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東美アートモール出品 ~ 楽吉左衛門(7代)長入 青焼 菓子鉢 ~ [楽]

東美アートモールに出品展示する厳選作品よりご紹介致します。


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江戸時代も中期頃になりますと・・・利休より始まった千家茶道も、表千家・裏千家・武者小路千家と3つに分かれ、それぞれが制度化された家元として確立の上、非常に世の中で繁栄いたします。

江戸幕府も安定期であり、世の中も落ち着いたいたことがバックボーンにあったのでしょう、町人階級にも茶道が大いに広がりました。

そういう時代・・・・

楽家の七代目となった長入、は活動的であった六代目左入が1739年(元文4)に55歳で亡くなると、15歳で家督を継ぎました。

以降、長きに渡って作陶を行うのですが・・・その晩年にあたる時期の作品をご紹介致します。


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七代 楽吉左衛門 長入 青焼 菓子鉢


1762年~1770年頃


幅 26.0㎝  高さ9.5㎝


共箱



古来、日本で色として表現されていた言葉は・・・白、黒、赤、青の4つのみであったと伝わります。


なので、他の色もこの4つの内に分類して称していたようです。

万葉集では、緑のことを”あを”と記しております。

平安時代末期から鎌倉時代辺りでは緑と青が分けるようになったようですが、青りんご・青虫などと緑のことを青と称することは自然でありました。


楽家においても、緑釉のことを青釉と称し(青楽とも)、ノンコウ以来・・・緑色の作品が作られ始め、宗入時代にはいい発色の緑色となっております。


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菓子鉢として作られたこの作品は、楽焼としては大型の部類に入るサイズで、故に青色が鮮やかに広がります。

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制度として整った茶道において、小間よりも広くもてなすこともある為、菓子器として菓子鉢に近いサイズで3~5つ盛れるように作られてます。


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長入は、形式化した作品が多いといわれますが、なかなかのモダンデザインです。

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厚みもあり、重量のバランスもさることながら・・・作品のサイズとして見た目よりも重くなく、また厳かさを失わない軽さであり、この辺りは磁器ではない陶器作品としてこのサイズで実現するには楽焼であることのメリットが存分に発揮されてるといえましょう。

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印付き、も良くはっきりしてます。


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共箱


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長入

1714年(正徳4)左入の長男として生まれる。

1728年(享和13)七代目を襲名。

1762年(宝暦12)剃髪隠居し、長入と号す。

1770年(明和7年) 57歳で没


長入の作風はたっぷりとした大降りでやや厚めで豊かな手取り感のあるのが特徴です。

江戸中期の安定した社会風潮の中、長入のおおらかで良き人柄が作品に反映されております。

黒楽は光沢の強い漆黒のものが多く、赤楽は白みの強い薄赤色から赤みの強い色まで多種である。また、長入の特徴として香合、置物といった脇の道具も多数制作していることが挙げられる。



※ この度、良い盛り付け写真が撮れましたので、加筆の上再紹介させていただきました。

※ご成約済みです。

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