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【2022年1月度の新入荷情報です。】 [新入荷]

【2022年1月29日 追記】


神戸・東京と出張続きから戻りました。

つくづく・・・力の無さ、というものを痛感する都落ちです。(-_-)

そんなことで、追加の新入荷は1点のみとなっております。


さて、2月が目前に迫ってまいりました。


旧暦では新年のお正月となります。


2月1日から心機一転頑張りましょう☆      


・・・と、いっても世の中は、只今大変な第6波の最中です。

2月11日・12日の『十翔会 特別開催版』も無事開催できるか、心配なのです。。。



+++++++++ 以下 既出の分です。 +++++++++++++++++


年末に破損したデジカメ、修理から上がってきました。

己の不手際で、貴重なお金を無駄に遣ってしまったことに、つくづく反省しました。

この機会に、これまで使いきってなかった機能などを勉強しなおして、JFKでの皆様にご覧頂く写真のグレードアップに励みたいと、思います。


さて、今日は出張先の京都で目が覚めると・・・

一面銀世界。ちゅうか、雪がどんどこ降り続けておりました[あせあせ(飛び散る汗)]


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四条通り。


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八坂神社前


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京都美術倶楽部前


当店の店用車、ブルーサンダー号(本日42万キロ突破セリ)は、ノーマルタイヤのFR車です。

車全体が厚みのある雪に埋もれてしまっており。。。


ほんとに、焦りました。

オークションの終わる昼前には、なんとか路面は溶けてきたので脱出に成功しました[わーい(嬉しい顔)][あせあせ(飛び散る汗)]


その後、当店の関係する作品5点が展示されております、展観を観に『茶道資料館』へ赴き・・・そのあと、真葛さんとこに寄って、無事帰宅です。

まさに、大寒の昨日・今日でした。。。




新入荷情報でございます。



◎粟田 光山 京薩摩焼 平茶碗


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明治期の上品な絵付けの平茶碗です。

眞葛の極彩色にも、通じるものがあるのです。


※御成約済みです。


◎永楽和全 青磁写印尽し 茶碗 妙全極め箱



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これは、珍品なのです。ほとんど類例が確認出来ない和全の変わり印が6種類も押されており、恐ろしく貴重な資料作品です。

和全は、各地の豪商などに呼ばれての作品制作もあったので、個人用印なども存在致します。

それらの記録用として作られたものと思われます。


※ご成約済みです。




◎永楽保全(善一郎) 画高麗写 鉢 



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大変、上がりの良い絵高麗です。 やや小振りですが上品さが増しております。

わずかな見えにくい薄ニュウが有りますが、気にならない程度です。

嘉永4年の保全の東京行きから帰った際の作品で、善一郎の最後期の作です。


※御成約済みです。


◎西村宗三郎(永楽回全) 於大内山造之 御室焼 水指


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これは、宗三郎の代表作品として永楽歴代展でも登場する作品です。

かつては、御室窯時代の和全時代作としてひとくくりにされておりましたが、筆跡から現代では宗三郎作品として分類されております。


※御成約済みです。


◎初代 眞葛香山 仁清意鴫 香合  遺作箱



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長造でも作られた、独特のデフォルメされた鴫の香合です。長造から遺された型を使用されて、わずかな数だけ再現された初代香山作品なのです。


※ご成約済みです。


◎仁阿弥道八 雲鶴模茶碗 共箱 九代極め外箱 鵬雲斎大宗匠書付 



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仁阿弥の代表作のひとつに、雲鶴青磁水指があります。この時代、保全や長造等もこぞって雲鶴青磁にチャレンジしていたようですが、三者三様の味わいになっています。

茶碗では珍しいですね。

共箱から共紐、などから昨年仕立ての外箱までパッケージングとしても完璧です。

そして、かなりレアな印が隠し印として使用されておりますのも魅力なのです。


※御成約済みです。


◎楽山焼 空入(七代) 絵唐津写
 水指  蓋直し在り 塗蓋付



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幕末期の楽山焼です。伝、空入作ですが土味などは楽山焼の古いところで間違いなく、造りもなかなかのものです。蓋が直しがあるのは残念なのですが、お使いいただく分には大丈夫な感じには仕上がっております。もちろん、お値打ち価格です。


※御成約済みです。


◎永楽保全 交趾写アコタ香合 妙全極め箱 惺斎箱

型物香合、一覧にもある有名な手です。さすがの保全です。発色の良さが気を引くのです!


