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【はんなり骨董樂市2023】 [催事]

いよいよ、スタート致しました!

1週間、皆様のご来訪を心よりお待ち申し上げております。


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はんなり骨董樂市2023

8月30日(水)~9月5日(火)

9時半~20時半 ※最終日は15時閉場

丸善書店 日本橋店 3階ギャラリー




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【8月】のベーススケジュール&新入荷情報です。 [BASE215]

【2023年8月27日 新入荷情報 追加】


大美正札会も終了致しました。ご来場いただきました皆様誠に有難うございました。

最後の新入荷情報の追加です。


明日、少し休憩を挟みまして火曜日より、いよいよ『上京』です!

作品たち・・・・は一足早く、本日美術トラック便にて東京へ向かいました。


まだ、8月ではありますが、あらたな・・・9月のお仕事のスタートなのです☆



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お盆前に、さくっと旅してきたのは・・・宮津です。


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反対側にも『股除き』があって、それぞれ呼び名が違うというのを今回初めて知りました。


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とても暑く・・・泳ぐ気にはなれませんでしたが、サイクリングはしました。


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伊根の舟屋は、女子向けスポットのようでした。


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台風直撃の日は、これまた・・・おこもり、ということで2時間程の簡単な模型作成をば。


デススター2の巨大さが巧く塗装できなかったです。。。

一昨年作った、エクゼキュータ―と一緒に撮影してみました。



さて、17日~は仕事モードマックス再開です☆


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『食の器モード展示中のBASE215』


明日より、名古屋・京都の仕入れ旅行ってまいります!



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先日、奈良へ納品へ行ってまいりました。

鹿たちも、この猛暑で・・・各所の日陰にしか居ません。しかもダレダレ。


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やる気のわんぱく坊やたちは、鹿せんべい売り場の側で(もちろん木陰)、数匹がワイルドに観光客を襲っておりましたが。(^^;


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ここのところは、晴天がずっと続いております。車の内装が痛むくらいにすごい熱なのです。[あせあせ(飛び散る汗)]


ちょっと・・そろそろ、雨も欲しくなってきました。


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そして先日・・・またまた奈良の、今度は山の方へ、お客様への納品に行きました際、ランチに寄ってみましたカフェです。

道中に何かないかな~と、グーグルマップを見ていたら「SECRET BASE」という文字が。

こんなネーミングをされたら、行ってみないと!


現在、当店の営業車として活躍中のアバルトちゃんで、テケテヶ赴きました。


景観をさえぎる物の無い晴天の大空の元・・・・田舎の、大和川沿いに、それは存在しましたのです☆


店の前に鎮座するは、ロンドンバス!

到るところまで行き届いたこだわり。小物ひとつひとつまでも。

何故か、店内はハワイ&沖縄 !

でも全てがお洒落~というところでした。

誰も気づかないようなロケーションですが、故に拘りぬいたコンセプトにとても共感を覚えた良いお店でございました☆

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異業種でも、見習うべき点が色々と有るのです。(^^♪





【8月の新入荷情報です】


◎吉田華正 金銀流水蒔絵 銘々皿 【10枚】

華正 銘々皿 (6)-2.jpg


※ご成約済みです。


◎吉田金英 花楓蒔絵 菓子盆 【5枚】

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仕事が良いのです。大正時代の京都漆工です。


※御成約済みです。



◎平安 十匠 草花絵替り袖形 銘々盆 【10枚】


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宗哲も含んだ京塗漆工が10人競作です。信玄弁当や、折敷膳では良く有りますが、銘々盆は珍しいのです。


井田宣秋
上原清
鈴木表朔(二代)
堂本漆軒
三木表悦(二代)
水内杏平
村中吟艸
中村弘子(十二代宗哲)
山田楽全
鈴木雅也(三代表朔)


※御成約済みです。


◎染付ぐい呑

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伊万里、となっておりますが瀬戸の可能性が高そうです。洒落たデザインで、収まる箱なども洒落ております。

※御成約済みです。


◎久楽弥助 四方入角 向付 【10客】

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碌々斎好みとして生まれた向付です。

本樂では、同時期に慶入が製作されております。

1860年~1868年頃です。


※ご成約済みです。


〇中川自然坊 斑唐津蛤 向付 【5客】

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前作ですが、なかなか抜群の上がりです!



