実在かどうかという論もあります。

しかし、いずれにせよ・・・瀬戸の和物茶入れはどれも、造りも端正で佳くされており土も釉も完成度は高いものだといえます。


そして、桃山後期~江戸前期頃の後窯以降・・・から、江戸後期頃の作家性が全面に出る時代になるまでの『間』がこれまたポッカリ空いてしまうという『謎』。


茶入、が数多く存在したことで、需給が崩れたのか、町衆への普及から薄茶へのシフトが進んだのか、作れる陶工が居なくなったのか・・・はてさて。。。



・・・といったことは、さておきまして。



今回、お気に入りの茶入が手に入りました。

昨年末に目にする機会があって、そのときも欲しかったのですが・・・半年を経て、ご縁がありました☆


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【正意 茶入】


幅 5.5㎝ (対角 6.4㎝) 高さ 9.3㎝ (摘みまで含むと10.3㎝)


桃山時代後期



一尾伊織 箱 

大倉好斎極め

古筆了仲 加筆極め

時代 仕覆  


惺斎 別箱 書付

点前 仕覆


眼鏡2重箱





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右側へ回してみます。



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重厚な造りの中、品があるのです。


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時代の元仕覆です。




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口造りです。



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側面のアップです。


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底面です。

いい、土です・・。


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正意(しょうい)は、茶入の作者の名前となります。


山高信離(やまたか のぶつら)という、後に・・・徳川慶喜の弟である昭武がパリ万博に視察へ行った際に渋沢栄一らと随行し、維新後も万博へ派遣され帝国博物館の館長を務めた人物が記したという・・『大成陶誌』に記されてる文を見てみますと。


「正意 室町四條下ル町に住す、眼科医師堀氏。正意は泉州堺の人、京都に移り住ひて室町四條下ルに住す、利休同時代なり、飴釉にして頽れほんのりと現はるヽものあり、品格最もよし」


天正~寛永年間(1573-1644)の人で・・・

京都で眼科医を業としたが,尾張の瀬戸へ赴き茶入を製作した、とあります。


うちと同じ泉州の出身で!大好きな尾張!へとなると・・・これは私に真向きとしか思えません。(^-^;



正意には、達磨のようなフォルムから名付けられた・・・初祖から六祖、というものや、面壁、岡辺、千草などが中興名物で有名であります。

それらは、伝来等により珍重され、当世まで伝えられております。

この在野の茶入は、以下の次第になります。


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眼鏡の外箱です。


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元の箱です。

開けてみましょう。



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一尾伊織 の箱です。


江戸時代前期の旗本・茶人です。

細川忠興(三斎)家臣の津川四郎左衛門に茶道を学び、三斎流一尾派を創始しました。

元禄2年(1689年)、91歳で没す。 当時としては大変な長命ですね。


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こちらは、箱の蓋裏にある極めです。


大倉好斎により、1853年に書かれたものです。


古筆鑑定家で京都の人です。紀州徳川家に仕えており、法橋に叙せられる。

文久2年(1863)に没す。





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古筆 了仲の極め状もあります。

明暦2(1656)年~元文元(1736)年 古筆鑑定家


表千家の箱書の受取状も添います。


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惺斎の前期の箱書です。

大正初頭です。


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こちらは、箱書の際に新調された点前用の仕覆です。


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面白い造りですね。挽屋の代わりでしょう。



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正意は、いわゆる・・・門外漢から、茶入の世界に入ったからか、形状に面白味のあるものが多いのが特徴といわれます。

この作品も、丁寧な轆轤から、四方へと形成する・・・いわゆる『型』からの『変化』を意図しながらも、あくまで使いやすさと風格とを併せ持つことに成功しております。

高さも男性の手のひらの高さとほぼ同じに合わせており・・・袱紗による点前も非常になじみやすく、かつ飾り映えもするのです。


痛みも無く伝世しております。

元の仕覆の文様は、ちと難解ではありますが・・そこは達磨等をモチーフにした正意作茶入もあることから、なにか紐解けるヒントがあるのかもしれません。


今回は、いつもと少し違った趣向で・・・尾張陶をご紹介してみました☆


※ご成約済みです。



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【永楽保全 於湖南 金襴手 馬上盃】 [幕末京焼]

