SSブログ

楽吉左右衛門 四代 一入 黒茶碗 十五代極箱 鵬雲斎大宗匠箱 銘 巌 [茶道具]

なかなか、出ない逸品です。

今回は私も思い切りました。(^^;


楽 四代 一入

三代道入(ノンコウ)42歳の子で長男。

17歳の時に父を亡くし、若くして代を継承することになります。

道入の作品から多くを学び、自身の作品へと昇華させていきました。

晩年は、利休没後100年の時期にあたり、世の中が利休の茶の湯への回帰へと動く時代背景の中・・・

一入自身も利休回帰・長次郎回帰へと自身の作陶意識を深めていきます。

そんな一入作品のご紹介です。

DSC00073-1.jpg

楽吉左右衛門 四代 一入 黒茶碗

口径 10.8cm~11.3cm

胴径 12.2cm

高さ 7.7cm

DSC00075-1.jpg

少しづつアングルを回してみましょう。

一入作品は総じて薄作、大振りな姿、大胆な箆跡からくる力強い作風と云われます。

そして黒釉はノンコウの艶のある黒に対して、柚肌といわれるものが多いようです。

DSC00077-1.jpg

この”挟み跡”のシャープな感じも一入作品の特徴のひとつです。

DSC00078-1.jpg

釉薬の窯変もよし。

DSC00081-1.jpg

見込みも、綺麗で吸い込まれそうな宇宙です。

DSC00082-1.jpg

高台径 4.7cm

さらに、嬉しいのが”在印”なのです。一入では在印作品はかなり数が少ないのです。

それが故に、現在一入とされる作品の中でも同時代の玉水焼一元作品や、また贋作も混入されるといわれます。

DSC00087-1.jpg

十五代の代を譲る直前の極です。

令和になってからの分です。

DSC00088-1.jpg

大宗匠もお元気で、今年の書付です。

銘 ”巌”

”さざれ石も巌となりて・・・” 悠久の時間を超えて来た、この作品ならではの銘です。

もちろん、作品の地肌からも連想できますね。

DSC00085-1.jpg

そして、なにより・・・一入の最大の特徴として有名な、“朱釉”が発色しております。(画像では少し見えにくいでしょうか)

黒釉の中に銅の呈色による赤色がうかびあがるように発色するもので、道入(ノンコウ)でも少し見られましたが、樂家として"朱釉”を釉技として完成させたのは一入であります。

それは長次郎の生み出した黒色と赤色という新しい茶碗の概念を、100年経った当時に、すべてを包括して今一度・・・原点回帰からこれからの100年に向かう新時代の楽家の意気込みであったのかもしれません。


作品は、口縁部に2か所の微小な修繕のみで、ニュウなどはございません。

大変お勧めの作品です。 ※売却済みです。



楽一入

1640年(寛永17年)3代道入の長男として生まれる

1656年(明暦2年)父 道入没

1658年(万治元年)千宗旦 没

1691年(元禄4年)一入剃髪 宗入に代を譲る

1696年(元禄9年)没 享年57歳
nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。