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【永楽即全 黄交趾雲錦 喰籠】 即中斎 箱 [千家流茶道具]

『菓子器』のご紹介が続きます☆

ちょうど、今からの時候のお道具です。

近代茶道では、『炉』と『風炉』と大きく2区分されておりますのは皆様ご承知の通りです。


『風炉』ですが、2022年の暦では・・・『立夏(りっか)』の5月5日から、『立冬(りっとう)』の11月7日迄となります。


あと、ひと月ちょいですね。


気候も‥グッと、涼しくなって参りました。


ここから11月に入ってさらにグンと冷え込むと登場するのが、秋の風物詩・・紅葉であります。


秋草から紅葉迄の、合間に再び楽しめるのが実は『青紅葉』となります。


青紅葉1.jpg


同じような色合いでも、『初夏』の青紅葉のときは気温が上がってきておる時候で、涼しげに見える青色ですが・・・10月の青紅葉では、陽も低くなっている時期であり、また違った顔を見せるのです。


青紅葉2.jpg


作品のご紹介です。


即全 黄交趾木瓜形喰籠 (4)-1.JPG


【永楽即全 黄交趾雲錦 喰籠】


幅  21.8cm × 19.3cm

高さ 11.5cm

製作年代 昭和後期頃

箱 共箱 即中斎書付



『黄交趾』の、ハッとするような鮮やかな色合いにイッチン盛りにて『白い桜』と『緑の楓』の意匠化がされております。


即全 黄交趾木瓜形喰籠 (5)-1.JPG



『木瓜形』 

木瓜とは御簾(みす)という高級な簾の上部にあしらわれることの多い、絹織物の「帽額(もこう)」にあしらわれた文様で、帽額の名にちなみ木瓜(もっこう)と呼ばれたのです。


『木瓜』(ぼけ)の花とは関係ありません~


『木瓜形』は、正しくは・・・『窠』(か)といい、大鳥の巣が卵を覆っている様をかたどったものです。

日本ではスサノオノミコトを祀る神社の神紋で、キュウリ(木瓜)と解釈されることから神社のまつりの期間中はキュウリを食べないという風習もあるようです。

少し逸れましたが・・・


『大鳥の巣』、ということから『子孫繁栄』を意味する形状でもあるのです。



即全 黄交趾木瓜形喰籠 (7)-1.JPG


内側は、白交趾となっており・・・お菓子が映えるように意識されております。



即全 黄交趾木瓜形喰籠 (8)-1.JPG


底部に印があります。


即全 黄交趾木瓜形喰籠 (1)-1.JPG


即全 黄交趾木瓜形喰籠 (2)-1.JPG

共箱です。


即全 黄交趾木瓜形喰籠 (3)-1.JPG


『即中斎』の一番良い時期の書付ですね。



青紅葉3.jpg


赤く色が染まる直前、それは・・赤くなって落葉する準備となる前の、一番輝いているひとときであり、秋空のややうす暗い中での青は、どことなく物憂げな・・・そして、季節の移り変わりを予感させるサインなのです。


お菓子に、赤色の紅葉をあしらって、これからの季節を予感させる演出も愉しいかもしれません。



即全 黄交趾木瓜形喰籠 (4)-1.JPG


大変、お値打ちな価格となっております☆

※ご成約済みです。


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      藤井香雲堂
 

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