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仁阿弥道八 仁清模茶碗 松ノ画 [新入荷]

続きまして、本日も仁阿弥のお茶碗のご紹介です。

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仁阿弥道八 仁清模茶碗 松ノ画 (1826年~1855年頃)


仁阿弥は、京都の粟田口にありました雲林院宝山家に師事しました。

伝統のある粟田焼の陶家です。ここで得た京焼の技術に、伊勢亀山藩士から粟田焼の陶工へ転身した、父初代道八から学んだ陶法や作風の影響を受け、仁阿弥は活躍の道筋をつけました。

1804年に父を亡くした仁阿弥は、1806年より粟田青蓮院宮への出入りを仰せつかります。

時に19世紀、茶の湯が社会への広い普及により、寺院での大法要茶会・公卿・武家・豪商の交際に必須の教養となっておりました。

それにより、茶道具の需要が高まり、高級な茶道具の”写し”の注文が京都の陶工に入るようになりました。

当時、写しの再現技量は、京都の陶工にとって成功の鍵を握る能力であったといわれます。

仁阿弥もまた、その”写し”の佳品を多数遺しました。

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このお茶碗も、箱書きから"模” = ”写し”としての注文品であることが伺えます。

道八の場合、完コピの場合のみ”模”を書かれるような傾向があります。

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釉薬の具合、この掛け分けの意匠、絵付け・・・野々村仁清の意匠が強く出ております。

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胴締めや轆轤の感じ、仁阿弥の仁清写茶碗らしい形状です。

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軟質なお茶碗ですので、どうしても浸み、は生じます。

茶だまり、の感じも良く点て易い造りです。

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依頼主の意向でしょう、印も”仁清”として造られております。

”仁”の字体は仁阿弥印と共通するところがありますのは当然でしょう。

共箱は仁阿弥印になります。

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昭和七年三月に開催されました、京都美術倶楽部に於ける某家の入札目録に出ております。


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落ち札も作品と共に一緒に伝世しております。


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しっとり、した味わいの色絵茶碗です。

この時代のこういうものは案外探すと無いので、取合せに重宝することでしょう。

※売却済みです。


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