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【二代 眞葛香山 仁清意雪中竹ノ画 茶碗】 [宮川香山 眞葛焼]

ここ数日・・・かなりの寒さが続いてます。。。

もちろん、この度の能登半島地震での被災地の方々のことを、思いますと・・この程度で不平を言っていてはなりませんのですが、それでも・・


こういう時は、こういうお茶碗に一服点ててみて、寒中を愉しんでみましょう。




二代香山 雪中の竹茶碗 (4)-1.jpg



【二代 眞葛香山 仁清意雪中竹ノ画 茶碗】


幅    12.1cm

高さ   7.4cm

高台径  4.7cm

製作年代 大正後期

箱    共箱




香山のお茶碗では、意外と・・・冬の題材が少ないように感じます。

『勅題』の初代作品では有るのですが。


抹茶茶道の復権により、二代時代は茶道具が多く製作されます。

また、他のアイテムに比して・・・「茶道具」は、比較的他のやきものに対して、大事に伝世される傾向にありましたので、太平洋戦争の戦禍を経ても伝世している作品が多いのです。


さて、この作品です。

大正5年5月20日、初代が没します。

初代時代より、一緒に製作をしておりました二代は大正7年には、三越呉服店にて大きな襲名披露展を行いました。


その際には、あまりのラインナップの広さに・・・主催者側が、これは記録に遺さないと、ということで和綴じの作品集が刊行されたほど。

実際には、大正5年から昭和15年まで製作していた香山ですが、大正後期は『表千家』への繋がりなど千家茶道界へと活躍の場を広げた時期です。


二代香山 雪中の竹茶碗 (5)-1.jpg


一見、さらっとした絵付けのように見えるお茶碗ですが、『眞葛焼』の特徴に溢れたものです。

『松』の茶碗は、他の香山作品や他窯では「緑色」の松として描かれることが多いです。

しかし、この作品は笹、竹に積もる白雪がふかっと盛り上がり・・・

前夜から降り積もった新雪の明るさを感じさせます。

「金彩」を効果的に入れることで、水墨調の渋さとの対比を「琳派風」に表現しています。

それは、まるで・・夜の闇に月の光を浴びて浮かび上がる雪中の情景にも思えます。


二代は、京都画壇の画風のみならず、「大和絵」のテイストも嗜んでいます。

その合わせ技を持つ画人として・・・「狩野探幽」がいます。

17世紀に活躍しました。

狩野探幽.jpg

《雪中梅竹鳥図 名古屋城障壁画(上洛殿三之間)》


「余白の美」で知られる探幽の、こちらも積もりたての雪を金屏風に描いて、余白をもたせることでシン!としたその場の音までも感じる逸品です。

このお茶碗にも通じるものがあると感じます。


二代香山 雪中の竹茶碗 (8)-1.jpg

このお茶碗も余白部分があります。

『眞葛窯』の御家芸である『藁灰釉』により・・・仁清色よりやや青みがかった柔らかい色調になっております。


二代香山 雪中の竹茶碗 (6)-1.jpg


二代香山 雪中の竹茶碗 (7)-1.jpg


高台の形状は、『仁清意』とあってキリっと切り立たせております。


二代香山 雪中の竹茶碗.jpg


アップしてみます。

この「銹絵」による絵付けの感じは・・・祖父である『眞葛長造』のテイストそのものです。


二代香山、『半之助』の父は・・・早くに亡くなった『長平』であり、初代香山『寅之助』の長兄であります。

早世されたあと、寅之助の妻子として迎えられたのです。


そして、初代香山は長造の四男であった為、二代香山をは17歳しか年が離れておりませんでした。

そのことが、明治期の海外での眞葛窯の活躍と、窯の消滅迄・・・技術力の維持に大いに寄することとなるのです。




※ご成約済みです。



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