たまに・・・民藝作品で、心にささる作品があり扱うことがあります。

私自身としては一昨年以来の寛次郎作品になります。



河井寛次郎 櫛目 碗

晩年の筒描きのような派手さはないものの、この中期作品の民藝らしい釉薬とほっこりした形状の中に・・・



掻き落としたこの意匠の、なんと上品なこと。

このわずかな手を加えることでただの民藝が、美術へと変化しているようです。



裏側です。



内側の色調を変えるのも、この時期ならではと思います。



茶溜まりも丁寧に仕上げられております。



高台



共箱


今年に京都国立近代美術館で開催された、『河井寛次郎展 川勝コレクション』の中でも同手の作品が展示されておりました。



1931年頃の作品です。

近代工芸ファンや民藝ファン以外の茶人の方にも愛玩いただきたい作品です。