SSブログ

【初代 高橋道八 一入模 黒茶碗】 [幕末京焼]

当店でもちょくちょく取り扱っております・・・・仁阿弥道八、名工であるのは周知のとおりです。

しかしながら、その先代である・・・陶器師 道八の初代はあまり知られておりません。


1740(元文5)年3月17日、伊勢の国・・・

名は周平光重、亀山藩の高橋八郎大夫の次男として生まれました。

京焼赤絵磁器の祖である奥田穎川やその愛弟子である青木木米よりも少し前になります。


1763(宝暦13)年に京都三条 粟田口表町にて陶業を学んだと伝わります。

しかし、その後の軌跡が不明です。

松風亭と号し、共箱の作品は存在します。

仁阿弥の初期作品との混同が多く、美術館所蔵品でも非常に判断の難しいものもあります。


しかし、京焼の中で・・・比較的ベンチマークとなるのは建仁寺所蔵の作品です。

初代道八も、建仁寺塔頭である正伝永源院に伝わる南蛮水指は作品が共箱と一緒に現存しております。

同じく、共箱も現存している初代道八作品の中でもハイレベルの作品が入りましたのでご紹介致します。


DSC04015-1.jpg


【初代 高橋道八 一入模 黒茶碗】


幅   12㎝

高さ  7.7㎝

高台径 4.9㎝



非常に端正な楽茶碗です。

一入を模す、とだけあって朱釉もきれいに発色させております。


ぐるっと一周してみましょう。


DSC04016-1.jpg


DSC04017-1.jpg



DSC04019-1.jpg

上から


DSC04020-1.jpg


口縁部分


DSC04022-1.jpg

高台側


DSC04023-1.jpg


書き銘です。

しんにょう、の部分が仁阿弥とは異なります。


サントリー美術館で開催された、仁阿弥道八展の際にも数点展示されておりましたが、伝世品での優品はそう多くありません。

私の写真の技術が不足で・・・このお茶碗の魅力が画像にうまく表せてないのが残念です。


本当になかなかの逸品です☆


DSC04011-1.jpg


DSC04012-1.jpg



初代道八は、1804(文化元)年に亡くなります。


数年前までは、初代道八として分類されていた”亀セ”印の作品の中で・・・確実な製作年が特定できるもので仁阿弥作品というものも発見されました。

今後はもっと初代についても新たな研究が進むことかと思います。

この作品はそのレベルの高さと仁阿弥作品との類似性から、初代の円熟した技術が当時22歳であった仁阿弥に確実に引き継がれたことを示すものとなります。


初代は24歳頃に粟田にて陶業のスタートにたちました。

父を亡くした仁阿弥はその2年後・・・奇しくも同じ24歳の時、粟田蓮院宮への出入りを申し付けられ、後世に道八の名を広く知らしめることとなるのです。



※ご成約済みです。


=======================================================

Journal of FUJII KOUNDO 《お問い合わせ先》


TEL 090-8578-5732

MAIL fujii-01@xc4.so-net.ne.jp

=======================================================
nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。