※売却済みです。



◎樂 旦入 赤筒茶碗 共箱 直入極め箱 鵬雲斎箱 銘 庵の友


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半筒の形状です。旦入らしさの良くでた佳品で、造形物として惚れ込んでしまったのです。


※御成約済みです。


◎仁阿弥道八 絵高麗 湯沸

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これは、珍しいアイテムです。道八作品としてはミュージアムピースともいえます。


※御成約済みです。


◎2代 矢口永寿 祥瑞・古九谷写 瓢形酒瓶 一対

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このサイズ、で使い易い徳利が揃います!お料理屋さんにお薦めしたいです[ぴかぴか(新しい)]


◎初代 三浦竹泉 倣祥瑞紋様 石蓋茶碗(蓋物)10客

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明治40年に特別注文にて製作された蓋物です。

形状も発色も良く、サイズも良し。蓋なしで向付にも使えそうです。

※御成約済みです。


◎竹中浩 白磁水滴


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とても、かわいいのです。本歌は李朝ですが、うまいこと出来とります。

※売却済みです。


◎眞葛長造 三嶌 臺鉢


小ぶり、な台鉢です。 この時期の京焼らしい三島写しの味わいが見事に発揮されている作品です。

お茶碗にもいけそうな、サイズなのです。

※売却済みです。



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裏千家茶道資料館 新春展『やきもの巡り② 大阪・兵庫編』のご紹介です。 [国焼茶陶【江戸後期】]

ちらっと、新入荷情報ブログ内でも言及しましたが・・・

裏千家の運営しております、『茶道資料館』にて、マニアックな展観がスタートしております。

以下、公式HPよりご紹介いたしましょう☆


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++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


茶道資料館 令和4年 新春展


「やきもの巡り② 大阪・兵庫編」


会期1月7日(金) ~ 4月10日(日)



【前期】1月7日(金) ~ 2月20日(日)

【後期】2月23日(水) ~ 4月10日(日)


※新型コロナウイルス感染症の流行状況により、
会期を変更する可能性があります。

文化庁支援事業


開館時間

午前9時30分~午後4時30分 (入館は午後4時まで)

休館日  月曜日(但し、祝日、3月28日は開館)
    各月最終火曜日
     展示替え期間(2月21日、22日)、3月22日


入館料  一般700円、大学生400円、中高生300円
    小学生以下ならびにメンバーシップ校の方は無料

内容

高槻焼、桜井里焼、古曽部焼、大河内焼、難波焼、高原焼、吉向焼

湊焼、谷焼、八田焼、道楽焼。 丹波焼、三田焼、王地山焼、古市焼

出石焼、東山焼、明石焼、朝霧焼、舞子焼、赤穂焼、野田焼、珉平焼

・・・さて、あなたはいくつ知っていますか?

中世以降、日本各地に数多くの陶磁窯が誕生しました。

日本六古窯をはじめ、日本を代表する窯業地へと発展した窯から、近世後期の開窯ラッシュ期に築かれ
た小窯に至るまで、その数は数百にも及ぶと言われています。

しかし、現在、一般的によく知られている陶磁窯はその内のごく一部です。

そこで、近畿各地において、中世から近世後期に生産されたやきものを中心に、「ご当地のやきもの」を紹介する展覧会をシリーズ化して開催いたします。

平成29年春夏展として開催した第1回京都・滋賀編に続き、今回は大阪、兵庫のおよそ20窯を取り上げ、歴史的背景とともに諸窯の特徴、魅力を紹介します。



+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++



第1回の京都・滋賀もの・・に対して、大阪・兵庫は・・・ちょっと色目的には負けてしまいますのは仕方ありません。(^-^;

しかし、関西人でも知らない人が多いようなマニアックな国焼窯が多数紹介されている、希少な展観なのです。

当店からも、所蔵品ならびにお世話させて頂いた作品が「5組」登場しております。


裏千家の初釜に合わせて開催の始まった、新春展・・・是非、ご高覧下さいませ!


