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【2022年7月】新入荷情報&スケジュールです。 [新入荷]

【7月25日更新 スケジュール追記】



☆6月末からの新入荷情報です☆


続々、新入荷続いております!




◎ 高麗青磁 茶碗

⇒商談中です。



◎江戸前期頃 尾張藩窯 御深井焼 蔓付 茶入 小堀宗慶 箱


※ご成約済みです。



◎江戸後期 三代 豊楽焼 萩釉 鉢 直し有


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萩釉、というより・・・『鵜の斑釉』です。瀬戸釉の窯変で生まれるとてもやわらかで上品な色合いなのです。


※ご成約済みです。


◎明時代 交趾 蓮 香合 原尚庵旧蔵

交趾蓮 香合 (5)-2.JPG


※ご成約済みです。




◎明時代末期 芙蓉手 兜鉢

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大変、素晴らしい上がりです! 意匠もけっこう珍しいのです。


※ご成約済みです。



◎大西清右衛門(浄中) 朝鮮風炉 真形切合釜 即中斎 箱


浄中 朝鮮風炉釜 (1)-2.JPG


お客様からのお預かり品です。堂々とした作品です。

丁寧にお使いになられております。 窯の内側は漆と鳴りの修繕を施しましたので、これから永らくお使いいただけます。


※売却済みです。


◎昭和8(1933)年頃 河井寛次郎 海鼠 六方皿


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釉薬の美しさに、惹かれました。


※ご成約済みです。


◎初代 諏訪蘇山 青磁袴腰 大香炉 銀穂屋添


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大きい!のです。幅は14.5cm有ります。


※売却済みです。


◎村瀬治兵衛 独楽 銘々盆 【10客】


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※売却済みです。



◎二代 眞葛香山 仁清意雉 香合

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◎大垣昌訓 柿 香合


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質感、抜群です。 内梨子地です。


※ご成約済みです。



◎坂田泥華 萩灰被 瓢花入

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個展作品です。程よい小ささ、なのです。


※ご成約済みです。



◎SONY  ラジカセ CF-1980

こちらは・・・あまり、触れないでください。出来心です。(^^;

※ご成約済みです。



◎九代 中川浄益 南鐐 小皿 【10枚】

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幅 9.2cmのちいさな、お皿です。 浄益の花押も刻印されております。


※ご成約済みです。


◎北出塔次郎 色絵瓢更紗図 小向 【10客】

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なかなか、のお洒落な器・・・なのです。



◎春秋時代 青銅 鏃(やじり) 【3点】


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約、2500年前(!)のアイテムです。 ちいさくて・・・エッジが効いたフォルムがかわいカッコいいのです☆


※売却済みです。



◎永楽妙全 染付麦藁四方 向付 【9客】


妙全 麦藁向付9 (1)-2.JPG

お得な、九客揃いです。

昨今、値上がりしてしまいましたので・・・[あせあせ(飛び散る汗)]


※売却済みです。



◎鈴木表朔 花籠蒔絵 黒中棗 鵬雲斎 箱

表朔 花籠蒔絵中棗 (3)-2.JPG


※ご成約済みです。



◎九代 大樋長左衛門 掛分数印 平茶碗 『水月』 即中斎 箱

大樋 掛分平茶碗 即中斎 (3)-2.JPG


出来映え、良しです。数印です。

※売却済みです。


◎平澤九朗 瀬戸一重口 水指 六十七翁

九朗 瀬戸一重口水指 (5)-2.JPG

久々に、出ました。形状・釉調、申し分なし。しかも共箱です。




◎中山胡民 小倉山 硯箱 狩野栄信 画

胡民 硯箱 (7)-2.JPG


※御成約済みです。




◎古染付 唄 向付 【五客】


古染付 向付 (3)-2.JPG


上がり、も状態、も最高のものです。

ようやく、手に入れることが出来ました。近年では古染付全般の値上がりが続いております。


※ご成約済みです。


◎眞葛長造 模礼寶三嶌 馬上盃 共箱 香斎極め外箱

長造 三嶋馬上杯 (5)-2.JPG


※御成約済みです。



◎堂本印象 額 春陽 堂本尚郎極めシール


やや、小さ目の額です。 価格はかわいいものです☆


※ご成約済みです。



◎文政元(1818)年 萬古焼 萩写 数茶碗 【10客】

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大変、珍しいものです。作品としても良く・・・今の時代の各服点の濃茶にも最適です。

