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《盒子》展 ②【眞葛長造 蛤香合】 [幕末京焼]

業界の再開からの、バタバタで・・・あっという間に、6月が終わってしまいそうです。

ベースで、ほぼ無観客展示会の、《盒子》展をWEBで展開致しますと、予告しておきながら・・・1点だけで中断しておりました。(^-^;

おかげさまで、5点の展示のうち2点が早々に売れてしまったのも原因ではありますが。

また、出張がありますので今のうちに再開いたします☆



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【眞葛長造 蛤香合】


幅5.8㎝×5.3㎝  高さ3㎝




眞葛長造 寛政9年(1797)~万延元年(1860)

青木木米の弟子で後、真葛ヶ原にて窯を開く。観勝寺安井門跡より「真葛」の号を賜り晩年華頂宮より「香山」の号を頂く。

江戸後期において仁清・乾山の再来というべき京焼伝統の継承者であり、特に藁灰釉によるといわれる独特の風合は長造特有であり、雅味溢れる作風で京焼の代表格の一端を担う。眞葛焼の祖。


『蛤』です。


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錆絵による、わびた仁清調で観るものに眞葛焼であることを促します。


野々村仁清から続く、京焼の写し文化でいくと・・・ここはクリーム色なのですが、長造が長造たる所以。

藁灰釉によるマクズブルーの品格です。


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造形もシンプルでも凝ってます。


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蓋を開くと・・・長造と特有の、削り込みによる薄つくりの地肌が見えます。

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”身”の方には・・・お内裏様とお雛様です。

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長造特有の色絵釉による、明るいながらもかせた赤色、そして古清水からのグリーン・ブルー。

蛤香合は長造の代表的作品のひとつです。

しかし、雛図は伝世品では多くありません。

蛤は、貝合わせともいって・・・蓋と身は1組でしか合わないのが、貞操観念とも相まってひな祭りにつきもののアイテムとなっており、この香合はその意匠を中に取り込んでいるのです。


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『眞葛』印です。


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共箱 甲

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共箱 裏

長造の晩年の筆跡になります。


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箱の裏には・・・・元の所有者による書き込みが。

安政年間に上京した際、旅の土産として求めたことが記されております。

安政年間は、長造の最後の5年間です。

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外箱として、京都真葛の5代目の極めが添います。

この5代目は、長造の研究を進め・・・整理と紹介をしたことでもしられます。

また、自身も長造の写しにチャレンジし、非常に優美な作品を多数遺しています。


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この、長造の香合は茶道具としても、コレクションアイテムとしてもお勧めの逸品となります。



※ご成約済みです。

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