(前期・後期で少し展示が変更となりますのでご注意下さい)
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【仁阿弥道八 雲鶴模 茶碗】 共箱・九代極め外箱・鵬雲斎玄室箱 [幕末京焼]

マルチな才能を見せた『仁阿弥道八』なので、代表的な作風といわれますと・・・種々、頭に浮かびます。

そんな中、有名ではあるものの・・・数としては少ない部類に入りますのが『雲鶴青磁』です。


個人的に、幕末の名工たちの『雲鶴青磁』写しのお茶碗というのが好きなもので、なにかしら・・・ちょくちょく取り扱っておりますが、仁阿弥では(水指以外で)『お初』となります☆



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【仁阿弥道八 雲鶴模 茶碗】


幅    11.1cm

高さ   10.2cm

高台径   6.8cm


製作年代  文政9(1826)~天保13(1842)頃

箱    共箱  九代道八極め外箱  鵬雲斎玄室 書付




『雲鶴青磁』、は『高麗青磁』の一種です。


中国の青磁に影響を受け、製作が始まった朝鮮半島の青磁ですが、長い歴史の中で様々な変化もあったようです。

そんな中、12世紀に高麗青磁の中でも高級品とされた、『象嵌』を施したものが生み出されます。


本来、形状の他は単色の色合いだけを見どころとする『青磁』ですが、白土と赤土を象嵌することにより、意匠を施すことで新たな魅力を求めたのです。


室町時代(1336~1573年)に日本に伝世した、元は単なる『器』であったものを『お茶碗』に見立てて珍重したところから知れ渡ったようです。


ぐるっと、作品を見回してみましょう。


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火の当たり、により色合いの変化も起こります。


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澄んだ『青色』に、上釉の透明釉の大きな貫入、というのは雲鶴青磁の特徴であり、忠実に再現しております。


寸法をご覧頂くと、おや?と思われますが・・・縦より横の方が長いのです。

筒形であることでの目の錯覚です。


ちなみに、このサイズは『京都国立博物館』に所蔵されております『高麗象嵌茶碗』と同寸です。


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口造りは、胴以下に対して薄く仕上げております。


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仁阿弥の『雲鶴青磁』作品は、水指でも銘は底面ではなく、側面に施されます。

そして、それらも『象嵌』でされるのが特徴です。



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2つ、印があります。


『御室土賜造』 『道八』


この、前者の印はかなり希少です。


仁阿弥は、その力量と、作行きの雅風から様々な寺院や宮家、各地の有力者からの評価が高く常に注文が絶えませんでした。

仁阿の号、は文政9(1826)年に44歳の時に御室の『仁和寺宮』より、『法橋』に叙せられた際に賜ったものです。

(同時期に、醍醐寺三宝院宮より『阿弥』号を許される。『仁阿弥』の誕生です。)


その縁で、京焼の祖ともいうべき『野々村仁清』ゆかりの『御室の土』を仁和寺より特別に拝領することが出来ました。

その土を使用した作品のみに、使用される印で現存確認されるものでもかなり希少なのです。

年代特定出来る作品として、東京国立博物館所蔵の水指が文政12(1829)年作として存在しますが、数の少なさからおそらくは継続的に賜っていた土では無いと思われ、仁阿の号を賜った際に得た土を大事に使って、少数製作していたものなのでしょう。


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同時期の国焼きの雲鶴青磁の特徴として・・・『白土』による象嵌は、ありますが『赤土』の象嵌は無く・・・代わりに、『染付』で同じ個所に色を付けるようになっております。

