懐石道具の中で密かに好きな『アイテム』が有ります。

それが・・・『燗鍋』です。

大きさ、が程よく・・・時代物では、様々な形状や意匠のバリエーション、蓋の合わせ方で変わる見え方等・・・面白いんですね。

なので、ちょこちょこと扱っております。

今回の作品はなかなかカッコいいですよ!






【西村道也 四方燗鍋 古染付蓋添】


幅     17 x 11.9cm

高さ    13.5cm

製作年代  享保年間

箱     大西浄長極め







シャープな四方形ですが、よく見ると・・堅い感じが致しません。

絶妙なフォルムで丸みや反り、を加えることでやさしさとカッコ良さを両立させております。

各部を見てまいりましょう。




上から




『手』は木瓜形です。 手取り釜や釣り釜の弦に見られる形状です。

側面をアップしましょう。



『桐』の地紋が浮き上がって意匠となっております。





蓋は『古染付』です。




州浜形のもので、これを中心として燗鍋作品が製作されております。




蓋裏





内側の状態も良い方です。




底部です。

三つ足となってます。






大西家の13代目、『大西浄長』による極め箱です。記されたのは昭和4(1929)年であることが判ります。


西村道也は、京都の釜師である西村家の三代目です。

千家出入りの釜師で,徳川吉宗時代・・・・表流の6代,原叟(覚々斎)時代に活躍しました。

通称は弥市郎、のちに『弥三右衛門』名を『孝知』といいました。

さらに、『道弥』⇒『道冶』と号が変遷します。

代表作 『鳳凰風炉』『百佗釜』『少庵巴釜』など。

元禄13(1700)年に『釜師之由緒』に茶道の釜師についての様々なことまとめた本を著したことでも知られます。





道也の作風といわれる・・京風の上品、で穏健という雰囲気がこの作品にも如実に出ています。

大きさの大きすぎず、小さすぎずというこころも絶妙なのです。





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