〇十代 大樋長左衛門 翁面大樋 香合


※ご成約済みです。



〇加藤芳右衛門 瀬戸水滴・油滴 茶入 一双


※ご成約済みです。




〇佐治光寿 大名物写紹鴎茄子 茶入


※ご成約済みです。



〇秋峰 輪島塗 黒中棗


※ご成約済みです。


〇加藤一衛 川連漆器 遠山蒔絵 棗


※御成約済みです。


〇竟求一閑 一閑布張内樂 喰籠


※ご成約済みです。


〇漆園 片木目深四方 菓子盆


※ご成約済みです。


〇永楽保全 祥瑞輪誌歌有 蓋置 十七代極め箱

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久々の保全蓋置の優品です。



〇永楽保全 湖南焼染付山水絵 火入 十七代極め箱

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湖南焼ですが、すっきり焼きあがっております。菱型でお使いになるとお洒落です。



〇四代 不二見焼 笹蟹 蓋置

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超絶技巧ともいえましょう。

金属製はたまにありますが、やきものでは・・・


※御成約済みです。


〇惺斎 松竹梅三本入 茶杓 駒沢利斎作


※ご成約済みです。


〇岩倉山 御菩薩焼 杯洗

岩倉山 盃洗 (5)-2.jpg

盃洗、現代では使うことの少なくなったアイテムですが、このフォルムと色調は何とも言えません☆


敢えて、使いましょう!


※御成約済みです。



〇鈴木雅也(三代表朔) 一閑塗草花絵 折敷 【10枚】絵替り

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絵替わりになっております。38年程前の作品ですが新品同様です。

低い下駄の足がついておりますので取り扱い易くなっているのです。


〇永楽和全 金襴手 鉢 而全極め箱

※売却済みです。


〇嘉永4(1851)年 永楽保全 白蔵主自画 大綱和尚賛 而全極め箱


※ご成約済みです。


〇嘉永元年(1848)~7(1854)年 永楽保全 染付四つ入角 十牛ノ図向付 【10客】





【8月のスケジュールです】

3(木)  ベース営業 ×
4(金)  ベース営業
5(土)  ベース営業  ※13~14時納品で外出

6(日)  オークション 大阪南美術会館
7(月)  オークション 大阪美術倶楽部

7(月)  ベース営業 午後~
8(火)  ベース営業 ×  納品
9(水)  ベース営業
10(木) ベース営業 ×
11(金) ベース営業 午後~ ×

17(木) ベース営業
18(金) ベース営業
19(土) ベース営業 × 納品

20(日) オークション 名古屋美術倶楽部
21(月) オークション 京都美術倶楽部

22(火) ベース営業  予約一件有
23(水) ベース営業  搬出 ~大美搬入

24(木) オークション 大阪美術倶楽部

25(金) 搬入・陳列 
26(土)27(日) 展示即売会 『大美正札会』 

大阪美術倶楽部 2階

☆食の器、と新しめの茶道具のみ、の展示予定です。


29(火)~<東京出張>


8月30日(水)~9月5日(火) 『はんなり骨董樂市』 

 東京日本橋 丸善書店 3階ギャラリー

☆はんなり、も11年目を迎えます! 今年はコロナ禍明け?での久々にフルサイズ開催なのです!






【9月以降のイベントの予告】  いつもながら・・・9月からは怒涛のブッキングなのです。




8月30日(水)~9月5日(火)  
『はんなり骨董樂市』  

東京日本橋 丸善書店 3階ギャラリー


9月23日(土・祝)        
『十翔会 特別開催版』

大阪美術倶楽部 本館1階 扇鴻の間+WESTギャラリー

※今回より特別開催版は特別なものに変革致します!
                   


10月13日(金)~15日(日)

『東美アートフェア』 ~眞葛じゃないの?~

東京美術倶楽部 3階  

※満を持して?国焼茶陶をご紹介致します!
眞葛、じゃない藤井香雲堂をご覧頂くのです。


10月28日(土)29日(日)30日(月)   

『京華』 

京都美術倶楽部

京美で初のブースイベントです。同日程開催の『ACK(アートコラボレーション京都)』との連動イベントだそうです。


11月3日(金・祝)~5(日)  

『金美特別展』  ~うつしもの・うつくしきもの~

金沢美術倶楽部 3階

※東美アートフェアの企画と連動させており、江戸期の国焼茶陶の特集を致します。


11月25日(土)26日(日)   

『十翔会』

大阪美術倶楽部 2階

12月2日(土)3(日)      

『歳末 東美正札会』
                  
東京美術倶楽部

12月9日(土)10(日)

『数奇の市』

名古屋美術倶楽部

12月23日(土)24日(日)   

『大美正札会』

大阪美術倶楽部           




合計、「4か月」で店外イベントが・・「9つ」!!