※ご成約済みです。


◎大正時代 川合漆仙 倣交趾臺牛 香合


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※ご成約済みです。


◎幕末期 平澤九朗 瀬戸筒 茶碗 銘 小槌 即中斎 箱

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九朗にしてはめずらしく端正極まりない、お茶碗です。

その半筒形状からの銘でしょうか?


※御成約済みです。


◎長岡空味 古代手 大海茶入 共・十二代極め箱

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これは、珍しい上に・・・なかなか良い作品です。

古楽山の釉薬を模したものです。


※ご成約済みです。


◎明治時代 永楽和全(菊谷焼) 団扇形 蓋物 共箱・即全極め箱


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これまた珍しい(このフレーズ、何度目でしょうか[あせあせ(飛び散る汗)])、菊谷焼で焼かれた喰籠です。

団扇形なのもお洒落です。


※ご成約済みです。



◎昭和後期頃 二代 湯浅華暁 桐竹真塗 大棗 而妙斎 箱

華暁 桐竹大棗 (3)-2.JPG


蒔絵の意匠がとても上品です。内側にも『霞』の蒔絵紋様が散りばめられており・・・お洒落なのです。




◎江戸中期頃 任土斎 朱釉 黒茶碗 『稲づま』 不仙斎 箱

任土斎 黒茶碗 (4)-2.JPG

朱釉がとても綺麗に発色した、玉水焼です。直しが1か所と小ほつれがありますが、お茶碗の魅力と希少性が遙かに上回ります。

※売却済みです。


◎幕末期 堀内不識斎 茶杓二本入『松風』『村雨』

不識斎 茶杓 (5)-2.JPG


※ご成約済みです。


◎明治初期頃 三代 五十嵐信平 古曽部焼 兎香合 惺斎 箱

古曽部焼 兎香合 (3)-2.JPG

遠州七窯に数えられる古曽部焼ですが、それはあくまで遠州が好きそうな?やきものの窯であることからの幕末期のカウントとされます。

うつわ系や茶碗などが多いのですが、香合はとても珍しいです。

野兎のようで、かわいいですよ。




◎村瀬玄之 青漆爪紅亀甲 銘々菓子器 【10枚】

玄之 銘々盆 (4)-2.JPG

これまた・・・(自粛)、裏面までおしゃれなのです。張貫師として知られる名古屋の名工です。

※売却済みです。



◎大正~昭和初期頃 永楽正全 黄交趾 百合鉢

正全 百合鉢 (6)-2.JPG

マイブーム、の小ぶりの鉢シリーズです。この頃の黄交趾の落ち着きのある色がとても良いのです。


※ご成約済みです。


◎加藤鈔 黄瀬戸 茶碗 個展出展作

加藤〓 黄瀬戸茶碗 (3)-2.JPG




◎加藤鈔 黒織部 茶碗 個展出展作

加藤〓 黒織部茶碗 (2)-2.JPG





◎永楽即全 乾山写兎草花 平茶碗 鵬雲斎 箱

即全 兎草花平茶碗 (4)-2.JPG

秋にも、そして来年にも☆ お値打ち価格でしょう。

※ご成約済みです。



◎昭和47(1972)年 大仲翠月 達磨 蓋置 七十九翁

翠月 達磨蓋置 (2)-2.JPG

宝漆陶、やきものに蒔絵を施すことで名を馳せた初代の翠月晩年の漆遊びです。

三つ人形・・・でもないのです。


※ご成約済みです。


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『ベース』は、催事も、新入荷も、多くて…それらをさばくので手一杯の状態です。[冷や汗2]