これは、高麗の権威の先生にお聞きしたところ、この頃に技術的に赤土の象嵌発色が出来なかったのでは、とのことです。

確かに、高コストをかけていた『尾張徳川藩窯』である『御深井焼』での高麗青磁写しでも同様の特徴があります。


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2重箱です。

外箱に、九代高橋道八の極めがございます。



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仁阿弥時代の、共箱です。


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数年前の鵬雲斎大宗匠(玄室)の箱書きが付随します。

かなりのご高齢ですが、堂々とした筆です。



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幕末の京焼では、『永楽保全』『眞葛長造』も雲鶴青磁に挑戦されており、それぞれの発色の特徴があります。

仁阿弥のは、いわば・・・『クール』な雲鶴青磁とでもいいましょうか。

澄んだ発色とシュッとした形状が合わさっていることで独自の特徴が生まれるのです。


京焼の伝統・文化は『写し』です。

それは、単なるコピーではなく・・・その時代の背景や技術、それぞれの陶工の知性とセンス、がミクスチャーされることで、再構築される、その時の『最先端』の現れ、なのです。


※御成約済みです。


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【粟田焼 光山 京薩摩 平茶碗】 [幕末京焼]

『SATSUMA』


この言葉は、もちろん九州鹿児島を指すのですが、こと『やきもの』ではもう少し広義な名称としても周知されております。


1867年のパリ万博に、薩摩藩が出品し人気となった豪奢な色絵陶器により、『SATSUMA』の名前は一気に広まりました。


そして、時代は明治になり・・・貿易が盛んになる中で、国策として各地のやきもので人気のものを輸出すべく生産されるようになるのですが、その物量やスピードの需要から、薩摩焼は独自の展開を迎えることになります。


鹿児島・薩摩、東京・薩摩、横浜・薩摩、京・薩摩、大阪・薩摩、神戸・薩摩、加賀・薩摩・・とこれだけの展開がなされたのです。


それは、薩摩焼の写し・・・というより、『薩摩様式』での各地の得意とする技術とセンスにより独自の発展をみせた、新たなジャンルといっても過言ではありません。



今回、ご紹介致しますのは『京薩摩』です。



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【粟田焼 光山 京薩摩 平茶碗】


幅   12.5cm

高さ     8cm

高台径  4.8cm


製作年代 明治初期~中期頃

箱    無地木箱




比較的、京薩摩は・・・・個人的には意匠や絵付けはやや雑味があり派手目である、という印象があり・・・完全な貿易用のイメージが強かったのです。

しかし、今回の作品は二代香山が得意とした、『極彩色』をやや浮き盛で薩摩風にしたような品のあるところに惹かれました。


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側面からも垣間見える、絵付けの煌びやかさ☆


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『薩摩様式』に共通するのは、細やかな貫入のはいる素地です。

これにより、温かみのあるクリーム色になり、色絵の印象が異なってくるのです。


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この、緻密に広がる『幾何学文様』の素晴らしいこと!


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『紫慶堂 光山』の書き銘です。


『光山』は、粟田口にて『錦光山』とならんで活躍した粟田焼の窯元です。


錦光山と違い、大規模ではなかったようですが、その分丁寧な作行きな気が致します。

『大阪薩摩』で世界的に有名な『藪明山』、も初期頃は『光山』から素地を仕入れていたという記録があるそうです。


スクリーンショット (1).png


古い文献に、記録が遺されております。


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木箱です。



輸出用の薩摩焼は、使い用というより飾り物、としての用を満たすべく・・・碗形としても、小鉢や盛器であったりすることが多いのですが、この作品は『茶碗』としての造りになっております。


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薩摩焼の大量生産は、粗製乱造を呼び・・・結果、マーケットの縮小と作品のクオリティの混在により、後世での評価下落へとつながってしまいました。


京薩摩・・・薩摩の様式に、古くから伝わる『粟田』の京焼の『技』と『美』を融合させて、独自の昇華がなされた茶碗・・・これは、もはや『明治の京焼茶陶』として、後世に伝えて頂きたい一品なのです。



