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初代 矢口永寿 倣鍋島麻之葉 手塩皿 【10客】 [食器]

永寿さん、の珍しい良い器のご紹介です!


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【初代 矢口永寿 倣鍋島麻之葉 手塩皿 10客】


幅14.4㎝ 高さ4.6㎝ (175.3g)

明治後期~昭和初期頃




初代 矢口永寿 明治3(1870)生~昭和27(1952)年没

1904(明治37)年、山中町東町に「永寿窯」を築窯しました。初代は清々軒と号します。

魯山人との親交もあり、その縁でしょうか・・・関東や名古屋からの注文製作に応じていたようです。

この作品も、名古屋の御大家からの注文作品です。


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鍋島焼の中でも、かなり希少な作品を本歌として注文されたようです。

永寿さんの作品でも珍しいモノです。


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艶やかなデザインですが、盛り付け面は染付となっているのは、食材の色目を引き立てることを意図したものでしょう。

サイズも名称の手塩皿というよりも中皿に近いサイズです。


甘手のやわらかい白磁は、永寿さんの特徴でもあり・・・磁器にありがちな冷たい印象を温かみのある印象に変化させる効果があるのです。



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10客組が2組あり、それぞれ10客づつの共箱での販売となります。

(片方は1客のみ裏側にソゲがありますので特別価格になっております。)


お勧め作品です!




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Journal of FUJII KOUNDO 《お問い合わせ先》


TEL 090-8578-5732

MAIL fujii-01@xc4.so-net.ne.jp

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徳利トクトク、お得得?~十三代中里太郎右衛門 唐津三島徳利、和田桐山 金襴手瓢形捻 酒瓶 [食器]

トクトク・・・と鳴ることから、とかどうとか?の語源節のある”徳利”の優品のご紹介です。

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出来栄えの秀逸な作品です。

お銚子、徳利・・・・今では同じ意として使われる言葉ですが、元は”銚子”といわれる鉄や塗り物で注ぐものや、”瓶子”という大き目で口の狭い壷によりお酒を供されておりました。

その後、陶磁器の製作技術が進み・・・大量に作れるようになったことから、江戸後期になって”徳利”が普及し始めます。

江戸期には酢や醤油の入れ物にも使われていたようです。

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十三代中里太郎右衛門 唐津三島徳利

大正12年5月31日生まれ。12代中里太郎右衛門の長男。

弟に中里重利,中里隆。昭和26年陶彫「牛」で日展初入選,33年叩(たた)き壺「牛」で同特選。

古唐津を研究し,叩きの技法を基本に独自の作風をきずく。
44年唐津焼中里家13代をつぐ。
59年「叩き唐津手付瓶」で芸術院賞。平成12年日本工匠会(日工会)会長。

14年太郎右衛門の名を長男忠寛にゆずり,庵号の逢庵(ほうあん)を名のった。
19年芸術院会員。平成21年3月12日死去。85歳。

この雨漏り手のような味わい、なかなか見られる作品ではありません。

形状、重さ、も絶妙な出来栄えです。

※ご成約済です。


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和田桐山 金襴手瓢形捻 酒瓶


明治34年、尼崎藩主に外科医として仕えた和田信景の孫である和田九十郎正隆が数寄者窯として西宮大社村に開窯しました。

兵庫県庁勤務時代に淡路島に陶器学校を建設しようとしたほどの陶芸好きで、県庁を辞めて陶芸一筋の道を歩みました。

明治43年、その二男である正兄(マサエ)が尼崎市東桜木町に移窯しました。

兵庫県武庫群精道村に御庭焼の築窯にも正兄が関わり、これが打出焼の発祥となりました。

その昔、藤原道真が船から見えるこの美しさに感動して立ち寄り、{ここは殊のほかのよき浦なり}{松は琴柱の並びたるが如し}と賛美したのが琴の浦の地名の由来です。

天正10年、本能寺の変を聞き、毛利攻めから駆けつけた羽柴秀吉{後の豊臣秀吉}が明智光秀の伏兵を逃れるために身を隠したと言い伝えが残る広徳寺が近くにあります。

九十朗正隆が、豊臣家の家紋である桐にちなみ陶号を桐山、琴の浦の地名から窯名を琴浦窯と称しました。

(和田桐山さん公式紹介より)

初代は大正期に活躍しました。豪商や茶人の注文による豪奢かつ上品な作品が多く遺されており、特に桐山金襴手は、その質の高さは群を抜いております。


どちらも、お酒を愉しむだけでなく、ちょっと一輪を挿しても楽しそうです。
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村田道寛 長寛写祥瑞模様 煮物椀 【10客】 [食器]