出張が多いのも…時間が足りない要因ではありますが。


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展示台のひとつは、仕立て済みの新入荷ストック場になっております。


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『豊楽』『九朗』『任土斎』


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『寛次郎』『浄益』



7月のスケジュールです。


  2(土)3(日) 『東美正札会 70周年記念』 @ 東京美術倶楽部

5(火) ベース搬入&外回り

  6 大阪南美術会館 オークション
  7 大阪美術倶楽部 オークション

    午後~ベース営業日

  9~11 名古屋 オークション出張

12  ベース営業日
13 ベース営業日(午前のみ)


  13~14 京都美術倶楽部 オークション 出張

  15(金) ベース営業日

  19 大阪美術倶楽部 オークション
  20 名古屋美術倶楽部 オークション
  21 京都美術倶楽部 オークション

  24(日) ベース営業日 

  26(火) ベース営業日
10時 ご予約(外) 16時 ご予約有

  27(水) ベース営業日
10時半~ご予約有 午後 ×

  28(木) ベース営業日 ご予約有り×

  30(土)31(日)『大美正札会』 
@大阪美術倶楽部


◎来月の予告

8月3(水)~9(火)『はんなり骨董樂市』 @東京日本橋 丸善書店3階ギャラリー

17日 ベース営業日
18日 ベース営業日
19日 ベース営業日 ×予定有り

~名古屋・京都 美術倶楽部オークション出張

22日 ベース営業日

25日 ベース営業日 ×予定有り
26日 ベース営業日
27日 ベース営業日

28~29 金沢美術倶楽部オークション出張

9月2日~4日 『大美特別展』
~香山式4 『遊・華・祭』







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【永楽和全(菊谷焼) 団扇形 蓋物】 [幕末京焼]

永樂和全といえば、激動の江戸から明治への過渡期に、京焼の中心にて活躍した陶工であり、それは近年でいわれるところの・・・『千家十職』という茶道具製作家としてでの『枠』ではなく『京焼』を代表する立ち位置であったのです。

