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音丸淳 堆漆茶杓 銘 西王母 [新入荷]

次に、ご紹介致しますのは・・・これまた巧芸作品ともいえる茶杓です。

まさしく、『巧い』のひとことです。

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音丸淳 堆漆茶杓 銘 西王母


音丸淳は1929年に人間国宝の音丸耕堂の3男として生まれました。

松田権六や音丸耕堂に師事。


1951年には東京美術学校在学中に日展に初入選し、卒業後はデザイン指導員としてイタリア・ミラノのブレラ美術大学に留学。伝統的な美術に加え、世界的な美術の視点を持つようになります。

1960年に日本伝統工芸展に初入選後、約30回も連続で入選を続けます。

1963年には、日本伝統工芸展にて「堆漆茶入」が文化財保護委員長賞を受賞、文化庁買い上げとなり、一気に彫漆界の寵児となりました。

その後も、日本伝統工芸展にて「堆漆角皿」が総裁賞を受賞するなど、常に現役として活躍を続けていきます。1988年には紫綬褒章受章を授与されました。

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堆漆とは、無垢の漆だけで出来たものです。

この方法は音丸淳の創案によるもので、過去には存在しませんでした。

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色漆の配色の美しさを考えながら、100数十回もの回数を漆を重ねて漆板を作ります。

100回程で3ミリの厚みになるそうです。

120回で4ミリになるそうで、この素地から茶杓の横から見た形に2枚切り抜きます。

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次に鼈甲を1枚切り抜き、堆漆と鼈甲を高温接着し、素地が出来ます。

そこから茶杓の形に削り出し、磨いて形成されていきます。

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鼈甲は補強と装飾を兼ねており、光を照らすと中心が透けて綺麗に見えます。

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大変な技術と創意が込められております。

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銘は”西王母”

崑崙山の仙女・西王母が、三千年に一度しか実らない不老長寿の桃の実を、漢の武帝に贈ったという伝説から、御道具の銘や、桃の形のお菓子の銘に使われることが多いです。


この茶杓に使われてる、鼈甲と漆ですが・・・正倉院御物からもわかりますが、永久に変化しない素材です。

この西王母という銘、不老長寿の意味をかかっているのではないでしょうか? 


平成七年(1995)十二月に高島屋にて開催された、音丸淳の個展出展作品になります。

画像の映りが難しく・・漆の細やかな層、がブログ上できちんとお伝えしきれないのが残念です。

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