【十三代 樂惺入 織部 酒盃】 [樂焼]
織部写し、のご紹介をもひとつ参りましょう☆
樂吉左衛門、十三代の『惺入』の作品です。
【十三代 樂惺入 織部 酒盃】
幅 5.5cm
高さ 3.5cm
製作年代 大正~昭和初期頃
共箱
本樂、での盃というのは・・・結構有りそうで、お茶碗程は多くありません。
しかも、江戸後期~戦前期の間に作られたもののみ、の気がします。
戦後からの、『十四代覚入』や『十五代直入』のものは、通常のお茶碗を小さくしたような、ぐい呑みで、特別に知己の間柄への贈り物・・・としてのみの製作のようで、かなり希少となっております。
しかし、約150年の間に生まれた、本樂の盃というのは・・・なにかしら、趣向を凝らしたモノであり、面白いものです。
そして、代々の土や釉薬、作行きの特徴が凝縮されており・・・お茶碗と違って、お手頃価格で本樂を色々とコレクションして愉しめるものとして、一部で人気です。
この作品は、『馬上杯』という形状です。
元は、武人が馬の上でお茶を飲みかわす為に生まれた形状から、そういう名となっております。
さて・・・盃の場合、馬上杯という形状に意味はあるのでしょうか?
そこは、『初午』の意が込められているのです。
『初午』というのは2月の最初の「午(うま)の日」に行われるお祭りのことです。
和銅4(711)年の2月、稲荷大神が稲荷山に鎮座した日とされておりますのが初午の日です。
初午には、全国各地の稲荷神社で『初午祭』というお祭りが行われます。
稲荷神社に祀られている穀物の神様が初午に降臨したとされることから、五穀豊穣を祈念するお参りとなったのです。
余談ですが『稲荷』という言葉は『稲生り』というものが由来のようです。⇒おいなりさん⇒狐
意匠を見てまいりましょう。
この絵は・・・『福寿草』でしょうか。
こちらです。
『元日草』や『朔日草』ともいわれ、春のおとずれを現します。
旧暦の1月は、新暦の2月に当たります。
その辺から、このような組み合わせとなっているのでしょう。
内側にも。
反対側には、織部釉が流れております。
この色、がまわりに生い茂る草をイメージさせますね。
上、の寸法をご覧頂くとお分かりですが・・・・高さ、より幅、の方が大きいのです!
見た目のマジックですね~
印です。
惺入は、弘入の長男として生まれ、大正8(1919)年・・・32歳の時に『十三代 樂吉左衞門』を襲名しました。
戦乱が相次ぐ時期であり、大変な中茶道ならびに、茶道具の啓蒙に尽力されました。
文化人として、教養も高かったようで作品にもその片鱗が垣間見えます。
共箱です。
惺入の作風としては・・個人的な見解では、薄い造りに削り込み、で釉調はやや薄目の明るい色調が多いように感じます。
樂の盃の例にもれず・・・この作品も小さ目、ではありますが、なかなかの造り込みであり、コレクターズアイテムとして、お勧めなのです☆
※ご成約済みです。
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Journal of FUJII KOUNDO 《問い合わせ先》
藤井香雲堂
TEL 090-8578-5732
MAIL fujii-01@xc4.so-net.ne.jp
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樂吉左衛門、十三代の『惺入』の作品です。
【十三代 樂惺入 織部 酒盃】
幅 5.5cm
高さ 3.5cm
製作年代 大正~昭和初期頃
共箱
本樂、での盃というのは・・・結構有りそうで、お茶碗程は多くありません。
しかも、江戸後期~戦前期の間に作られたもののみ、の気がします。
戦後からの、『十四代覚入』や『十五代直入』のものは、通常のお茶碗を小さくしたような、ぐい呑みで、特別に知己の間柄への贈り物・・・としてのみの製作のようで、かなり希少となっております。
しかし、約150年の間に生まれた、本樂の盃というのは・・・なにかしら、趣向を凝らしたモノであり、面白いものです。
そして、代々の土や釉薬、作行きの特徴が凝縮されており・・・お茶碗と違って、お手頃価格で本樂を色々とコレクションして愉しめるものとして、一部で人気です。
この作品は、『馬上杯』という形状です。
元は、武人が馬の上でお茶を飲みかわす為に生まれた形状から、そういう名となっております。
さて・・・盃の場合、馬上杯という形状に意味はあるのでしょうか?
そこは、『初午』の意が込められているのです。
『初午』というのは2月の最初の「午(うま)の日」に行われるお祭りのことです。
和銅4(711)年の2月、稲荷大神が稲荷山に鎮座した日とされておりますのが初午の日です。
初午には、全国各地の稲荷神社で『初午祭』というお祭りが行われます。
稲荷神社に祀られている穀物の神様が初午に降臨したとされることから、五穀豊穣を祈念するお参りとなったのです。
余談ですが『稲荷』という言葉は『稲生り』というものが由来のようです。⇒おいなりさん⇒狐
意匠を見てまいりましょう。
この絵は・・・『福寿草』でしょうか。
こちらです。
『元日草』や『朔日草』ともいわれ、春のおとずれを現します。
旧暦の1月は、新暦の2月に当たります。
その辺から、このような組み合わせとなっているのでしょう。
内側にも。
反対側には、織部釉が流れております。
この色、がまわりに生い茂る草をイメージさせますね。
上、の寸法をご覧頂くとお分かりですが・・・・高さ、より幅、の方が大きいのです!
見た目のマジックですね~
印です。
惺入は、弘入の長男として生まれ、大正8(1919)年・・・32歳の時に『十三代 樂吉左衞門』を襲名しました。
戦乱が相次ぐ時期であり、大変な中茶道ならびに、茶道具の啓蒙に尽力されました。
文化人として、教養も高かったようで作品にもその片鱗が垣間見えます。
共箱です。
惺入の作風としては・・個人的な見解では、薄い造りに削り込み、で釉調はやや薄目の明るい色調が多いように感じます。
樂の盃の例にもれず・・・この作品も小さ目、ではありますが、なかなかの造り込みであり、コレクターズアイテムとして、お勧めなのです☆
※ご成約済みです。
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藤井香雲堂
TEL 090-8578-5732
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