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【京華】、整いました [催事]

関西圏の美術倶楽部では、近年‥過去に開催されなかったイベントが次々と、新設されております。

地域的な習慣‥というか気質のこともあり、実現してこなかったのだと思われますが、そうも言っていられない事情等もございまして。(^^;


ついに、『京都美術倶楽部』にて『ブース展示会』が開催されることになりました!


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10月28日 (土)10~17時
  29日 (日)10~17時
  30日 (月)10~16時

会場 京都美術倶楽部 2階・3階


ここで、一つ注意点を。


○入場料 3000円(呈茶付)

○展示商品は、全て30万円以上のもののみ


これは、なかなか他ではみられないトライアルでございます。

しかし、この規約に則って出展されるブース展示会は‥

なかなか、独特の雰囲気があって面白そうです。


当店は2階南側の部屋でございます。


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若干数ですが、『招待券』を持参しております。

受付にて『藤井香雲堂』をお呼びだし戴けばお渡しすることも出来ます。


皆様のご来訪を心よりお待ち申しあげております[exclamation]



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【東美アートフェア2023】いよいよです! [催事]

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FUJII KOUNDO 2023 AUTUMN TOUR

  【うつしもの、うつくしきもの】


江戸時代後期、諸国国焼に於いて彗星のごとく名工たちが登場し、新たな技術等も誕生し、やきもの百花繚乱の時代。
明治に入ると、海外貿易を意識したものへと主流が移りますが、この頃はまだ「茶陶」が中心でした。それらは、200年前の「うつし」を目的としながらも個性や技が入り組んだ結果・・・独自の美意識として独自の様相を呈するのです。茶道具、懐石の珍しいやきものを、ご高覧下さいませ。 


                                       藤井香雲堂



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「東美アートフェア」は、国内アートフェアの先駆け「東美特別展」から派生し、1999年より始まりました。

東京美術商協同組合に所属する100余の美術商が、それぞれが時間をかけて探し求めた、古美術・近代美術・現代美術・茶道具・工芸など美術品の優品珍品を、趣向を凝らした展示でご覧いただけます。

観て楽しめるのはもちろんのこと、直接触れることや購入することもできる絶好の機会です。



10/13 (金) 10:00 〜 19:00

10/14 (土) 10:00 〜 18:00

10/15 (日) 10:00 〜 17:00


当店は3階エリアの『3-21』ブースでございます!


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是非、皆様とマニアックトークをしたいと思います!




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【大橋秋二 織部 香合】 [おもろいで!幕末尾張陶]

さて、『伊部』の次は・・・『織部』をご紹介致します。


まもなく『炉開き』です。


その時の取り合わせとして・・・『三部』が揃うと良いとされております。


『伊部』・『織部』・『瓢(ふくべ)』


揃いやすいものとしては、『備前水指』に『ふくべ炭斗』と『織部香合』の組み合わせです。

大寄せ茶会等、お薄のみの場合は『瓢花入』にすることも多いようです。


どこかの文献で見ましたが・・・江戸時代後期、『道具商』がモノを売る為に発案したお約束という説ですのが、ここは話のタネとして慣習に乗っかって愉しめば良いかと~(^^;



さて、作品です。



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【大橋秋二 織部 香合】


幅     5cm

高さ    3.7cm

製作年代  1825~1857年頃

箱     共箱



瀬戸・美濃の写しは、『尾張陶』としては正統なワークスタイルです。

釉薬のレシピの共通性か、別の作者であっても(尾張陶に関しては陶工で無い名人たちも多い為、作者と称します)、似た風合いのものになることもあります。

そんな中でも、やはり・・・個性というものは明らかに出るものです。


関西では、幕末の名古屋のやきもの三大名工(これも名人というのが良いのやら)、平澤九朗・加藤春岱・大橋秋二として知られます。



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『はじき』香合と呼ばれる形状です。


把手の形状が弦を張った形であることから、ハジキ(弾)の名で呼ばれます。



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織部の意匠は、抽象的でありますのでいかようにも解釈が出来ますが・・・

これは『干し柿』でしょうか?


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秋二は、その性格的なものが作品性に反映されている気がします。



『大橋秋二』は寛永7(1795)年に生まれ、安政4(1857)年に没します。


大橋家へ婿養子に入り薬種商を営んでおりましたが、生来の風流人・茶道・歌道の他に陶芸に入れ込み、京都へ出て陶芸を『尾形周平』に絵を尾張画壇の『小島老鉄』に学びます。

