小粒でピリリ、という作品が入りました☆

幕末尾張陶でございます。





【平澤九朗 織部手付小鉢】


幅14.5㎝×15㎝ 高さ13㎝


重量 615.4g

製作年代 天保6(1835)年頃

合わせ箱



九朗は尾張藩士で、屋敷内に窯を築き本格的に作陶。その作品は当時より評価が高く九朗焼として珍重されました。

尾張徳川家の御深井焼にも招聘されるほどで、尾張の余技作家の中では最も有名です。







色調、も造形、もなかなかのものです。


有楽流の茶人でもあり、自身の茶室“今昔庵”で茶の湯を楽しみ、小堀宗中・松尾不俊斎・不蔵庵龍渓などと交流を深めました。故に、茶事などの小間で活きる作品が多い傾向もあります。

この作品も、小間での菓子器としてはもちろん・・・懐石での預け鉢としても、個人の愉しみとしても抜群です。




この作品も年齢を彫り入れる九朗の晩年のシリーズのひとつで、成熟した技が光る小鉢です。




底に「六十三翁」という彫りが入れられることで、製作年代が判別できる作品です。

この作品が作られてから・・5年後の九朗は文政7(1824)年、六十八歳でこの世を去りました。




花生、としても面白いかもしれませんね。



「円熟の技」が垣間見える・・・優品のご紹介でした。





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