その製作時期は以下のように4期に分類出来ます。

京焼の代表格でありながら・・・明治維新の苦節の中で、京都以外へ招聘され、腕を振るい続けた人生であったことがうかがえます。



【御室窯】時代 嘉永6(1853)~慶応2(1866)年

仁清窯跡の地に、永樂家初の本窯を持つに至る。義弟の宗三郎と共に活動。


【九谷窯】時代 慶応2(1866)~明治3(1870)年

大聖寺にて、金襴手や赤絵を中心とした磁器製作技法の改良に招聘される。


~帰京、姓を『永樂』に改姓。明治4年に善一郎を名乗り家督を得全に譲る。



【岡崎窯】時代 明治5(1872)~明治10(1877)年


赤絵の技術を伝える為だといわれますが、良質な作品の製作に及ばず、また永樂家自身の困窮の時代でもありました。

~帰京時代 油小路一条に居す。


【菊谷窯】時代 明治15(1882)~明治29(1896)年

東山高台寺近くに移転し、新たに開窯。



和全の特徴といえば、金襴手磁器と侘びた仁清・菊谷につきます。


特に、晩年の『菊谷焼』にはみるべきものが多いと感じるのです。


そんな、希少な菊谷焼の中でも・・珍しい一品です。



菊谷焼 団扇蓋物 (5)-1.JPG


【永楽和全(菊谷焼) 団扇形 蓋物】


幅    16.4cm 

高さ   7.8cm

高台径  8.7cm

製作年代 明治15(1882)~29(1896)年頃

共箱 永樂即全極め外箱




菊谷焼は、下河原町鷲尾街にて、和全が居と共に築いた窯です。


岡崎より帰京後は、三井家との交流が深まり・・・永樂家の困窮状態から脱したようです。


明治16年頃より耳が遠くなった和全に『三井高朗』が『耳聾軒目通』の号を送られております。

この頃、再び三井家の注文による製作が多くなります。


菊谷焼 団扇蓋物 (6)-1.JPG


円形の喰籠(蓋物)です。


菊谷焼 団扇蓋物 (11)-1.JPG


片口のようになってる部分は、実は意匠です。


菊谷焼 団扇蓋物 (8)-1.JPG


真上から見ると・・・『団扇』です。


描かれているのは・・・尾形光琳の描いた紋様でいうところの、『光琳菊』です。


菊谷焼 団扇蓋物 (13)-1.JPG


光琳菊は万寿菊、饅頭菊ともいい、菊の花を饅頭のように丸い形に簡略化して描いたものです。

別名として長寿を意味する「万寿」を呼ばれます。


菊谷焼 団扇蓋物 (12)-1.JPG



連日、夏のうだるような暑さが続いております・・旧暦ではまだ6月、『水無月』です。

やはり旧暦の方がしっくりきますね。(^^;

団扇は、まだまだ必要な気候です。



菊谷焼 団扇蓋物 (9)-1.JPG


外の荒い味わいに対して、内側は白く綺麗に仕上がっており、お菓子等が映えるようになっております。


菊谷焼 団扇蓋物 (10)-1.JPG


菊谷焼に押される、『菊谷 (繭印)』は『三井高福』の書といわれております。

菊谷焼そのものの、誕生とコンセプトには三井家の関与が大いにあったことと推察されております。


それ故にか、茶碗などよりも・・・懐石道具に類するものが中心に製作されていた節、がございます。


菊谷焼 団扇蓋物 (4)-1.JPG


共箱


菊谷焼 団扇蓋物 (2)-1.JPG

菊谷焼 団扇蓋物 (3)-1.JPG


極め外箱は、16代の即全によるものです。

菊谷焼は、三井家を中心とし顧客層を限定して伝世していたようで・・・かなり珍重されるやきものでありました。

それが関係しているのでしょうか、かつては現在ほどは作品を目にすることも、共箱もあまり知られておらず・・・即全時代に、世に出る際には極め箱を作られたケースが多くなっております。


菊谷焼 団扇蓋物 (5)-1.JPG


菊谷焼の特徴である、荒い胎土に乾山・光琳を強く意識した意匠を、民芸風との絶妙な境目を漂いつつ・・・あくまで、京焼の雅さを忘れない、という作風は見る者に等しく好感をもたらします。



旧暦7月は、2022年の新暦では7月29日~8月26日にあたります。

文月(ふづき、ふみづき)と呼ばれ・・・7月7日(今年の新暦では8月4日です。)の七夕に詩歌を献じたり、書物を夜風に曝したりする風習があるからと伝わります。

七夕の行事は奈良時代に中国から伝わったもので元来の日本のものではなく、その月の名の由来としては稲の穂を含む月(8月末~9月)であることから「含み月」「穂含み月」(ふみづき)となったのでは?とも云われるようです。


『七夕に、団扇を仰ぎながら・・・文に興じ、菊の花が見えだす時節』・・と旧暦だとバッチリな意匠なのです。


古代中国で生まれ、7世紀頃から日本で使われていた『太陽太陰暦』(旧暦)は改良が続けられ・・・天保15年からは『天保暦』が普及しておりました。

明治6年には海外を意識して、準備期間もなく・・いきなり、『グレゴリオ暦』(新暦)に移行されてしまうのです。

人々の感覚、そして実際の気候も含めて、やはり日本人には旧暦が合ってるような気がしてなりません。

お道具、はその生まれた『時代背景』も一緒に考えると、また一興なのです。




(私も今年から『旧暦カレンダー』なるものを使っておりますが、なかなか勉強になって面白いですよ☆)



※ご成約済みです。



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【平澤九朗 瀬戸一重口 水指】 六十七翁

『藤井香雲堂 好み物集』・・・などというものがあるならば、外せないのが『平澤九朗』です。


九朗は、禄高400石の尾張徳川家の藩士でした。

御目付、美濃高須藩 番頭等を歴任したあと・・・文化11(1814)年に隠居し、茶の湯と作陶に没頭します。

有楽流の茶を嗜み、名古屋市内の『養老園』に『今昔庵』『舊庵』(きゅうあん)と名付けた茶室にて茶事を愉しむ一方、作陶用の窯も築いておりました。

知己の茶人の用に応えた作品を多く送り出し、その人気から『九朗焼』として珍重されることとなるのです。

(それには、加藤春岱の存在も欠かせないのですが・・・それはまた、別のお話です。)