当店の商材にて、このオペレーションはかなり難易度が高いのです。いつも皆様のご支援によって無事にやり遂げられることが出来るのです。

今年の後半戦も、どうぞ宜しくお願い申し上げます。




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【Journal of FUJII KOUNDO】


当ブログは、『藤井香雲堂』の各種インフォメーションをお知らせするものです。

インスタグラムやツイッター、Facebook等のSNS全盛時代ですが・・ブログでしか表現出来ない情報をお届けする為、『敢えて』ブログ形式に拘っております!


お問い合わせはメールもしくはお電話にてご気軽にどうぞ。


fujii-01@xc4.so-net.ne.jp

090-8578-5732 (直通)



【BASE 215】 大阪市浪速区日本橋東2-1-5 大阪南美術会館内


当店の出張営業所です。現在では『岸和田本店』よりこちらを中心に活動しております。

当ブログにてスケジュールをご確認の上、上記より事前に『ご来訪のご連絡』を頂戴致したく存じます。

大変ちいさなギャラリーですので、コロナ禍で有りますことと、おひとりおひとりと、きちんとご対応したいのでアポイントメント制となっております。何卒ご理解の程宜しくお願い申し上げます。



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『はんなり骨董樂市』2023 のお知らせです! [催事]


1年に1度の夏祭り・・・東京場所のイベント!のおしらせです。


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『はんなり骨董樂市』


大阪・京都3軒・金沢1軒の併せて5軒による共同催事でございます☆


今回、当店は・・・いつものマニアックさを…少し控えまして(苦笑)、一般の方にもお愉しみ頂ける作品を中心にご用意致しております。

(マニアックなのは、10月の東美アートフェアも控えておりますもので)



会期中は毎日滞在しておりますが、シフトにより不在の時間帯もございます。

当ブログにてその辺をお知らせ申し上げます。

ゆっくりお話しできる唯一の東京催事、是非皆様にお会いしたく存じます☆


2023年8月30日(水)~9月5日(火)

9:30~20:30(最終日は15時迄)

丸善日本橋 3階ギャラリー



〒103-8245
東京都中央区日本橋2-3-10
電話番号
03-6214-2001



東京メトロ銀座線 日本橋駅 徒歩1分 B3出口直結
東京メトロ東西線 日本橋駅 徒歩2分 B3出口直結
都営浅草線 日本橋駅 徒歩4分
JR東京駅八重洲北口 徒歩5分



【出品作品の一部のご紹介です】


河井透 茶碗 (2)-1.jpg

河井透 茶碗

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京塗 銘々皿

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隠崎隆一 香炉

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平安十匠 銘々盆


華正 銘々皿 (5)-1.jpg

吉田華正 銘々盆

寛次郎 合子 (3)-1.jpg


河井寛次郎 盒子

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橘屋友七 吸物椀

香斎 安南写茶碗 (2)-1.jpg

真葛香斎 茶碗

香斎 染付栄螺向付 (10)-1.jpg

真葛香斎 向付


仁阿弥道八 三島小皿 (4)-1.jpg

仁阿弥道八 小皿


青華 吉田屋写鉢 (4)-1.jpg

須田青華 鉢


土平 魚向付 (5)-1.jpg


坪島土平 向付

梅山 鳳凰香炉 (3)-1.jpg

中村梅山 香炉

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永楽和全 向付


和全 金襴手酒杯 (5)-1.jpg

永楽和全 酒杯



等など・・・50点程を持参致します!


全体では500点以上の陳列ですので、ごゆるりとお愉しみ下さいませ☆



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【永楽和全 昻子金襴手 向付】 6客 [幕末京焼]

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幅   約12.3cm   

高さ  約6cm

高台径 約4.8cm

製作年代 天保14(1843)~明治4(1871)年頃

箱 共箱




和全は天保14(1843)年に保全が隠居し、21歳で善五郎の12代目を襲名しました。

保全は嘉永7(1854)年に没するまで一線級の作陶活動を続けており、『永楽家』としては2つの才能がそれぞれに、素晴らしい作品たちを世に出していた黄金期ともいえます。

しかし、和全が実質的に善五郎としてデビューとなったのは、嘉永5(1852)年に『佐野長寛』の次男であり、和全の義弟であります‥『西村宗三郎』と共に『大内山』に築いた『御室窯』です。

