今年前半に、二代正木焼の俵茶碗(立ち俵でした。)のご紹介を致しましたが、今回は初代の横俵の茶碗です☆




【正木惣三郎 正木焼 黄瀬戸俵茶碗】


幅   13×12.1㎝ 

高さ  8㎝

高台径 4.5㎝

時代  19世紀前半

箱   春仙極め箱



少し、前回とご説明が重複する部分がございますがご容赦下さいませ。(^-^;



”古事記”の中で語られているお話に、”スサノオノミコト”の娘を娶ろうとした”大国主命”が課せられた困難なミッションで、危機に瀕した大国主命を助けたのが”鼠さん”でありました。

それにより大黒主命は”須勢理毘売(スセリヒメ)”と結ばれ、出雲の国を造ることにつながります。

大国主命=大黒天 、大黒天は本来はヒンドゥー教の主神であるシヴァ神の化身マハー・カーラに起原をもち日本に伝わったのですが、そして、大黒=大穀 ということにもつながり、五穀豊穣である俵とのセットで福徳の神として知られるようになりました。

そして、鼠も本来のお話まで語らずとも、子孫繁栄の象徴にもたとえられ、俵に乗った大黒天と傍に控える鼠というイメージが定着したわけです。





今回の茶碗は、非常にがっちりと作られております。



俵としてのほっこりさ、と米がぎっちり詰まっている様を手に取った時に感じられることでしょう。






正面はタンパンのある方として、180度回してお茶を頂くと・・・



『福』の彫り字がちょうど見えるようになるのです。


そして、拝見を。





よーく、ご覧下さいませ。

銘、もございますが。。。





なんと、高台内に鼠が一匹潜んでいるのです☆


造形ものの香合などを得意とする正木焼らしい、お遊びですね。


「正木焼」(まさきやき)

尾張藩士であった正木惣三郎と 伊織の親子による陶器である。

初代正木焼の 惣三郎(1801~1850)は天保13年に父の禄を継ぎ二百石取りとな り、後に六左衛門と改めた。

勤仕の余暇に作陶 を行い、その製品は黄瀬戸が多く人物を配した 香合等を最も得意とした。

瀬戸窯または名古屋城傍の御深 井窯で焼かせたといわれます。

平澤九朗に陶技を学び、のちにはその腕を見込まれ・・・御深井焼にも従事致しました。

嘉永三年に五十歳で没し 、正木焼は二代目へと受け継がれます。




箱の蓋(甲)



箱の蓋(裏)




2重箱です。





こんなのも付随しておりました。


※ご成約済みです。


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