『三つ重ね』 

盃や鉢で古来より見受けられる作風です。

近年ではあまり作られないようですが・・・・


鉢の場合では、茶会に於いては小を正客用、中を2つ目、大を3つ目として、席中を同じ意匠のサイズ違いで演出する手法があります。

小人数での席では、その人数により1つだけを使い分け致します。

お料理の預け鉢としても良いでしょう。


そんな3つ重ねの鉢の、優品・・・しかも香山作品が入りました☆





二代 眞葛香山(宮川香山)

呉洲赤絵意福禄寿狂獅子 重鉢

大正時代後期




兼ねてよりご紹介しておりますように、香山の赤絵は本当にのびのびしたいい筆致で気持ちのいい絵付けです。


では、1つづつ・・・。



『福』









幅21.2㎝ 高さ10.2㎝


『禄』








幅19.7㎝ 高さ 8.8㎝


『寿』








幅 17.6㎝ 高さ 8.3㎝


大・中・小の順でご紹介致しました。



福の中に、禄があり・・・禄の中には寿が。


良いことが重なるという縁起も込められております。





大正8年に、行われた『眞葛香山 作品展』の出品作品の中にも、同様のものが記録されております。

香山の重ね鉢は、それ以前もそれ以降も造られていないように思います。

貴重な作品です。











二代 宮川香山 

 1859(安政6年)~1940(昭和15年)

初代と共に作品を製作。

海外へのマクズウェアの紹介と国内へのフィードバックにより

眞葛の名声を揺ぎ無いものにした。

技術を継承しながらも時代の変遷に対応し、焼けない物は無いと言われる。

途絶えていた古伊賀釉の復活、千家の茶陶作製等も行い、関東陶芸界の重鎮であった。




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