生涯をかけて、知識の探求とたゆまぬ努力を続けた・・・幕末京焼の名工のひとり、それが永樂保全です。


晩年は、息子である和全との不仲や財政難により、かなり苦労をし・・・江戸や滋賀、高槻と流浪の身でありましたが、それぞれの行く先で確実な足跡となる作品群を遺しています。

そんな中でも、評価されるのが『湖南焼』といえましょう。




嘉永元年に京都を離れ・・・琵琶湖畔の膳所の地にて、湖南焼の初期となる『河濱焼』を焼きました。

それらは、『奢侈禁止令』が弘化2(1845)年にゆるみ、自粛していた金襴手等の豪奢な作品を復活させ思う存分費用もかけた製作を行っていた『善一郎時代』の3年間の後・・・気持ち的な反動であったのでしょうか、それとも自身の置かれた状況により心境が反映されたのでしょうか、侘びた高麗風を基調としたモノクロームで単調な作風でありました。

もちろん、高麗の写しも大得意としておりました保全でありますから、その茶味溢れるものはそれで魅力のあるものでありましたが。



そして、嘉永元(1848)年には、江戸に赴き・・・再起を図るも、うまくいかず・・失意の中、求められるまま、再び湖南の地にて『湖南焼』なるものを興すのです。

時に、嘉永4(1851)年のことであります。


今回は、その湖南焼の中でも逸品といえる作品のご紹介となります。



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【永楽保全 於湖南 金襴手 馬上盃】


幅 7.2㎝ 高さ8.1㎝

共箱

嘉永4(1851)年頃




なかなか、の出来栄えです。


サイズもかなり大きく、保全の代表作のひとつとして知られる染付馬上盃(大阪市立美術館蔵)のものを金襴手により、リメイクしたものです。


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金箔の仕上がり、絵付けの安定さ。

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見込み、には染付が。


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腰捻により、造形のみならず文様もひねっております☆


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底部です。染付銘になっております。やや焼が甘めで上釉の貫入はあります。


於湖南



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共箱も現存しております。


あまり見かけない珍しい作品であり、酒器としてよりも飾り物としても抜群であります。



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※ご成約済みです。


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【音丸耕堂 堆漆 亀香合】 [近代工芸]

『漆芸王国』とよばれ・・・数々の名工を輩出してきました讃岐の国。

象谷を筆頭に・・・江戸期の鞘細工やキンマの技術と唐物の技法を融合させ、独自の世界を展開してきました。

近代になり、その讃岐漆芸をクラシカルな伝統的なものからモダンなアートへと昇華させたのが『音丸耕堂』です。

今回ご紹介の作品は、耕堂らしさを包括しながらも茶道に於ける香合としての使い方にも適う優品です。


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【音丸耕堂 堆漆 亀香合】


幅 5.9㎝ 高さ 3㎝

昭和時代



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かわい恰好いい香合です。


伝統的な独楽文様をベースに『亀』、をモチーフに作り上げた作品です。

亀・・・見えますでしょうか?


頭、と尻尾が見えます?


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『彫漆(ちょうしつ)』

表面に漆を幾重にも塗り重ねて層を作り、その上から模様を彫るというものです。

幕末の讃岐漆芸の祖といわれます、『玉楮象谷』が中国の技法を研究し・・・讃岐漆芸の技法として確立したものです。

音丸耕堂は、1955年(昭和30)には「彫漆」技法で重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されました。


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朱、黒、黄、緑、褐色の五色を元に構成され、新しい素材も加えて難しい中間色や鮮明な色漆を駆使し、漆による色彩の表現領域を格段と広げることで、斬新なデザインを可能としているのです。


一番外側の「茶色」だけを良く見ると・・・7~10層で構成されております。

その層により、木の年輪のような模様になっており・・・周りの色漆との対比の要因もあって、茶色なのに「紫色」にも感じさせるのです!


