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【永楽保全(善一郎) 高麗写八道 酒飲】 [幕末京焼]

今回、大変珍しい酒器のご紹介です。

これは・・・本当に希少です。



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【永楽保全(善一郎) 高麗写八道 酒飲】



◎サイズ  幅5.4㎝ 高さ3.7㎝ 高台径 2.5㎝

◎製作年代 天保14(1843)~弘化4(1847)年頃



当ブログでおなじみの・・・(^-^;

幕末京焼の3大名工の一人、永楽保全の作品です。

保全は高麗の写しにも長けておりました。この作品はあまり類例のないもので・・・朝鮮八道の写しを、ぐい呑みサイズで写したものです。


『朝鮮八道』とは御本茶碗の中で有名な茶碗のひとつで、李氏朝鮮時代の行政区域を示したものです。

現在では定番となっております、暦手茶碗のようなものですね。

アップしてみましょう。


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♢京畿道(キョンギド) 首都近郊を意味する

♢忠清道(チュンチョンド) 忠州+清州

♢慶尚道(キョンサンド) 慶州+尚州

♢全羅道(チョルラド) 全州+羅州

♢江原道(カンウォンド) 江陵+原州

♢平安道(ピョンアンド) 平壌+安州

♢黄海道(ファンヘド) 黄州+海州

♢咸鏡道(ハムギョンド) 咸興+鏡城



これらの区分は1497年に制定され、1895年には廃止されました。

なんと、足利時代の明応6年~明治28年もの長きに渡るものです。


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反対側より。

すこし口造りが沓になっており形状に趣きがありますね。


幕末京焼では、こぞって各名工が朝鮮八道を写しました。おそらく、本歌を建仁寺かどこかで目にする機会があったのかと思います。

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形状も良い上に、御本手の発色も抜群です。

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高台です。

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印部分です。

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箱は保全の共紐が現存します。

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共箱(甲)

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共箱(裏)


この保全の善一郎時代(天保14(1843)~弘化4(1847)年頃)は円熟期で一番作品の質が良いともいわれております。


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薄造りで、轆轤も丁寧に挽かれており、このサイズとは思えない手の込みようです。

この時期では、盃形が多く・・・現代での主流のぐい呑み形状というのはあまり遺されておりません。

コレクションアイテムとして、お勧めです。


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※御成約済みです。


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