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二代眞葛香山(宮川香山) 青磁漢式鳥 香炉 [眞葛香山]

うだるような暑さが、毎日続いております・・・

ベースも、ドアを開けているとビルのガレージ(全開)と隣り合わせなので、もはやエアコンも効力がなく・・・室温30度です。

当分、ドアは閉めないと室内なのに熱中症になりそうです。(^^;

今回の企画展・・・”磁器 色々。”の中から・・涼し気のある愛嬌たっぷりの作品をご紹介致します。

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二代眞葛香山(宮川香山) 青磁漢式鳥 香炉

昭和初頭 頃


初代の晩年に完成した眞葛窯の青磁ですが、澄んだ色合いでどの作品も上品で安定した発色クオリティです。

中国の紀元前~紀元後頃の漢時代、に”薫炉”と呼ばれる香炉が人気を博したらしいです。


くんろ【薫炉】

香草をいぶして衣服を保護したり,室内に香気をただよわす香炉。

中国の戦国・漢代に発達し,銅製や陶製のものがある。

高坏形の身に塁々とそびえる山岳をかたどった蓋をつけ,蓋の個所にあけた透孔から煙を出す博山炉が代表的である。

ほかに,鼎形や盤に柄がつく形のものがある。

いずれも篝(かご)と承盤をともない,ときには移動用の銅篝をともなうものもある。

南北朝時代にも漢式の薫炉が残り,仏具にもとりいれられた。南朝では青磁の薫炉が発達し,博山炉系のもののほか,蓋と身を一体につくり凸字形の透孔を多数あけたものもある。



香山は特に初代は中国の古陶磁器の研究に長けており、様々な作品を目にしていたといいます。

今でこそ、美術館というものや図鑑、インターネットがあり誰でも目にすることが叶いますが、明治期や大正期なんていうのは、有力な豪商や茶人の所蔵品でしか本物をみることはなかったと思われます。

この作品も、香山のラインナップの中では有名なもののひとつで、初代時代から二代の初期にかけて製作されておりました。

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丸みのある愛嬌のあるフォルムですが、銅製の香爐から由来するシャープな部分や、浮盛り文様によりぴしっと締められてております。

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元は、口から香を焚いた煙が漂うようになっております。

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初代時代は唐木による台が眞葛窯にて製作され付随する作品もありましたが、この時期になるとある程度サイズの見込める花瓶の台以外ではあまり見かけなくなります。

二代が襲名し展観を行った大正7年頃は第1次世界大戦後の不況に転じた頃であり、また大正12年には関東大震災もありました。

眞葛窯といえど、様々なラインナップを維持するのは大変なことであったと思います。

このような青磁の作品は、優雅な明治・大正ロマン時期の邸宅の飾物として人気でしたが、世相が変わるこの時期以降・・・通常の香炉や、獅子形の置物へと製作が変わっていきます。

初代の作風を継続した最終期作品といっても良い作品です。

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お値段、も程々で☆

※ご成約済

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