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側面も73層はあります。

しかし!それは色分けだけの層であり、一色の層がさらに何層もの漆の積み上げにて作り上げているのです。

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内側も見事なものです。

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底の銘です。


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共箱   「堆漆亀香合」

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共箱   「於蓬莱草舎 音丸雄」


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仕舞用の仕覆も添います。


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2重箱となっております。



耕堂は、1898年(明治31)に高松に生まれました。

1910年(明治43)讃岐漆芸サロンである百花園の職長格であった、石井磬堂の内弟子として修業、1914年頃独立し、この頃独学で玉楮象谷の彫漆作品を研究しました。

1921年(大正10)に彫金家の大須賀喬おおすがたかしらと香風会こうふうかいを結成し展覧会を開催するなど、漆芸作家として精力的に活動。

1932年(昭和7)に第13回帝展に初入選後、入選を繰り返し、1942年(昭和17)第5回新文展で《彫漆月之花手箱》(高松市美術館蔵)が特選となりました。

1955年(昭和30)重要無形文化財保持者(彫漆)に認定され、また同年に日本工芸会の創立に参加するなど、日本の工芸界に多大な影響を与えた作家として知られております。


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この亀の香合は、耕堂も得意としたものであったようで、色違いのバリエーションも存在致します。

今回の香合は、後年での高さも造形も大きく、迫力がありすぎるタイプではなく、ほどよいバランスが取られており、茶道具の精神も感じられて良いのです。。。


亀の香合といえば、藤田男爵が臨終の床にて最後まで熱望したという、伝説の「大亀」の香合が知られます。

それは黄交趾に紫や緑をあしらったものですが・・・意匠と色彩がこの香合に非常に通じるところを感じるのです。

※御成約済みです。


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5月度の新入荷情報 《最新版》 [新入荷]

金沢・東京大回り出張から戻りました!

月末に、少し新入荷が御座いました。

詳細情報がまだですが、取り急ぎ・・・


本日時点での、先月度(5月)の新入荷情報をお知らせいたします。

これで、5月分は終了となります。




【永楽保全(善一郎) 高麗写八道酒飲】

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幕末期~明治期にかけて、京焼陶工達がこぞってチャレンジした、「朝鮮八道」の写し茶碗というものがあります。 それをミニチュア化した、大変珍しい作品です☆


※御成約済みです。



【永楽即全 乾山写鵜舟 平茶碗】

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近年では、珍しい即全の入荷です。 出来が良かったのと季節情緒を感じまして。。

※ご成約済みです。




【堂本印象手造 黒茶碗 銘「岩清水」覚入焼 共箱 直入極め外箱】

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大変、珍しいものです。土、釉薬も楽家のものを使用して、堂々たる作行きです。

共箱は、なんと印象による漆絵付けとなっており、趣のある楽茶碗です。


※ご成約済みです。



【加藤芳右衛門 瀬戸釉小茶碗】

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たまには、値頃な普通のものでも...と、思いつつ、どうしても面白くないとダメ、という拘りは棄てきれません。。。

現代の、ひとり愉しむ、というスタイルや、茶箱での茶会、果ては野点の趣向等...使い道は色々と☆




【橋本陶正山 青海波小茶碗】

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こちらも、上記と同じく、です。通常サイズだとやや、装飾過剰にも感じる時がある薩摩ですが、小さくなると丁度良いかも?なのです。




【永楽保全 瀬戸薬蔓手付 茶入】

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仁清、的な美の世界です。数奇者としては、普通に替茶器なんて使わず、お点前用に使っちゃいましょう☆

※ご成約済です。



【二代 眞葛香山 古染付意酒盃】

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大正7年作で、瓢箪から駒、を体現した面白い盃なのです。




【初代 眞葛香山 青磁写酒盃 双魚彫】

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初代、と特定出きる青磁作品は...実はかなり希少なのです。