その実力は高く評価され、徳川斎荘公率いる『御深井焼』にも深く携わりました。


九朗の代表作のひとつ、がこの『一重口水指』です。



九朗 瀬戸一重口水指 (5)-1.JPG



【平澤九朗 瀬戸一重口 水指】



幅  15.3cm

高さ 14.9cm

製作年代 天保8(1838)年頃

共箱 六十七翁 




『瀬戸』というのは『六古窯』の中でも筆頭に挙げられる窯です。


平安・鎌倉より現代まで継続している窯を、『六古窯』と称されており・・・瀬戸は鎌倉時代に北条家の庇護の元、高級なやきものとして扱われてきました。


中世では、唯一の『施釉』のやきものであるのも特徴です。


『国内施釉水指の原点』として基本の水指となっているのが『瀬戸一重口水指』なのです。

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九朗水指の中でも、非常に端正な上がり、となっております。

瀬戸の釉薬は、酸化鉄の割合や焼成温度により、様々な顔を魅せるのです。


九朗 瀬戸一重口水指 (7)-1.JPG


こちらは、反対側の景色です。


九朗 瀬戸一重口水指 (8)-1.JPG


口造りです。


塗蓋、は後年に作り直されております。


九朗 瀬戸一重口水指 (9)-1.JPG


内側もしっかり造られておりますね。


九朗 瀬戸一重口水指 (10)-1.JPG


『く』の箆による銘です。


九朗の本名は『一貞』といい、通称として『清九朗』と呼ばれておりました。

作陶の号が、『九朗』なのです。


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共箱 (甲)


九朗 瀬戸一重口水指 (3)-1.JPG


共箱 (裏)


六十七翁、と記されておりますので、天保8年頃というのが分かります。


1838年・・・『大塩平八郎の乱』が起こった年で、のちの徳川家最後の将軍となった・・・『一橋慶喜』が生まれた年でもあります。


比較的、永らく平穏であった…江戸時代にも暗雲が垂れ込めてきた時代背景でありました。



九朗 瀬戸一重口水指 (5)-1.JPG



裏千家流では、行台子に必ず使われる水指でもあります。

『運び』の水指として・・・『置き』にも『棚』にも合わせやすい水指なのです。






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【眞葛長造 模礼寶三嶌 馬上盃】 共箱 香斎極め外箱 [幕末京焼]

『長造』の酒器は久しぶりかもしれません。


しかも、時代の主流に反して?たっぷりサイズの盃。

これは、『飾り応え』も『呑み応え』もばっちりの作品です。


では、ご紹介致しましょう。


長造 三嶋馬上杯 (5)-1.JPG



【眞葛長造 模礼寶三嶌 馬上盃】


幅  8.2cm 

高さ 6.5cm

製作年代 1800年代前半頃

共箱 香斎極め外箱





『礼寶三嶌』(れいひんみしま)を模して造られております。


朝鮮半島へ日本の使いとして渡った際に、朝廷への献上物として賜った器物に礼寶三嶌があります。

そういうものですから、大変上質なやきものであったうようです。


長造 三嶋馬上杯 (6)-1.JPG



長造 三嶋馬上杯 (7)-1.JPG


茶碗等が多い礼寶三嶌を盃として作品に落とし込んでおります。


長造 三嶋馬上杯 (8)-1.JPG

白土にて緻密な象嵌が為されております。


この頃・・・他の京焼名工たちも、三島に挑戦しておりますが、やはりそれぞれの個性というものは出るもので。

見慣れてきますと、区別が付いて参ります。

長造のは、やはり元が仁清等の艶やかなものが中心であったせいか・・・侘びの中に綺麗なすっきりな印象があるような気がするのです。


長造 三嶋馬上杯 (9)-1.JPG

サイズがたっぷりなのですが、『持ち手』もしっかり作られており・・・また、絶妙な重量感にて、置いてもしっかり安定します。


長造 三嶋馬上杯 (10)-1.JPG


後期になると、印は高台内に押される事も多いのですが・・・長造の初期作品であるこれには、ちょっと凝った『ひねり』がございます。


長造 三嶋馬上杯 (11)-1.JPG


見えにくいのですが、高台脇に・・・象嵌にて、印があるのです!


