永楽善五郎の向付のご紹介です。



古染付で有名な本歌の写しです。

幕末の和全作品では、見受けられましたが明治以降の永樂では数は多くありません。



四方形ですが、隅切となりへこますことと、茶色の窯変の釉薬により意匠にアクセントがあり、染付といいつつも色絵物にも負けない愉しみが込められております。



基本的には染付ですので、盛り付ける食材の邪魔をせず、双方が引き立て合うことでしょう。



いわゆる、『古染付』は明時代末期に中国の明窯にて焼かれた作品です。

官窯とは違う、自由な作風や、虫喰いなどにも見られるように焼成の失敗のような部分も含めて魅力として古来より茶人に好まれてきました。

牛の図は、十牛図(じゅうぎゅうず)というものが有名です。

悟りにいたる10の段階を10枚の図と詩で表したもので、「真の自己」が牛の姿で表されているものです。
作者は、中国北宋時代の臨済宗楊岐派の禅僧・廓庵(かくあん)で、それ以降に牛の図案が広まったようです。




スカッとした上がりとなっております。

永樂妙全(1852年 - 1927年10月1日)

京都の女性陶芸家。本名は悠。夫は永樂得全(14代 土風炉師・善五郎)

後の正全と協力し、永楽家を支え優品を多数世に送り出した。当時の注文品により、食の器が一番多い代としても知られます。

※ご成約済