珍しい茶杓が2本入りましたので、ご紹介いたします。

まずは・・・名古屋の金工茶道具作家である、長谷川一望斎作品です。



南鐐で出来ております。

このフォルム、凄いですよ。

単に茶杓を金属で製作したということではなく、金属でしか無しえないフォルムを生み出しております。



櫂先のやわらかい、抹茶をすくい易い形状、そして緊張感のある杓部分は名称の通り・・・”糸”のようです。

そして、重量のバランスが絶妙に取られており、もの凄く持ちやすいのです!


長谷川一望斎

初代は江戸後期に長屋尾張藩で活躍した金工師・長谷川青龍斎の次男として生まれ、一望斎として別家したのが、長谷川一望斎の始まりといわれています。
現在では、2代の次男竹次郎が3代一望斎を襲名し、活躍しています。
茶道具はもちろんのこと、現代茶道に合わせた斬新な作品を制作しています。
略歴
初代 一望斎(春江)
2代  一望斎(春泉)
3代  一望斎(春洸)


この茶杓は3代の作になります。



銘は自由にどうぞ、とのことです。しかし敢えて・・・無地のまま使いたいですね。

『何物にもならず、何物にもなる』、という心で。


この”餝師(かざりし)”という名乗り方に誇りを感じます。


最初はあっさりした風炉用の茶盌に合わせるのが良いかと思ってましたが、なかなかどうして、風格のある古いお茶盌にも合うではないですか。


お楽しみ方の幅が広がる茶杓です。