保全さんの珍しい作品が入りました。



アイテムとしては、黄交趾の銘々皿でよく永楽さんで見かけるものではありますが・・・保全作のは見かけないものです。



交趾、といわずに黄薬と書かれております。

この頃、保全は交趾型物香合などで黄色を使っておりました。

今のような澄んだ黄色でないことが、古作の風合いを思い起こさせます。



保全の善五郎時代の作品となり、偕楽園にて永楽印を受領した文政10年(1827)~天保14年(1843)の作と特定できます。

永楽家の長年のパトロンでありました三井の記念美術館には、保全の善五郎時代の作品は14点現存しております。

その中に、この作品と同様の物が御座います。(但し、三井家のは二十枚入)





軟質の陶胎で、三カ所の尖がったピンのようなもので支えて焼成されたようです。


保全の初期交趾焼の特徴的な作品になります。

その後、技術が上がったあとの黄交趾は、当ブログの過去に黄南京焼の酒盃でご紹介しておりますので、ご参照下さいませ。


※ご成約済です。