三十才を過ぎてから陶芸の世界に入ったようです。


陶芸にのめり込んだ末、家業を傾けたという話もあったような。


師となった『尾形周平』は、『仁阿弥道八』の弟です。

道八家の助けをしながらも、独自の活動も始めます。

摂津の『桜井焼』や播磨の『東山焼』、淡路の賀集珉平が『珉平焼』を始めたのは尾形周平の影響によるものであり、周平自身も開窯に尽力しました。

姓が『尾形』なのは、『尾形乾山』に私淑したからだそうです。


秋二の作品は、とかく品の良さを感じます。


瀬戸系のみならず、和漢の写し物にも巧みで名工の誉れも高く、尾張徳川家へ14点上納もしているのです。

無欲な為、藩主より陶器師の列へ招かれるが辞する。名利を嫌い45歳で早くも剃髪し入道となる。


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『二』  と彫り銘があります。『秋二』の『二』ですね。



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共箱です。


『をりへ香合 秋二牧翁つくる』


『牧翁』は秋二の別号です。



端正に造られた作行きで、炭点前でも使いやすそうです。


お値打ち価格です~




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【備前 伊部手一重口 水指】 [国焼(地方窯)]

先日は『満月』の『仲秋の名月』でした。

次は7年後とか。

ちゃんと、見れました見れました。しかし~カメラではうまく撮れないんですよね~(素人[あせあせ(飛び散る汗)]


そんな、秋の夜長に考えました。

『備前焼』


近代工芸、としてはそこそこきちんとした評価がありますが、茶道具としては・・・いまひとつ、地味なポジション。。。

日本古来のもので、中世より続く・・・六古窯のひとつに数えられます。

他の窯もそうですが、備前焼は貯蔵用のやきものとして壺や甕、擂鉢や皿・碗、そして瓦などを作っており・・・備前の国にて需要が満たされておりました。

もちろん、消耗品として。


室町時代後期より、唐物を中心とした、『武家茶』として茶の湯の流行が興ります。


そうして広まるうちに、名物道具を中心にした武家や豪商の間で広まった茶の湯に対して、『侘数奇』が発生してきます。

『千利休』もその道です。

16世紀には『見立て』などで、侘び数寄者の間で『備前焼』を使いだした例が見られます。

壺を水指にしたものでしょうか。

その後、『唐銅』を写させたものなど茶道具として生まれた備前焼が登場し始めるのです。


室町時代では、まだ『備前焼を使うのは上級者である』とされる向きがあり、見どころのある道具として着目されつつある中、まだまだ広く評価されるまでのものではなかったようです。


その後、『小堀遠州』が備前焼を非常に、重用しております。

その辺から備前焼が茶陶として花開くのです。


『小堀遠州』の1628年~1644年の間の茶会記に登場する『備前焼』を数えてみました。(^^;


花入 4回

水指 51回

建水 17回 (このうち、7回は古備前とありますので、桃山期のものですね)

このうち、同時に登場してるときもあります。



こんなに備前焼を使ってる茶人は、ひょっとしたら岡山県人以外では皆無なのでは?!などと思ってしまうくらいに『推し』ております。


そして、遠州時代より端正な茶道具としての形状としての備前焼が登場し始めるのです。

おそらく指導が入ったのでしょう。


用途だけでなく、技法的なもの、見た目を重視したもの、そして釉薬を使わない代わりに意匠としての意図を表現できる、窯変なども多様されていくのです。



さて・・・今回、ご紹介致しますのは、そういった意匠化の技法のひとつであります、『伊部手』と呼ばれるものです。



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【備前 伊部手一重口 水指】


幅    16.5cm

高さ   14.7cm

製作年代 江戸時代 中後期頃

箱    伝世箱



扱いやすい、サイズ・形状。 そして魅せる景色の水指です。



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くっきり出た轆轤目に、箆使いにてザクっと斜めに切り込んでおります。


『伊部手』は室町時代から存在した技法だそうですが、積極的に取り入れられたのは1610年頃、遠州時代以降とされます。


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『胡麻』とよばれる発色が出ております。


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内底に『窯切れ』が在りますが、水漏れはいたしませんのでご安心を。


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『伊部手』とは、黒く発色する土を塗りつけて表面に彩りを意図する技法です。


胡麻の出方も、轆轤形成を全面に出す造り方も、茶の湯が大成して茶道具の需要が高まっていく中で、徐々に洗練されていったものです。


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裏側もいい造りなのです。



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全所有者は、丹波焼として使っていたようですが・・・


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元はちゃんと、備前焼の伊部手として伝世していたものです。


令和2年、1か月半のみでしたが・・岡山県立博物館に於きましてとてもいい展観がございました。

『備前のある場所 ~取り合わせの魅力~』


これまでのように、備前焼を単体として紹介するのではなく、当時の取り合わせ・・・高麗や国焼などと併せることで、とても魅力あるものに映りました。


近年、あまり備前焼の茶道具を求める声が少ないように思います。

それは古いものはもちろん、近代の作家によるものでも。


しかし、それは『使い手』の理解と腕が無い為なのかもしれません。


奇しくも、室町時代に戻ってしまったかのようですね。(^^;




白熱灯の下では、また違う顔をしましたので、そちらもご覧頂き・・・本日の筆を置きたいと思います。


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Special Thanks Mr.shikone



※ご成約済みです。



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