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夏越の祓(名越の祓) 二代宮川香山 仁清意御払画平茶碗 惺斎箱

京都では祇園祭りの前祭りが本日、大団円を迎えました。

数日後からは後祭りが始まるわけですが、大昔から続く伝統の行事は日本人も外国人も夏の風物詩として楽しまれております。

お祭り、ほど派手ではないですが・・・こちらも日本古来より大切にされてきた行事です。


夏越の祓(なごしのはらえ)

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旧暦の6月末に行われる”夏越の祓”は、半年分穢れを落とし、後と半年の健康と厄除けを祈願する行事です。

天武天皇の時代に朝廷が行う公式の行事として定められたものですが、新暦に移った現在でも、6月30日ごろ日本各地の神社で行なわれている伝統行事です。

茅(ち)の輪くぐりで有名ですね。

地域によっては7月に御祓いの行事や茶会があったりもします。

現代では6月はまだ夏の前の月のように感じますが、旧暦が使われていた頃は六月というのは夏の終わりの月とされており、夏を過ぎ越える日の大祓えという意味で「夏越の祓」と呼ばれました。

夏越の祓いは過去には「名越の祓」と書きました。この「なごし」という言葉は神意を和らげる、「和す(なごす)」が由来そうです。

 


■「茅の輪くぐり」(ちのわくぐり)で厄落とし


厄落としの方法として「茅の輪くぐり」が行われます。
茅の輪とは、チガヤという草で編んだ輪のことです。神社の境内に作られた大きな茅の輪の中を「水無月の夏越の祓する人は、千歳(ちとせ)の命延(の)ぶというなり」と唱えながら8の字を書くように3度くぐり抜けます。茅の輪をくぐることで、病気や災いを免れることができるとされています。
「茅の輪くぐり」については日本神話に基づいているといわれています。
昔、ある兄弟のところに、一人の旅人が現れて一夜の宿を乞いました。裕福な兄は旅人を冷たく断り、貧しいながらも弟の蘇民将来(そみんしょうらい)は温かく旅人をもてなしました。数年後、旅人が恩返しにと再び蘇民を訪れますが、実はこの旅人はスサノオノミコトで、その教えに従って茅の輪を腰に付けたところ、疫病から逃れられ、子々孫々まで繁栄したということです。
この故事に基づき、家の玄関に「蘇民将来札」という札を貼り、厄除けにするという風習も残っています。


■人形(ひとがた)を流して厄落とし
人形(ひとがた)とは、人の形を模した紙の形代(かたしろ)です。人形に自分の名前や年齢などを書き、それで体を撫でて人形に罪やケガレを移し、身代わりとして神社に納めます。人形を川に流したり、篝火を焚いたり、水や火を使う神事で清め、厄を落とします。
紙だけでなく、藁などで人形を作るところもあります。
また、お清めのために人が直接、川や海に入る地方もあります。


■「水無月」を食べて厄落とし
冷房も冷蔵庫もない時代、蒸し暑くなる7月はしばしば病気がはやりました。体力も消耗するので、甘く食べやすいお菓子でエネルギーを補給し、厄祓いをしていたようです。

京都には「夏越しの祓」の日に食べる伝統的な和菓子があります。「水無月」と呼ばれ、ういろうの上に邪気を祓うあずきがのった三角形のお菓子で、三角形は削りたての氷を表しています。

昔、宮中では旧暦6月1日に「氷の節句」が行われていました。冬にできた氷を山間の氷室(ひむろ)に貯蔵しておき、そこから取り寄せた氷を口にして夏を健康に過ごせるよう祈るというものです。
しかし、庶民にとって氷は高嶺の花。そこで氷をかたどった三角形の生地に厄除けの小豆を散らしたお菓子が作られたのです。「水無月」は庶民の氷へのあこがれからできた銘菓。現在では夏越の祓の日の和菓子として親しまれています。


和菓子「水無月」.png


さて、前置きが長くなりましたが・・・・(^^;

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二代宮川香山 仁清意御払画平茶碗 惺斎箱


手練れの轆轤ひきからの上品な仁清釉、そして長造から続く・・・日本古来の意匠を取り込むところは眞葛香山の真骨頂でもあります。

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初代香山が赴いた虫明焼でも、文久時代の十二ヶ月茶碗の中に、お祓いの図が描かれております。そちらは人が紙を持っているような図柄のなのですが・・・

このお茶碗は紙を流している光景を描いております。

まるで、帆掛け舟のようにも見え別の使い方も出来そうです。

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二代香山は、大正時代に表千家の出入りとなり、惺斎の好みものや箱書きの優品を遺します。

決して数は多くありません。

近年の季節の花だけを描いた茶碗で、というより踏み込んだ季節もののお道具を使って席中のお話に花を咲かせていただきたいです☆

※ご成約済です。

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