青磁は初代晩年に完成したもので、そこからの需要の高さから高価に取引されておりました。

見込み、にお魚さんが2匹で、お酒を注ぐとゆらゆらと泳ぐのです。


※ご成約済みです。




【15代坂倉新兵衛 萩楓向付 10客】

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なかなかの、上がりです!御本的な斑点もきれいで、青楓にも紅葉にも使える上品な作行きです。



【田久オランダ 火入】

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はい、当店でしかおそらく流通の無いジャンルです。

まさか名古屋で出会うとは思いませんでした。

よくある水指の意匠と形状をそのままサイズダウンした珍しい作品なのです。


※ご成約済みです。




【中村宗哲(元斎)銀輪朱手桶 水指 即中斎好み 五つの内】


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探すと、なかなか無いものです。隋流斎形を以て、即中斎の好みとして朱の手桶で製作された5つの内です。


※ご成約済みです。



【黄瀬戸新焼 茶碗 「吉野山」 碌々斎 箱】


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明治31年に特別に3つ焼かれた黄瀬戸茶碗を、不審庵と慶入、そして旧蔵者の3者の元に納められたものです。

幕末から明治維新にかけて活躍した陶工による作です。


※御成約済みです。




【加藤卓男 釉裏紅網文 平茶碗】


※ご成約済です。



【珠光青磁 了入補茶碗 楽了入箱】


語ること多すぎます。(^-^; 某伯爵家旧蔵品  根津美術館所蔵品 同手


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※ご成約済みです。



【辻村唯 井戸旅茶碗 12客】

辻村史郎さんのご子息です。高麗茶碗の王様・・・井戸茶碗を小茶碗で仕立てられております。

なんと、12客揃!

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【岩木秀斎 達磨 茶入 薬師寺橋本 凝胤箱】


見つめられると・・・困ります。


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※ご成約済みです。



【川瀬満之 瑠璃面取詩入 香炉 純銀火屋】

かたち、いろ、そして・・・深い文字。全てが合わさるうつくしさ。


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【二代 眞葛香山 釉下彩牡丹ノ図 花瓶 香斎極め箱】


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【豊楽焼 唐物写 平棗 七十五翁】


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珍しく・・・共箱です。

※御成約済みです。


【豊楽焼 木具写 湯呑 八十三翁】


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秋草蒔絵が、上品に施されております☆



【正意 茶入 一尾伊織箱 大倉好斎極め 惺斎 箱】


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なかなかの立ち姿にほれぼれしました。初見から半年を経て・・・ご縁がありました☆



【四代 大樋勘兵衛 仙叟好写 赤茶碗 共箱 九代極め 鵬雲斎箱】


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前田藩の家紋、梅鉢・・・を連想させる、仙叟好み写しの茶碗を4代!が製作したものです。

※御成約済み


【音丸耕堂 堆漆 亀香合】


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大きさも、香合らしく、仕事も良し、色合いもクラシカルな独楽文様にモダンな色合いです。


※御成約済みです。





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【四代 大樋勘兵衛 仙叟好写 赤茶碗】 共箱 九代極め 鵬雲斎箱 [国焼茶陶【江戸後期】]

寛文6(1666)年、前田利常の茶頭として招聘され・・・金沢の地へ赴いた裏千家の祖ともいうべき、「仙叟」が伴った樂一入の弟子である「土師長左衛門」が・・・大樋村にて楽焼の製作を始めました。