※ご成約済みです。



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【2022年1月】ベース営業のおしらせ。 [BASE215]

【2022年1月16日追記】



「なんでも鑑定団 新春スペシャル」の本編1発目として、懇意にさせて頂いておりますお客様が登場されました。

お世話させていただいた作品を5点も携えて・・・でしたので、作品の真贋やクオリティは自信あるものの、「鑑定結果」がどうでるのか・・オーナーさん共々ひやひやでした。(^^;


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ご覧になられた方もいらっしゃいますでしょうが、「5倍」の結果となり、ホッと胸をなでおろしました。

ということで、幸先の良いスタートです☆



*******************************************


2022年1月のスケジュールです。


   6日(木)ベース営業日 午前 × 

   7日(金)ベース営業日 全日 ×

   8日(土)ベース営業日 14時 予約有り

   9日~11日 《名古屋オークション出張》

  12日(水)ベース営業日 午前 × 

  13日(木)ベース営業日 全日 ×

  14日(金)ベース営業日

  17日(月)ベース営業日 午後 予約有

  18日(火)ベース営業日 午前 × 

  19日~21日 《大美・名美・京美 オークション出張》

  24日(月)ベース営業日 午後一、予約有

  25日~26日 《神戸オークション出張》

  27日~28日 《東美 オークション出張》

  31日(月)ベース営業日 午前 × 



☆ベースご来訪の際には、事前のご連絡を頂けると幸いです☆



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【初代 眞葛香山 仁清意鴫 香合】 遺作箱 [眞葛香山]

香山の香合の逸品のご紹介です。



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【初代 眞葛香山 仁清意鴫 香合】


幅      5.5cm

高さ     8cm

製作年代   大正5年頃

箱      二代筆 遺作箱




『鴫』・・・『鴨』ちゃいまんねん。字は似ております~。


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こちら、ホンモノさんです。



鴫は、『わたり鳥』です。


南極以外の全ての地域に生息するようですが、旅を続けることから日本では、『春』と『秋』の鳥として知られます。


古より、歌に詠まれることも多く・・・その中で、抜粋してみますと。





「我が門のおくての引板におどろきて室の刈田に鴫ぞ立つなる」 (千載集 源兼昌)



「からころも裾野の庵の旅まくら袖より鴫の立つ心地する」 (藤原定家)



「刈あとや早稲かたがたの鴫の声」 (松尾芭蕉)



「鴫立て秋天ひききながめ哉」 (与謝蕪村)




しゅっと、立ってるイメージがありますね。

長いくちばしで、首を大きく傾けて相手に気取られないように獲物を刈るので、よけいに立ってるイメージが強くなるのでしょう。


そういう、特性なども含めて・・・デフォルメしつつ、本質をとらえながら意匠化する、というのもこれまた『作り手』の技なのです。



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眞葛窯伝統の、藁灰釉による仁清調に、鉄絵により絵付けがなされております。


このような、かわいい?面白い?フォルムは『香山』らしい、と思われますが・・・実は、この香合のオリジナルは、父である『長造』なのです。


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眞葛窯の創始者である『長造』の香合の型は、全てでは有りませんが『香山』に引き継がれました。

もちろん、製作される際には・・・そのままではなくアレンジは加えられます。



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羽根のあたりの、やさしく丁寧な作り込みは、二代にも通じるところがあり・・・明治末~大正初期頃の茶陶は、二代の関与するところが多かったこともうかがえます。


さらに、ぐるっと回り込んでみましょう。


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次は内側です。


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こちらも、長造と同じく削り込みにて薄く仕上げております。

これも眞葛窯らしさ、なのです。


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デジカメではピントも合わない・・・『接写』をスマートフォンを使って撮影してみました。


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なんともいえない、表情と色合いです。


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最初の印象ではデフォルメ感がメインであったのが、ここまで見てくると、もう『鴫』らしさとしか感じなくなってくるのです。