この地は、『野々村仁清』の窯跡であり、宗三郎の所有する土地であったといわれます。

それは、仁清の名の威を借り・・・大々的に「永楽家初となる本窯」所有の宣伝の意味合いも含んでのことであったと思われるのです。

江戸初期の仁清・乾山の時代から京焼は、衰退期となっており‥江戸後期に様々な名工・新しい技術などにより、再び花開いてきている、時代背景でもありました。




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和全独自の特徴として・・・・

『金襴手の磁器焼成』、『布目の意匠化』、『削ぎ落としの美学の菊谷焼』

この3点に尽きると考えます。


金襴手に於いては、金泥による絵付けであった保全に対して、和全では『金箔』の絵付けを実現しております。

これによりさらに、中国磁器の侘びた風合いの再現が可能となったのです。


今回ご紹介の『向付』は、まさに和全の得意とするものでした。



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丁寧に形成された陶胎に、丁寧な絵付けが施されております。


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赤絵、の絵付けに染付による『玉取獅子』が見込みに描かれております。

この染付は、やや薄目・・・に思えるかもしれませんが、ここは意図したところでしょう。

外側がかっちりとした赤絵絵付けを中心とした絵付けであったら、内側は濃い呉須の方が合いますが、そとが赤地金襴であるため、その風合いを生かすには内側はこのくらいの呉須がバランスが良いのです。


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高台周りまで計算された造りを為された上、高台内には砂のひっつきまでの再現されております。



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北宋時代の『定窯(ていよう)』にて『金花』とよばれる金箔文様の焼付けの技術が、磁器としての金襴の最初であったといいます。
比較的、地味な柿釉や黒地に金彩のようです。

元時代以後は景徳鎮窯におきましても金襴手が焼かれ、明の嘉靖年間での『白磁五彩地』や『金箔文様』によるものがいわゆる『金襴手』として渡来し、日本に於きましても江戸時代の中期頃に大いに人気となります。

それが故に、江戸時代後期に『手に入れることのできる写し』として国内製の需要があったというのが理解できるのです。





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       藤井香雲堂
 

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【三代 高橋道八 赤樂栄螺 蓋置】 [幕末京焼]

歴代『高橋道八』では・・・やはり、どうしても2代目であります、『仁阿弥道八』に注目が集中しがちであります。

実際、当店でも道八では仁阿弥が取り扱いのほとんど、と言っても過言ではありません。

しかし、後代でもなかなかのモノもあります。

特に三代では、正直・・・仁阿弥にひけを取らない優品の多さが目立ちます。


2014年、サントリー美術館で開催された『天才陶工 仁阿弥道八』展の『第7章』に於きましては、『仁阿弥道八』と『三代』の同じテーマの作品を比較展示しておりましたが、いずれもレベルとしては遜色なく、それでいて共通するテイストを保ちながら・・・それぞれの個性が発揮されているのを感じました。


道八家は、実は初代より『樂焼』に良さがあるというのはあまり知られておりません。

概ね、お茶碗ばかりとなるのですが・・・本樂見紛うもの、違えども良きもの、が存在します。

今回ご紹介しますのは、「お茶碗」ではないのですが、なかなかの佳品なのです。



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【三代 高橋道八 赤樂栄螺 蓋置】


幅    7x6.4cm

高さ   4.3cm

製作年代 天保13(1842)~明治7(1874)年頃

箱    共箱





三代道八は、『高橋光英』といい、文化8(1811)年に生まれました。


丁度、仁阿弥道八が、『粟田口』から『五条坂』へ窯を移した年です。


その後、父の元で修行を重ね・・・文政10(1827)年の紀州御庭焼『偕楽園』へ赴いた際にも、また天保3(1831)年の高松藩主の招聘による『讃窯』築窯も同行し、天保13(1842)年には伏見桃山へ隠居した父に代わって、家督を継ぐことになるのです。


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見事な赤樂による蓋置で、『窯変』の景色も抜群です。


これは『栄螺』蓋置で、『利休七種蓋置』のひとつとなります。



『火舎香炉』


『五徳』


『三葉』


『一閑人』


『蟹』


『栄螺』


『三閑人』


利休といいつつ、武野紹鴎による選定もあったりとするようですが。

小さな香炉を転用したという『火舎(穂屋)』や、書院茶の頃からの『墨台』を流用した蟹というものもあります。『栄螺』は本物の内側に金箔を貼ったものが最初という説も。

これらの蓋置が元となり、利休時代に『竹蓋置』が用いられるようになるのです。


七種は唐銅のものが基本となっておりますようですが、江戸時代になってやきもので模した作品たちが生まれました。

書院 ⇒ 小間 (棚無し) ⇒ 広間 (棚) と茶道の主流が移り行く中で、道具も変遷していく様です。


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けっこう、しっかりした造りと焼で、あやうい感じが全くありません。

突起部も、下手したら・・・永楽のものより丈夫な感じです。

もちろん、本樂よりも。

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フォルムも色も良し、なのです。


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印はこのように・・・内側に押印されております。


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共箱です。

おそらく、幕末期のものでしょう。



※ご成約済みです。



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【佐野長寛 石地塗 平棗】 [漆工芸]

さて・・8月も始まってしまいました。

今月上旬は、ちょっとお値頃のおススメ作品のご紹介となります。



伝説の「京漆工」・・・『佐野長寛』からどうぞ!


