当店では、これまでも数点取り扱いました、九朗の水指です。

今回珍しいのは、淡々斎の箱書きが添っていることです。




初代 平澤九朗 瀬戸 一重口水指 淡々斎書付

九朗の瀬戸釉はなかなかに秀逸で、初代と2代と共に一重口水指を定番作品として製作されております。



アングルを変えて。



内側を覗いてみましょう。



『く』の彫銘




共箱が現存します。



このような感じで・・・・



屋牢蓋の書付蓋が添います。

『九朗作』としっかり書かれておりますのも、この時代では珍しいです。




近代の塗蓋が添ってる場合は、景色のあるところを正面に取られることが多いのですが、九朗水指の時代蓋の場合は、景色のあるところをやや斜めにされる傾向がございます。

客付、の方に見所を持ってくるという事なのでしょう。



初代九朗作の水指でも佳品の部類に入ります。

幅 14.8~16.2㎝ 口径14.1㎝ 高さ15㎝




平澤九朗

安永元年~天保11年(1772~1840)

尾張藩士で屋敷内に窯を築き本格的に作陶。有楽流の茶人で識見に富んだ教養人でもあった。
古瀬戸釉を得意とし、志野・織部の手法・釉料を自由に使いこなし、会心の作のみ同好の士に贈るを常とした。その作品は評価が高く、当時より九朗焼として珍重され、尾張の余技作家の中では最も有名。


※売却済みです。