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二代宮川香山 色染付荒磯画花瓶 [新入荷]

本日、数年がかりで準備をされておりました、香山の最新研究本が発売になりました!

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「明治の釉下彩 1 宮川香山釉下彩 ~美術となった眞葛~」

著者 関和男 氏

創樹社美術出版  5400円

明治中期から花開いた、香山の真骨頂である釉下彩作品は、世界で人気を博しましたがその全貌が見えにくかったため、肝心の日本での評価が遅れておりました。

数年前に没後100年記念で高浮彫りは世間に広く知られることとなりましたが、それはあくまで欧米に迎合した作品であり、技術は江戸時代の継承といえるもので、新時代のセンスと最新技術の美術というものではありませんでした。

香山が日本でも欧米でも抜きん出たのは釉下彩技術です。

あくなき研究を続けることで、初代の存命中はもちろん、2代、3代に至るまで技術力が落ちることが無かったのも特筆すべき点です。

本日は円熟した釉下彩技術に日本向けのセンスを盛り込んだ、二代香山の優品をご紹介したいと思います。

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色染付荒磯画花瓶 


サイズ、が大きいのです。

高さ31.5センチ 幅32.5センチ 

横幅の大きさがなかなか迫力です。

その大きなキャンバスに生き生きとした魚たちが釉下彩で描かれてます。

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水の流れもダイナミックに表現されて。

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この、奥行きや濃淡のある色彩が、釉下彩の特徴です。

描く際には色は出ておらず、各色がそれぞれ何度で色が発揮するのか全てを計算して描いて、その後上釉をかけて焼き上げて初めて各色が発色するというものなのです。

江戸時代には染め付けとよばれるもの、辰砂(釉裏紅)、鉄釉というものしか釉下彩はありませんでした。

明治中期にドイツのワグネル氏により持ち込まれた技術に、香山独自の研究を重ねることで多色の釉下彩が完成しました。

明治30年頃にはほぼ完成したと言われます。

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現代では、釉下彩は解明され、簡単に出きるようにはなりましたが、香山のような日本的なものをベースに欧米に通じる意匠、形状、精神性を持つ作品は現代では見ることは出来ません。

これぞ明治美術というものなのです。

二代宮川香山

安政6年(1859)~昭和15年(1940)

大正6年襲名

明治期、海外の博覧会へ足を運び、当時の最新技術や世界の流行を初代に伝えた。

長造の長男の長平の子であり、4男である初代香山とは17才しか年が離れておらず、初代と共に眞葛香山作品を生み出した。

大正12年には古伊賀焼の復興を指導する。

千家との繋がりで、茶道具も多数製作した。

板谷波山と関東陶芸界を席巻する。






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