江戸期の日本画でも、決して花や動物は写実では有りませんでした。

有名な画家の作品に描かれるそれらは、もはやどうアレンジ・デフォルメされていてもその描かれている題材そのものにしか見えません。

ものごとの本質のどこにフォーカスして、いかに見る人へ伝えるか、というところの凝縮力・再現力というのが『モノづくり』の妙技なのです☆



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大正8年の記録にも同手が記載されております。


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もはや、ここまでご覧になられている皆様も、既にこの愛らしい『鳥』の『とりこ』になっていることでしょう!(メルヘンでんな~)


※ご成約済みです。

                             

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【仁阿弥道八 唐津写片口 茶碗】 七代極め箱 有隣斎箱 [幕末京焼]

(2022年1月14日 追記 画像追加)



『片口』という器物は、古くは・・・縄文土器や、弥生土器にも見られる形状です。


ヒト、として『火』と並び重要な『水』を貯め、注ぐという用途で生まれましたが、そこには神聖なるものを中に湛え、分け与える、という行為そのもののが、通常のおひとり様用の器よりもなにか大切なモノとして存在するのかもしれません。


今回は、元来・・・片口として生まれながら、『お茶碗』として引き立てられた味わい深い作品のご紹介です。



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【仁阿弥道八 唐津写片口 茶碗】 


幅    16.2㎝×12.8㎝

高さ   6.2㎝

高台径  6.2㎝

製作年代 文化8(1811)~天保13(1842)年頃


箱    七代道八極め箱  武者小路千家 有隣斎箱 銘 庵の友




『唐津焼』の写しです。

江戸後期には唐津焼が衰退していたそうですので、写し需要に応えたものなのでしょう。


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口の造りも軽妙です。


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向き、によって傾き加減の印象が大きく変わるところも、おもしろいのです。

しかし、それは決して『いびつ』とは一線を画する上品さがあり、これは写真ではお伝えしにくいところでもあります。


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この、大きさと重量が絶妙です。


全然、重くないのです。


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唐津写し、であるところはこの土味にもしっかりと表現されております。

銘は、三代に近似するタイプです。

かつては、私も三代としておりましたが、野崎家のように直接道八家から収まった作品で、二代筆の共箱に収まったこの印のものもあり、(実際私も取り扱った作品もございます)

また、煎茶器類の美術館蔵品でも二代分類のものも存在します。

今回の作品は七代の極めもあることで、なおさら二代の枠に包括すべしという見解に達しました。



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七代の極め箱 

書付の用に合わせて依頼されたものです。


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有隣斎により、『庵の友』と銘をつけられており、数奇者の愛玩道具として『うつわ』としての片口から、茶道具へと再生されております。


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手の収まり、も非常に良いのです☆


もちろん、酒器としても、ちょっとした預け鉢にも使えますよ。


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この、真横からのフォルムもまた、良く・・・

丁寧な轆轤と、ざくっとした箆削りの妙がたまらないのです。



お値打ち価格でもあり、お勧めです。


※ご成約済みです。



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【眞葛長造 成化模眞葛窯 小器】 10客 [幕末京焼]

当ブログでも、頻繁にご紹介させていただいております、『幕末期の京焼』、はまさに、『技』と『美』の競演とでもいいましょうか・・・

様々な才能が、同時期にあちこちで花開き、新たな感性・技術が生まれた時代と場所、でした。

特に『五条坂』の辺りではスターダムに乗った新人陶工たちが多数居たのです。


古くからの伝統の『粟田系』と新時代の『五条坂』は元々諍いの絶えない間柄であったようですが、その気風の違い、というのがこの江戸時代も終わりになろうとしている時代背景の中で後世にどう、残っていったのか?というは、伝わる作品から感じ取れます。


煎茶を中心とした、『文人趣味』を理解する『作り手』と『顧客』が居た五条坂では、その精神性が作品にこもっていることが多いのです。


今回ご紹介する作品も、そのような『粋』な作品のひとつとなります。




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【眞葛長造 成化模眞葛窯 小器】 10客


幅  6.5cm

高さ 7.5cm


状態 1客・意匠ホツレ、2客・焼成時の意匠離れ

共箱 (5客×2箱)