京都の幕末期の伝説的な塗師である佐野長寛・・・当ブログでも何度かご紹介しました。

その技術のみならず、デザインセンスはぶっ飛んでるといっても過言ではありません。

江戸時代とは思えないモダンなテイストは今見てもお洒落なものが多いです。

その意を受け継ぎ、近代でも『長寛写し』として製作されている作品も存在します。

そんな中でも珍しい逸品が入りましたのでご紹介致します。

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村田道寛 長寛写祥瑞模様 煮物椀 【10客】

幅 12.3㎝ 高さ 9.5㎝


村田道寛は、昭和中期の塗師で11代中村宗哲 元斎の職人でした。

その技術は宗哲を大いに助け、独立後は自身でも茶道漆芸作品を製作。書付物も。

前端雅峯が弟子入りしております。

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祥瑞の捻子の意匠を塗りで表現したもので、色ごとに紋様を変化させ手の込んだお洒落なデザインです。

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蓋には丸紋をあしらっております。

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内黒ですので、後々のメンテナンスも可能です。

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長寛、の銘までも写しております。

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このデザインが江戸時代にあったというのは本当に驚きです。
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十一代楽 慶入 白楽梅 向付 五客 [食器]

なかなかの、見ごたえのある出来映えの楽の向付です。

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慶入 白楽梅向付 五客


白楽の釉薬です。

白色というのは、磁器ではありがちですが陶器・・それも楽焼では香炉釉ともいわれる貫入もののやや灰がかったものが多めです。

楽では了入や旦入時代にも白楽のものがありますが、古くは・・・光悦作などの茶碗でも見られます。

白色、が故にディティールの印象がぼけがちですが、それが故に元のデザイン性や造形の良さがキモとなります。

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手びねりでの造形から、巧みな箆削りで。

慶入は、楽歴代では、ノンコウ、了入につぐ名工と言われております。

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肉厚は厚くなく・・薄くなくという絶妙な加減で、重量もこれまた軽すぎず重すぎず、です。

この辺は弘入時代の向付とは全く異なります。

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高台まわりの造りも良いですね。



「白梅に明くる夜(よ)ばかりとなりにけり」


与謝野蕪村の句です。

冬も終わり、ほころび始めた白梅の花が・・・闇からしらじらと浮かび上がる夜明けを迎えるころとなりました。

とても情緒のある風景を詠んでます。

この句は芭蕉の辞世の句でありまして、12月の没した芭蕉は亡くなる直前まで年明ける未来を見据えてたということでしょう。


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幕末時代に慶入が込めた、この手わざにどうお料理で対峙するか。

それとも、技巧に対しては素材のみで受け流すか・・・盛る方も楽しめます?




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九代白井半七 乾山写龍田川 向付 10客 [食器]

久しぶりに、半七の食器が入りました。

人気の龍田川向付です。

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10客完品です。 幅10.5cm~11cm×13cm

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九代の作り置き作品なので、未使用のまま伝世致しました。

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はんなり、とした風合いの再現が半七の特徴です。

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器、がでしゃばりすぎず・・・あくまで用を為すツールであることを忘れていない、というのは湯木貞一氏の指導によるものも多いのでしょう。

1客1客がちょっと異なっているのも趣きですね。


お勧めです☆

※ご成約済
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【アウトレット商品】 永楽妙全 染付捻飯碗 ※バラ売り [食器]

昨日、東京より帰り着きました。

往路が9時間もかかってしまって過酷でしたが。復路は道中はスムーズだったのすが・・・

ご存知のように、大阪は台風の被害が大変です。

関西国際空港の尋常ではない被害がクローズアップされておりますが、岸和田近辺も建物・看板・信号・樹木等があちこちで吹っ飛んでしました。

自宅も、30数時間も停電で・・・昨日帰り着きましたが、店の電動シャッターは開かない、固定電話もエアコンも、トイレすら動かないありさまで。

もちろん、携帯も充電出来ません。( ゚Д゚)

テーブルにロウソクを灯して、冷蔵庫もダウンしてるため、食材をガスで調理しての夕食でした。

日が暮れて、真っ暗の中・・・水でシャワーを浴びて、19時にはもう寝るしかない状態でしたが、奇跡的に20時過ぎに復活☆

私自身は東京から帰り着いての数時間だけですが、皆様はあちこちで大変なことだったことと思います。 まだ停電のところもあるようです。

災害対策は他人ごとではないと実感しました。

北海道も大変なことになっているようですが、皆様もお気を付けくださいませ。



私は、早速、明日から大阪と神戸、さらにまた東京へと出張が続きます・・・・(-.-)