仁阿弥なんかが、よくやる手法ですね。


長造 三嶋馬上杯 (3)-1.JPG


長造が独自に開窯して、製作し始めた初期の作品です。


長造 三嶋馬上杯 (4)-1.JPG


長造 三嶋馬上杯 (2)-1.JPG

共箱の他に、5代目の京都 真葛香斎の極め外箱も添います。


長造 三嶋馬上杯 (5)-1.JPG


『馬』は、江戸時代迄は・・・今でいうとことの『車』と同じく、男性のあこがれのアイテムです。

馬上杯茶碗は、実際に馬上で喫する為に生まれたものですが・・・盃は、その形状自体を愉しんだり、馬への想いを募らせて大いに語ったり、したのでしょう。


その形状は、奇しくも・・・長造が世を去った数年後に訪れる、『明治』の世で…日本でも、広まっていく『ワイン』等の洋酒のうつわとして、馴染まれていくフォルムなのです。


馬上杯としては縦横比がおかしく、『盃としての用』を狙って作られた作品が、新時代への流れに合致したというのも、面白い、のです。





眞葛長造 

寛政9年(1797)~万延元年(1860)

青木木米の弟子で後、真葛ヶ原にて窯を開く。観勝寺安井門跡より「真葛」の号を賜り晩年華頂宮より「香山」の号を頂く。

江戸後期において仁清・乾山の再来というべき京焼伝統の継承者であり、特に藁灰釉によるといわれる独特の風合は長造特有であり、雅味溢れる作風で京焼の代表格の一端を担う。

眞葛焼の祖。



※御成約済みです。


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【抱桶 水指】 [茶道具]

新暦の7月・・・ちょっとまだ梅雨?というような雨も挟みつつ・・・大変湿度・気温の高い日が続いております。旧暦では、未だ『水無月』です。


2022年は6月29日~7月28日が水無月の旧暦6月にあたります。


水無月の『無』は『の』を指しまして、『水の月』という意味にもあたるようです。


田植えの時期でもあり・・・『水』というのもが様々なものに命を与え、また様々なことが生み出され、始まる・・・という風に感じられるものなのです。

とはいえ、実際の気候としては、梅雨が終わって日照りが続いて『水が無いな~』というシンプルな感じ方も、またしかり、ですね。(^^;


今回、ご紹介するお道具ですが、『水』をとても感じられるものです。



抱桶水指 (10)-1.JPG


【抱桶 水指】


幅  16.5cm

高さ 19.5cm

製作年代 江戸時代後期頃





抱桶・・・『だきおけ』と読みます。



抱桶というものは、水を入れて手許に置い暑さをしのぐために、抱いたものであるといいます。

確かに、涼しい感じがします!


本歌・・・・というか、元の有名なものは、『書院茶道』が中心であった、鎌倉時代の足利義政が所持し、転用・使用して台子に合わせたものです。

南蛮毛織で、産地であるインドのムガール帝国の名をモールと訛ったことによるといわれ、染織品の名称であったものでしたが、金属を使用したものでも毛織(モール)と称するようになりました。


この有名なものは、足利義政が所持したものと伝えられ、のちに三条西実隆が藪内宗把にこれを譲り、その後、子が居なかった為、利休へと伝わります。

利休から再び藪内家の剣仲が引き継ぎ、燕庵名物として六代比老斎まで伝来したが、西本願寺文如上人に贈られ、以後は本願寺に伝えらましたが、のちに売り立てにより世に出てしまうことになりました。


