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【永楽和全 交趾 酒盃】 [幕末京焼]

和全の、小品ですが『ちょっといいモノ』のご紹介です。

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【永楽和全 交趾 酒盃】


製作年代 1843~1866年頃

サイズ  幅5.6㎝ 高さ5~5.3㎝

共箱


和全は、父保全に倣って古作の写し物を得意としました。

交趾に関しては、和全の方がわびた色調の再現に長けていたように思います。

この作品は、明るい青交趾をベースとした、珍しい酒盃です。

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ちょこっと、傾げた感じもまた愛嬌です。

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文様をイッチン盛りにて仕上げております。

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見込み、にひっつきがあります。

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在銘部分です。


永楽和全 1823年(文政6年)~ 1896年(明治29年)5月7日)


1843年(天保14年)十二代善五郎を襲名。

1852年(嘉永5年) 仁清窯跡に御室窯を築窯。

1865年(慶応元年)確認されている最初の和全銘の作品

1866年(慶応2年)宗三郎・常次郎と共に九谷焼の指導のため山代春日山に赴く。

1870年(明治3年)九谷から京へ戻る。

1871年(明治4年)得全に善五郎の名を譲り、善一郎と名乗る。また西村姓を永樂姓に改姓。


宗三郎は先に京へ返し、4年間ほども九谷に滞在しておりました。

その際には、京にて宗三郎に永楽善五郎作品を代作させていた可能性もありますが、この作品は善五郎書きの共箱ですので、1843~1866年頃の作と思われます。

この感じの緑の交趾釉をさらに濃くしたものが、和全銘の箱のものの初期あたりの作品で確認されております。

後世の永楽の交趾作品のようなかっちりした仕上がりでない、味わい深いものは幕末~明治頃までとなります。

綺麗さと侘びさ加減の融合のお愉しみアイテムです。


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保全の酒盃と。 親子共演☆


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