様々な釉薬の研究をし、自在にこなしておりました初代香山ですが、納得出来る青磁釉を完成させたのは明治も末頃のことでした。

大正5年に初代が没して、二代へ継承されたあとの眞葛窯ではさらに青磁は洗練されていき、中国のやきものの写しであった青磁とは違う上品な世界を構築していきます。

今回、青磁釉と造形作品とが融合した優品をご紹介致します。



二代 宮川香山(眞葛香山) 青磁釉漁夫観雲 香炉

大正時代後期

幅24cm×8.3cm 高さ 10.5cm


この、なんともいえないまったりした雰囲気。。



漁夫が、なんともいえない表情で空に浮かぶ雲をのんびり眺めている様です。



編み込んだ屋根(を模している)から布の暖簾のようなものを開けて身を乗り出しております。

一応、香炉ですから、こちらの穴からお香の香りが漂います。





後ろ側より。






火舎の裏側に窯切れが一ヶ所ございます。







顔と笠の部分を無釉とすることで、アクセントをつける効果をもたせながら、ディティールを細やかに再現するという双方を両立させております。

サイズも大きめで、なかなか飾り映えのする作品です#59130;

吉兆庵美術館にも同手作品が所蔵されております。