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朝日焼 茶碗 銘 ”お婦く” 碌々斎書付 [新入荷]

朝日焼は桃山時代から続く長い国焼窯です。

楽以外で、初代からきちんと数えられてる窯元はそうありません。(家としての代を計算することも多いものですから)

遠州七窯のひとつに数えられてるのは有名です。

いつも七つ思い出そうとすると、必ずひとつが出てきません・・・(^^;

朝日、志戸呂、上野、膳所、古曽部、高取、赤膚。今日はちゃんと挙げられました。(ほっ)

赤膚と古曽部や時代が合いませんので、厳密には遠州時代の指定ではないのも有名な話です。

それでは、作品のご紹介です。

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朝日焼 茶碗 銘”お婦く” 碌々斎書付


いい味わいの釉薬に、手練れた轆轤と形成です。


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銘のお婦くですが、お多福のことでございます。形状から彷彿とさせますね。

碌々斎の洒落こころです。

碌々斎は明治期の表千家の十一代家元です。(1837年-1910年1月7日)

明治維新による大きな社会変化により、武士や上流町人が消え、また紀州徳川家との繋がりも絶え、一般人の興味も薄れてしまった時代・・・茶道が衰退の危機に瀕しました。

碌々斎は、古の伝統と新たな潮流をうまく繋ぐ尽力をし、財界人などの数奇者たちへの啓蒙を図り、再び茶の湯の復興に力を注ぎました。

お茶碗に話を戻しましょう。

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朝日焼は、初代の作品が現存し、また初代や二代の頃の文献も遺されており、確実に小堀遠州の指導であったと伝えられております。

しかしながらその後、江戸期の各代の作品や半別はつかず、”古い朝日焼”として伝世するのみです。

この作品は朝日印が無いものの、土と釉薬から明治以前の朝日焼と解りやすいもので、さらに碌々斎の書付も時代の裏付けになります。

作風がかなりこなれた感じでありますので、九代か十代頃の幕末期でありましょう。


※売却済み
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