仙叟の好み物として、伝統的な京焼の技法に革新的ともいえるモダンなテイストを盛り込んだものを生み出したのです。

初期大樋焼、初代~4代頃はその路線を固く守り創成期を支えました。

5代目は中興の祖としてさらなる飛躍を図ることになるのですが、初代の作風を強く遺す逸品が見られるのも初期大樋焼ならでは、といえます。


今回は、4代目の勘兵衛の佳品が手に入りました☆


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【四代 大樋勘兵衛 仙叟好写 赤茶碗】


幅 12.4㎝ 高さ 7.4㎝ 高台径 5.3㎝


共箱 

九代極め箱 鵬雲斎箱


製作年代 寛政12(1802)年~文政7(1824)年頃



さて、お茶碗の様子を見てまいりましょう。


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上から。


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反対側より。


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釉調もきれいに発色しております。


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高台側より。


4代目作品、は基本的にしっかり正統派の造りを確実に仕上げているのが特徴と云えます。

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高台側から。


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ちらっと、白いものが見えますね。


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一枝の梅が浮き盛りの絵付けで施されております。



「東風(こち)吹かば にほひをこせよ 梅の花

         主(あるじ)なしとて 春を忘るな」


菅原道真が、冤罪により大宰府へ左遷されることが決まったときに、詠んだ歌です。


春風が吹いたら、匂いを(京から太宰府まで)送っておくれ、梅の花よ。主人(菅原道真)がいないからといって、春を忘れてはならないぞ。


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東風(こち)、は京都(東)から九州(西)へ吹く風のことです。


これは、金沢の地から京都への方向にも通じるものであり、金沢の地で活躍した仙叟の想いというものが意匠に込められているのと同時に、「前田家」の家紋である「梅」にもかけているのです。

そして、仙叟の好みものというと、造形的なデザインが特徴であり仙叟好みの茶碗ではさらに特に際立っております。

このお茶碗も口造りの薄さからのひねり込みの造形が、なかなかのものとなっております。

4代目の大樋は、1758年に生まれ・・・1802年に3代が没したあとに襲名。

勘兵衛と、のちに長左衛門を名乗り・・・・文政7(1824)年10月に隠居して「土庵」を名乗り5代へ譲ります。

この作品は中期頃の作品と思われます。



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眼鏡箱になります。

9代目の極め箱もあります。

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共箱です。


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鵬雲斎の箱が添います。

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甲側には「陽来」とあり、「一陽来福」からのコトバでしょう。

冬が終わり・・・春が来るという意ですが、悪い傾向にあった物事がよい傾向に向かうことも意味します。

(この字は大樋さんの字かもしれません。)



4代大樋は、初代に次ぐ名工である、と10代さんの言がございます。


なかなか、目にすることのないものです・・・このご縁に感謝しつつ、皆様にもご紹介させて頂きました!


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※御成約済み



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大阪~金沢~東京~大阪 [ひとりごと。]

…と、ぐるッと大きく回っております。[わーい(嬉しい顔)][あせあせ(飛び散る汗)]

近畿圏以外の緊急事態宣言下は、またちがう雰囲気でした。

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日曜日の近江町市場が、シャッター閉まりまくり…


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お昼は駅でゴーゴーカレー、夜は折り詰めお寿司を部屋で…

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先月、先々月の金沢出張とうってかわって地味です。[わーい(嬉しい顔)][あせあせ(飛び散る汗)]

オークションで出されたお弁当も、このご時世ですので椀物が有りません。

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夕方には今度は北陸新幹線にて、東京へ。

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駅のキオスク等はクローズしており、わずかに開いている売店ではアルコール販売禁止、と徹底しております。

しかし、通勤時間帯の人の多さはさすがに東京でした。

そして、油断したら19時には飲食店がオーダーストップしており、夕食難民に。

スーパーでお弁当買って、これまた部屋で食べることに…[あせあせ(飛び散る汗)]


とりあえず、お仕事は完了致しましたので大阪へ戻ります[exclamation]


ひとまず、新入荷速報です。



◯ 正意 茶入

一尾伊織 箱 大倉好斎極 了仲加筆極 惺斎書付

昨年12月に目にすることがあり、気になっていたモノがご縁有りました。


◯ 四代 大樋勘兵衛

仙叟好写 赤茶碗 梅之絵

共箱 九代極め箱 鵬雲斎書付


なかなか、珍しいものです。梅は前田家の家紋にも関係しますね。


◯ 音丸耕堂

堆漆 亀香合


この一年間に、音丸耕堂は何度も手に入れることが、出来なかったのですが、ようやく気に入るものが、ご縁有りました。



ベースは、

6月

2,3,4

7午後,9,10

15,16,17,18午後

22,23

に滞在予定ですが、出張等予定が変わることがございます。
事前のご連絡をお願い申し上げます。




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