『求めよ、さらば与えられん』

という言葉がありますが・・・ここ2ケ月、いえ1ケ月の間にこれまで扱いたいと思ってたものがえらい勢いで入ってきてます。

さすがに、このペースだと困ります。(^^;

なので、どしどしご紹介を続けます。




永楽和全 御室初窯 手桶水指 共箱・当代極箱


和全の珍しい作品です。

仁清風の、造形的な手桶で・・・よく見るとなかなかの造り込みです。



見事なものです。



この作品は和全の作品の中でも特に稀少かつ出来のいい御室窯時代です。

義弟宗三郎の所有地に新しく窯を築いたところ、仁清印のある陶片が大量に出土したことから野々村仁清の窯跡地であったと判明したということです。

しかし、永楽が初めて自前の本窯を開くということ、仁清以来衰退していた御室窯の復興、仁阿寺の御用窯としての需要など様々な目論見から、計画的な立地であると考えられております。



この作品は御室窯の初窯にて焼かれた作品です。

共箱と作品に初窯の印がございます。



初窯は嘉永六年(1853年)の仲秋(陰暦8月)でその当初よりレベルの高い作品が製作されておりました。

伝世では、初窯では磁器作品が多くこのように陶器でしかも手の込んだ物は後の作品も含めて稀少な佳品であると思われます。



形状に合わせて凝った塗蓋(掻き合わせ塗)が沿っております。



共箱と2重箱として当代の極め箱がございます。


御室窯が明治3年(1870年)まで続きました。


次回も御室窯時代の和全作品の御紹介です。


※売却済みです。