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【佐野長寛 石地塗 平棗】


幅  9.1cm 

高さ 5.5cm


製作年代 文政7(1824)~安政3(1856)年頃


箱  共箱



『佐野長寛』は、寛政6(1794)年に漆器問屋「長浜屋治兵衛」の次男として生まれました。

幼少の頃より、父の元で「漆芸」を学び、早くも13歳の時は「日本一の漆工になる」と語ったと伝えられております。

また、高貴で雅風ある作品を作るために「詩歌」を学び、和歌も嗜むようになったそうです。

儒者・数奇者がいると聞けば、訊ねて教えを乞い、中村宗哲を始め・・京都のさまざまな市中の漆工を訪ね教えを乞うたともいいます。


文化11(1814)年頃、父が亡くなり・・・21歳で家業を継承することになります。

しかし、まだまだ勉強不足であることを意識し、10年近くもの長期にわたる修業の旅に出たそうです。

その旅は、紀州・吉野・奈良といった古来の漆の産地から始まり、ついには日本全国の漆器にまつわる産地を渡り歩いて、各地の技術を学ぶものであったと。

そして、各地の富豪や大名を訪ねて、秘蔵の名器を見せて貰うことで、美術鑑を高めることであったといいます。

そして、最後にたどり着いた江戸にておいては・・ 当時、幕府の「本丸御用」の「印籠蒔絵師」が「紫漆」を使うと聞き、 訪ねて丁重に教えを乞いましたが断られたそうで・・・逆切れした長寛は、ついには独自でその技法を開発するに至ったとか。

恐ろしいほどの意欲と行動力です。(^^;



文政5(1822)年、京都に戻り「新町三条上ル」に居を構えて満を持して家業を再開したのです。


その制作品は、たちまち評判を生み・・ 高麗の名工『張寛』の5代後の子孫もあったこともあり、「張寛」の再来と評され、「弓」扁を削り遜って『長寛』と 自らその名を号したのです。



そこから、様々なエピソードもあるのですが・・・その一部は後述するとしまして、作品に戻りましょう。


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この作品、一見・・・「無地」の黒平棗に見えますが・・・実は「石地塗」(いじぬり)となっているのです。


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成型した木地に、ベースとなる漆を塗り、その上に灰や漆を蒔いて乾かし・・・さらにその上に漆を薄く塗って研ぎ出します。

この技法によって、表面は光沢のあるツルツルしながらも、光の加減により深層部のムラのような景色がうっすら浮かび上がることで、味わいがでるものなです。

刀の鞘の塗によく使われていた技法ともいいます。


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非常に薄造りであり、フォルムと相まってとても上品な棗です。

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このショットだと、『石地塗』が分かりやすいですね。


佐野長寛 石地塗平棗 (1)-1.jpg

共箱です。 甲書きはございません。



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大き目なお茶碗とも。


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小ぶりの平茶碗とも。





長寛の有名なエピソードとしては、2つほどありますがそのひとつを。


天保6年、今津屋某家で祝い事のあることを聞いた長寛は吸物椀を造って贈りました。

喜んだ今津屋さんが、祝の客にて吸物を出しましたが・・客人がいざ飲もうとすると蓋が取れませんでした。

いかにも不思議に思った今津屋さんが、翌日に佐野長寛に・・このことを問いましたところ、

「いや、これはうかつな事をしてしまったわい。わしも老たかなあ」

蓋に「錐(きり)」で小さな穴をあけて、空気を通して蓋を開けてみましたら・・

一夜もたった中の吸物ですが、なんとはまだ温たかかったそうです!

身と蓋を精密に寸法を合わせすぎてきっちり造ったためにこうなったようで。

穴を元のように塗り直し、今津屋さんに再び納めた時に、幼少より嗜んでおりました和歌を一首。


「我が老の拙さ業も、後の世にまた顕はるる時やあらなん」


その遺した歌の通り、「無欲」で「弊衣蓬髪」を恥じず,常に斬新な意匠の創意を試みた長寛の名は後世の漆工たちに大きな影響を与え、様々なデザイン様式を遺したのです。



※ご成約済みです。




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