時代 江戸時代後期 (1800年代後半頃)




なかなか、洒落た意匠の猪口(筒向付)です。


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【小桃新謝後 雙燕欲来時】   

唐代詩人 鄭谷(842~910)「杏花」より


ていこく、という中国晩唐の詩人の句です。

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幼少から才名が高く,7歳で詩をつくったといわれております。清新な詩風で,写景,抒情に優れたそうです。



「杏花」


  不學梅欺雪,輕紅照碧池。

〇 小桃新謝後,雙燕卻來時。  

  香屬登龍客,煙籠宿蝶枝。

  臨軒須貌取,風雨易離披。



ちいさな桃が、新たに成ると、つがいの燕がそれを求めてやってくる、というところでしょうか。


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『仁清調』の作風が、代表的な長造ですが、『染付』も実は得意とします。


五条坂では、塩野熊吉郎が瀬戸の磁祖といわれる『加藤民吉』より遅れること数年・・・有田より磁器焼成技術を持ち帰り、仁阿弥道八に伝えたのが始まりで、その後、子である宮田亀寿、そして初代清風与平辺りが京焼染付の黎明期を支えました。

ご近所であった、長造も早いうちに染付技法を身に付け・・・古染付風の出来栄えを自在に表現出来ておりました。


『吹き墨』もいい色が出ております。


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葉の方は立体的に造形してあります。

近くには、辰砂を使った蜻蛉らしき意匠もありますね。


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真上から見ると、桃の形状が判りますね。


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高台側です。書き銘になります。



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早いうちに5客組を入手したのですが・・・10客にならないかなぁ・・・こんな珍品では無理だろうと諦めておったところ、奇跡の出会いが☆


5客×2組になりました。


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少しだけ、題字の表現が異なりますが、同時期の作でえあることがうかがえます。

また、2組手に入ることにより、どちらも1客だけ書き銘の書き方を変えてあることも判明したのです。


『成化模 眞葛製』が4客に(8客に)、『眞葛製』が1客(2客)となります。


中国の明時代中期の成化年間(1465~1487)・・室町時代足利義政の頃の、染付磁器の感じを写したということです。


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1客、は残念ながら意匠がホツレてしまっております。

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他に2客が、元々意匠が離れております。

磁器焼成の温度管理は難しく、ここまでの形状と上がりが初期京染付で仕上がってること自体奇跡なのです。


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轆轤により形成したあと、歪みと意匠を加えているようです。


大きさも、手取りがよく、こぶりの酢猪口としても、小向としても楽しめそうです。


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本当に、この頃の京焼陶工の学の高さとセンスの良さには感服するところがあります。


作品ひとつ、で・・・主客であーだこーだと、話が弾むというこれぞ、文人墨客の世界なのです。


※御成約済みです。


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【永楽即全 仁清黒扇面 茶碗】 即中斎 箱 [茶道具]

今回は、マニアック・・・では無いですが、永楽さんのなかなか出ない逸品のご紹介です。


『千家十職』の中の『土風炉師・焼物師』であります『永楽善五郎』家ですが、現在では十八代目である『陽一』氏が昨年襲名されております。


初代は室町時代に奈良の西ノ京の『西村』にて春日大社の供御器を作っていたことから、西村性を称しておりました。

晩年より、『土風炉師 西村善五郎』として名乗り出したとのことですが、伝世品も無く・・九代目までの作品はほとんど見ることは有りません。

おそらくは、使い捨ての供御器であったり、民生用のものであったりと、消費されるやきものばかりを製作されていたことと思われます。


実質的な永楽家は『十代了全』からとなります。


樂家の『了入』を兄のように慕い、また表千家の出入りとなり、隠居時に『了々斎』から名を授かったりという、了全の晩年時代からの活動で、その頃には養子に迎えた『十一代 保全』の力に拠るところも大きかったと推測されます。