さて、本日は珍しくアウトレット商品のご紹介です。


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永楽妙全 染付捻飯碗  


大正時代の永楽作品です。 おしゃれな捻の染付です。

永楽家十四代。得全の妻悠。三井高棟翁より「妙全」を賜わる。昭和2年(1927)歿、76才。


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蓋を使わず向付にも良いかも、です。

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もちろん、飯碗や焚き物に。

サイズ 幅11㎝ 高さ8㎝(蓋を含む)


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大変、恐縮ですが・・特価品の為、複数点ご注文頂きましても”割引”は御座いません。(__)


2点でご自宅にてご夫婦でお使いになるのもよし、5客でお茶事に使われてもよし。

もちろん、ご自分用として1点でも構いません。

皆様のご注文をお待ちしております。(^^♪


※全てご成約となりました。(__)





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矢口永寿 模仁清双菊花形向付 [食器]

懐石の器のご紹介です。

今回のベースDMにも掲載されております。


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近代九谷焼茶陶作家のツートップの片方であります永寿作品です。

金沢には有名な野々村仁清の雉香炉があります。

九谷焼といえば・・・・古九谷の写しや磁器ものが連想されますが、仁清写作品の佳品も茶道具では多数遺されております。

京焼の仁清写しとは違い、あくまで野々村仁清の本歌の通りに移すのが特徴だと感じております。

水指、茶椀でよく本歌そっくりの佳品を見受けられます。

当作品も仁清作品の繊細で洒落たフォルムをあますことなく再現してます。

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裏面から。

造形的に二つの菊を重ねてそのうねりは見る物を魅了いたします。

菊の花の中心である花弁の部分が永寿の”印”になってるのも洒落てます。

10客 無傷 完品 共箱です。

お茶事に、お料理屋さまのおもてなしに、そして一般の方もテーブルウェアとして活かして頂きたい作品です。
















<参考資料>

初代矢口永寿 明治3年~昭和27年(1870~1952)


山中で代々湯宿を営む家に生まれる。本名岩吉。生来の器用人で書画骨董に通じ、料理も巧みであったが青年時代に湯宿をやめ、関西へ出る。帰郷後、黒谷焼という楽焼を始める。明治37年(1904)、京都永樂家の高弟初代滝口加全をむかえ、京風の陶磁器を製陶する窯を築く。自らは永寿と号した。また明治39年、清水六兵衛の門人戸山寒山を招く。その後、能美や金沢から多数の陶工を集め、多くの佳作を残す。作品は祥瑞、交趾、仁清写、乾山写などの茶陶が多く、本歌をしのぐものも少なくない。
現在、四代矢口永寿が窯を継いで、作陶を続けている。

永楽善五郎(妙全) 染付四方向付 10客 [食器]

当店は数年前より懐石用食器も取り扱っております。

ウェイトとしては・・・通常茶道具 30% 国焼茶道具 25% 眞葛香山 25% 食器 20%といった感じでしょうか。

日本橋ベースでも最初の2年は年に一度、”食の器展”を行っておりましたがそれ以降は特集をしないかわりに常時在庫があるようにしております。


では、今回のご紹介です。

当店では2セット目になります。


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永楽善五郎14代の妙全、お悠さんの作品です。

得全が明治42年(1909年)に早世した為、妻であるお悠さんが同じ14代を引き継ぎ昭和2年

(1909年)まで家業を切り盛りしてました。

時代的な需要もあり、歴代の中でも食器の注文品を多数遺しているのも特徴です。

また、技術の高い職人も多数抱えておりましたので製作レベルのブレの少なさも感じられます。


染付角向付は、茶事や懐石料理屋さまに於きましては定番アイテムの一種です。

明治頃にバカラなど懐石道具を日本より欧州へ発注していた時期がありましたが、その頃にオラン

ダへ注文されていたものの中に、この染付角向付がありました。

もちろん、そちらの方はやや軟陶質でクリーム色に、藍色で縦縞を絵付けしたものでフォルムもや

わらかい形状です。

永楽が染付磁器としてびしっと作り上げたこちらの作品は、焼成時に収縮が起きる焼き物の中で

シャープな四角でしかもやや末広形になるよう、凛とした雰囲気で仕上がっております。

菱形は角の頂点をオフセットして手前に位置するように置くため、四角の折敷膳でも半月膳でも手

前の面に対して見た目の緊張感も生み出し、お料理にも見えない華を添えることでしょう。


10客完品、共箱です。


※ご成約済です。