【永楽保全 雲鶴青磁 酒飲】共箱・即全極め外箱 [国焼茶陶【江戸後期】]
『保全』の作品は既に最晩年作品でも169年が経過しております。
まぁまぁ、古いものですが・・・「茶道具」というジャンルが大半であった為か、大事にされていて伝世数・現存数が多く、今でも作品自体は様々なものが、流通し手にすることが可能です。
しかし、そんな中でもレア物というものが有りまして。。。
当店では、その辺を重点的に取り扱うように心がけております。
今回ご紹介の「酒盃」は、2重、3重の希少さを誇る作品でございます!
【永楽保全 雲鶴青磁 酒飲】
幅 6.8cm
高さ 3.8cm
高台径 2.8cm
製作年代 嘉永元年(1848)~7(1854)年
箱 共箱 即全極め外箱
保全作品の中でも、湖南焼より、高槻焼より、長等山焼より・・・遙かに希少性が高いのが、実は「雲鶴青磁」です。
「幕末京焼の三大名工」であります、「保全」「仁阿弥」「長造」の3名たちも、それぞれが「雲鶴青磁」に挑戦しております。
18代高麗の王である「毅宗(きそう)」の在位期(1146~1170年)から25代の「忠烈王(ちゅうれつおう)」の在位期(1274~1298年)朝に至る間の頃に作られていた官窯です。
日本では「鎌倉時代」ですね。
中国の青磁に対して、単色の高貴な色にならなかったせいか・・・造形による複雑さを王朝より求められたようですが、製作上の問題からそれを避け・・・その代わり、として「象嵌」による絵付けデザインの装飾による煌びやかさを追及したという事情が生んだ「美」であります。
その後、その緑色ですら発色が難しくなり・・・次代には「三島手」という灰色へ、そして「李朝」と変遷していきました。
さて、最近JFKでのワードとして登場しております『うつしもの』文化ですが。。
京焼に於いては、写しの需要というより・・・『陶工の技量・興味の表現』的な要素が大きかったというように感じております。
さて、保全のお話に戻りましょう。
保全の雲鶴青磁は、なかなかの風合いの再現が特徴です。
しかし、経験上・・・アイテムとしては、「本歌」では存在しない形状・種類を敢えて、製作しているように思えます。
本作でもしかり。
作品を見てまいりましょう。
高麗青磁の雲鶴青磁といえば、「飛雲舞鶴」の紋様です。
この作品も、象嵌により意匠化されております。
印は、保全作品の中でも希少な「小印」タイプです。
これらは、おそらく注文品による小品にのみ使用されていたとおぼしきもので、共箱と併せて発見するのはかなり希少です。
サイズも、当時としては珍しく・・・「ぐい呑み」サイズです。
2重箱です。
共箱 (甲)
共箱 (裏)
保全による雲鶴青磁の作品の製作年代は、集中されておらず、私の研究してきた個体でも、善五郎・善一郎・保全 時代に渡ります。
この辺は、晩年期が染付尽くしであったのとはまた事情が異なるのでしょうが、解き明かしていきたいところです。
16代即全の極め箱 (甲)
即全極め箱の(裏)です。
雲鶴青磁写しの特徴である、上釉の貫入の張り方もファンタジーなのです。
口造りの柔らかさ、手取りの重さ等・・バランスは用の美を生み出しております。
これは、是非・・・日本酒をペアリングしてお愉しみ頂きたいです!
酒器コレクションとしても、保全コレクションとしても希少度の高い作品であることは間違いありません。
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Journal of FUJII KOUNDO 《問い合わせ先》
藤井香雲堂
TEL 090-8578-5732
MAIL fujii-01@xc4.so-net.ne.jp
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まぁまぁ、古いものですが・・・「茶道具」というジャンルが大半であった為か、大事にされていて伝世数・現存数が多く、今でも作品自体は様々なものが、流通し手にすることが可能です。
しかし、そんな中でもレア物というものが有りまして。。。
当店では、その辺を重点的に取り扱うように心がけております。
今回ご紹介の「酒盃」は、2重、3重の希少さを誇る作品でございます!
【永楽保全 雲鶴青磁 酒飲】
幅 6.8cm
高さ 3.8cm
高台径 2.8cm
製作年代 嘉永元年(1848)~7(1854)年
箱 共箱 即全極め外箱
保全作品の中でも、湖南焼より、高槻焼より、長等山焼より・・・遙かに希少性が高いのが、実は「雲鶴青磁」です。
「幕末京焼の三大名工」であります、「保全」「仁阿弥」「長造」の3名たちも、それぞれが「雲鶴青磁」に挑戦しております。
18代高麗の王である「毅宗(きそう)」の在位期(1146~1170年)から25代の「忠烈王(ちゅうれつおう)」の在位期(1274~1298年)朝に至る間の頃に作られていた官窯です。
日本では「鎌倉時代」ですね。
中国の青磁に対して、単色の高貴な色にならなかったせいか・・・造形による複雑さを王朝より求められたようですが、製作上の問題からそれを避け・・・その代わり、として「象嵌」による絵付けデザインの装飾による煌びやかさを追及したという事情が生んだ「美」であります。
その後、その緑色ですら発色が難しくなり・・・次代には「三島手」という灰色へ、そして「李朝」と変遷していきました。
さて、最近JFKでのワードとして登場しております『うつしもの』文化ですが。。
京焼に於いては、写しの需要というより・・・『陶工の技量・興味の表現』的な要素が大きかったというように感じております。
さて、保全のお話に戻りましょう。
保全の雲鶴青磁は、なかなかの風合いの再現が特徴です。
しかし、経験上・・・アイテムとしては、「本歌」では存在しない形状・種類を敢えて、製作しているように思えます。
本作でもしかり。
作品を見てまいりましょう。
高麗青磁の雲鶴青磁といえば、「飛雲舞鶴」の紋様です。
この作品も、象嵌により意匠化されております。
印は、保全作品の中でも希少な「小印」タイプです。
これらは、おそらく注文品による小品にのみ使用されていたとおぼしきもので、共箱と併せて発見するのはかなり希少です。
サイズも、当時としては珍しく・・・「ぐい呑み」サイズです。
2重箱です。
共箱 (甲)
共箱 (裏)
保全による雲鶴青磁の作品の製作年代は、集中されておらず、私の研究してきた個体でも、善五郎・善一郎・保全 時代に渡ります。
この辺は、晩年期が染付尽くしであったのとはまた事情が異なるのでしょうが、解き明かしていきたいところです。
16代即全の極め箱 (甲)
即全極め箱の(裏)です。
雲鶴青磁写しの特徴である、上釉の貫入の張り方もファンタジーなのです。
口造りの柔らかさ、手取りの重さ等・・バランスは用の美を生み出しております。
これは、是非・・・日本酒をペアリングしてお愉しみ頂きたいです!
酒器コレクションとしても、保全コレクションとしても希少度の高い作品であることは間違いありません。
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藤井香雲堂
TEL 090-8578-5732
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2023-07-29 15:49
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