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【六代 清水六兵衛 イラボ 梅香合】 [近代工芸]

昨日あたりから・・・ここ数日は、暖かい日和が続くようです。

さっそく、「梅の開花」が始まってるというニュースが聞かれてきました。


ということで、「梅」の作品のご初回です。



六代六兵衛 イラボ梅香合 (3)-1.jpg


【六代 清水六兵衛 イラボ 梅香合】


幅 6.5cm  高さ3.2 cm

製作年代 1950~60年代頃


戦前の、西日本の巨匠といえば・・・『五代 清水六兵衛』です。


『東の波山、西の六兵衛』と称されたほどです。


そういった、先代から「代」を継承するのはとても大変なことであり・・・

ましてや、『六兵衛家』といえば、京焼の於いては、江戸の中後期から続く名門です。

名が知られる名工たちは多数居れど、続いてる窯元・・・というのは、京都の長い歴史の中でも稀有な存在であります。

18代目を数える『永楽善五郎』は、元は奈良が発祥で、堺を経て京都へ移り『了全』からです。



『竹内栖鳳』『山本春擧』などといった、京都画壇から日本画を学んだ六代六兵衛ですが、が・・・、兵役を経た後の大正14年から、五代に師事して製陶全般を学びました。


昭和20(1945)年に『六代 清水六兵衛』を襲名し、様々な新しい釉薬技法を開発しました。


それらは、偉大な五代の古典的な京焼からの、飛躍・・・昭和モダンともいうべき新解釈であったのです。


1947年 唐三彩釉完成。

1953年 新釉を創案、「銹泑」(しゅうよう)

1955年 新焼成法を創案「玄窯」(げんよう)

1971年 六代清水六兵衛「古希記念回顧展」に際して『古希彩』が発表となります。




今回、ご紹介する作品は、「銹泑」(しゅうよう)の技法を使って高麗の『伊羅保』を再解釈したものです。


六代六兵衛 イラボ梅香合 (5)-1.jpg


開花した「槍梅」を見事に表現しております。


梅 開花.jpg

梅.jpg


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内側は金彩です。



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個展の際の貼り紙が残っております。



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『伊羅保』といった、重厚な作風を・・・・絵画的なアプローチと、近代の色彩感覚で新たなモノへと生まれ変わらされております。


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共箱です。


『六代 清水六兵衛』は、晩年までパワフルに突っ走りました。


1972年  勲三等旭日中綬章受章。

1974年 「六代清水六兵衛作陶五十年記念新作展」を開催。

1976年 文化功労者となる。

1978年 東京、京都、大阪、岡山にて「清水六兵衛歴代名陶展」開催。
     
しかし・・・


この東京日本橋の高島屋での歴代展の開会セレモニーで、登壇し挨拶をしてる最中に倒れ、そのまま還らぬ人となってしまったのです・・・。


1978年4月17日のことでした。


没後、「正四位」に叙せられ、「勲二等瑞宝章」が贈られました。


六兵衛は、その後・・・・七代、八代と代は重ねますが、もうかつてのような輝きは失ってしまったのです。

名門陶家、の継承とはいかに難しいか、ということでしょう。。



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