さて・・その後、『草庵茶』へと移行し、台子中心から変化を遂げていった茶道の中で、抱桶水指は『涼』を感じさせるお道具として、マニアックながらも伝わり続けたのです。


抱桶水指 (4)-1.JPG

『モール』のお道具らしく、『打ち出し』により丁寧に形成されております。


抱桶水指 (5)-1.JPG


ディティールも、非常に端正に。


抱桶水指 (6)-1.JPG


蓋との合口もしっかりしており、軽やかながらも『ぴっちり』、合体します。


抱桶水指 (7)-1.JPG


状態は、大変良い方です。


抱桶水指 (9)-1.JPG


底部です。


抱桶水指 (1)-1.JPG

伝世箱


抱桶水指 (2)-1.JPG




古代中国の端を発するの『五行説』というものがあります。

『相生』と『相剋』という二つ関係性があり・・・よく『相性がいい』といいますが、それは五行『相生』のことです。


『五行相性』をみてまいりましょう。


◎『木生火』(木は火を生ず)

木が燃えて火となり、木と木が擦り合わされて火となって燃えさかるという関係 (木→火)


◎『火生土』(火は土を生ず)

火が燃えたあとには必ず灰が残る。灰とはすなわち土のことです。
漢民族 が住みついた黄河流域は、文字通り一面の黄土と黄塵と黄色の濁流です。その黄土とグレイの灰とを同一視し、灰を土と考えたのです。(火→土)



◎『土生金』(土は金を生ず)

土が集まって山となり、山から鉱物(金属)が産出するという関係 (土→金)


◎『金生水』(金は水を生ず)

鉱物(金属)は腐蝕して水に帰り、また溶融すれば液体(水)になるという関係 (金→水)


◎水は木を生ず 『水生木』(水は木を生ず)

水を養分として木が生育する姿を示す (水→木)




この中からも、『金属』と『水』というのは深い関係にあり、相性がいいものなのです。


抱桶水指 (3)-1.JPG



古(いにしえ)、の見立て道具というのも、深い意味も含めて大切に使われてきたものなのでしょう。


7月7日の『小暑』も過ぎ、『暑中』になりました。


涼しげなお道具にて、『暑中見舞い』申し上げます☆


※ご成約済みです。


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70周年・東美正札会開催中です! [催事]

初日、多数のご来場を頂き・・・誠に有難うございました!


お越しになられなかった皆様にも、当店出品エリアのご紹介を致します。
(ご成約済み作品も多数ございますのを、ご了承下さいませ)


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【4階21 壁側】


色々、です。


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特にお勧めは、『三代清水六兵衛 御本茶碗』2種、他に徳利と酒器です。

お預かり中の裏千家お道具も、残り1点となりました。




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【2階 窓側】


2階は、30万以上コーナーです。


九朗の織部向付、古染付中皿、がクオリティも高い上にお値打ち価格となっております。


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明日、最終日 7月3日(日)は閉場が『16時』となっております。ご注意くださいませ。



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東美正札会 70周年記念 2022中元 [催事]


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はい! 準備完了です☆

当店としては・・・70周年記念開催会らしい?お勧め商品を取り揃えました!


出品エリアをお知らせ申し上げます。


【2階】 窓側エリア


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2階は、正札30万円以上コーナーです。

全てが、珍しい!もの。他では見られないもの、を取り揃えました☆


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【4階】 21 壁側エリア


こちらは、書付品のお値打ち品、幕末京焼、食の器を中心に25点、並べております。




私は、10時開場~10時半までは4階にて、11時頃からは2階にて待機しております。

随時、お客様へのご説明や、精算・梱包等で会場を移動し続けておりますので、携帯の方でお呼び出し頂けると幸いです。


では、明日からの2日間どうぞよろしくお願いいたします。




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Journal of FUJII KOUNDO 《問い合わせ先》


       藤井香雲堂
 

TEL 090-8578-5732

MAIL fujii-01@xc4.so-net.ne.jp


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