そこから、千家道具の製作として現代まで脈々と続いてくるわけですが・・・・


歴代の中で、一番長命であったのが『十六代 即全』です。


先代である父、『十五代 正全』が昭和7(1932)年に亡くなった後、平成10(1998)年に80歳で亡くなるまでの長期に渡り、製作活動をしておりました。


その間に仕えた表千家家元は、『惺斎』『即中斎』『而妙斎』と3代に渡り・・・まさに、戦前期・戦後復興期・現代という時代を生き抜いた陶家です。


それが故に、作品数も多く、また作調も変遷がみられるのが特徴です。


その中でも一番の円熟期の作品がこちらです。



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【永楽即全 仁清黒扇面 茶碗】


幅   12.9cm

高さ  8.1cm 

高台径 5.1cm


製作年代 昭和30(1955)~40(1965)年頃


共箱  即中斎 書付



仁清黒、は野々村仁清の頃より存在し、永楽家では明治期の『十四代 得全』以降に見られるようになります。

黒、のお茶碗は『樂』が主役であったことが関係してるのかもしれません。


しかし、黒が背景となることで引き立つ、色絵の美、は確かに有り・・・それを表現するのに、従来の色絵よりさらに手間をかける必要があったのです。



全面に書き込まれておりますので、ぐるっと回してみましょう。


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正面の『梅』→『菊』『牡丹』


扇面の中に、金もふんだんに使用して描かれております。


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『富士』→『竹』


次は、内側に参りましょう。


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『菖蒲』です。


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少し回してみますと・・・


『薄』です。 見込みには『松』も見えますね。



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『青海波』です。


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仁清黒、というのは、通常の仁清写しの釉薬の後に、上絵付として黒色を塗り分けていくことになります。

クリーム色の仁清釉を残しつつ、絵付けにもかからないようにするので失敗は許されません。(^^;


さらに、仁清写より絵付けの色彩と配置のバランスが問われますので、事前のデザイン画の重要性も高くなります。


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高台部です。


仁清黒の中でも、このような逸品シリーズは、若干土の分量が多めで手にしたときの重厚な感じのことが多いように思います。



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2重箱になります。


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共箱部分です。この作品は最初から書付ありきでの特注作品ですので、甲書きの題字はありません。


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即中斎の昭和30年代の筆になります。


約60年ほど前の作品ですが、このスカッとした綺麗さは時代を感じさせません。


永楽即全の中でも、明治や大正のきれいさから、戦後現代への発展が進むにつれ、人が目にする新しいもの、綺麗なモノ、への感覚が移り行く中で、完成させた『色絵美』がこの作品なのです。


こののち、即全はこの技法・感覚を元にして『源氏物語』をテーマとした集大成へと、向かうことになるのです。


※ご成約済みです。




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2021年12月・・・下旬の新入荷情報 [新入荷]

先月下旬の新入荷作品は、撮影の時間(カメラも)が無かったので・・・・画像をお届け出来ないままでした。

本日、ベースが入居させていただいております、南美さんのカメラをお借りして撮影しましたので、ちょこっと。

2021年12月19日~21日の新入荷より。



◎江戸後期 仁阿弥道八 唐津写片口 茶碗 七代極め箱 銘 「庵の友」有隣斎箱


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シンプルな、作品ですがなかなかの味わいです。元は片口小鉢の生まれと思われます。

極め箱と、書付により茶碗として扱われております。

※ご成約済みです。



◎文化8(1811)~天保5(1834)年 樂 了入 柏皿 (向付) 【5客】


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これは、これまで見てきた柏皿の中でも「最上手」かもしれません。

1客は、隠居印に加えて・・・了入の彫り銘も有ります。




◎永楽即全 仁清黒扇面 茶碗 即中斎箱


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むっちゃ、久しぶりに即全作品を入手しました。

この書き込みと、絵付けの良さ・・そして仁清黒で締め上げる感じがたまらないのです☆


※ご成約済みです。


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