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加賀月華 萬古窯 窯変一輪生 [近代工芸]

萬古焼は、江戸中期(1700年代後半)に桑名の沼波弄山が始めた三重県のやきものです。

陶器と磁器の特徴を併せ持った特性をもち、文人により急須などで人気を博しました。

その後一時、中断し弟子筋などにより、幕末期に再興されます。

有名なのは森有節です。

当店でも、萬古焼はちょこちょこ取り扱っておりますが、今回は萬古焼・・・としては違ったイメージの部類に入る作品の御紹介です。

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加賀月華 萬古窯 窯変一輪生

大正後期~昭和初期

幅 10㎝ 高さ 23㎝



加賀月華 (1888~1937)板谷波山に師事して佳作を残した

本名常次郎 月華はその雅号で、また「清香堂」ともいう。
明治23年 桑名宮通りに生まれた。
本業は金物商を営んでいたが、大正8年 弟の瑞山(米吉)が万古・大正焼を
完成した水谷寅次郎の指導で、桑名新矢田に開窯したのを受けて
大正11年 35歳の頃 自らも陶業の道に進み、桑名元赤須賀に築窯。
以来 兄弟ふたりで本格的生産を開始した。

月華は板谷波山に師事して 帝展、院展、文展を通じて 入選9回の実績をもち
その作は広い分野に渉り多くの佳作がある。
桑名 石取祭の山車の月華作模型は、木製陶器嵌入の破笠細工を施した
軋む車輪など器用な芸術家の一面が垣間見られる。

昭和12年没、享年50歳  桑名市新町の光徳寺に葬る
寺内にある 沼波弄山の碑に隣接して板谷波山揮毫の月華墓碑が建っている。

以上 山田一生著 「列伝 三重県陶芸先覚志」より 抜粋


月華さんの作品は、萬古焼のやわらかさの中に、波山ゆずりのきりっとしたフォルムが特徴である、と感じております。

当店でも2018年に扱った茶碗(波山極め箱)や、もう少し前に扱った水指などは、大変見所のある作品でした。

この作品も、窯変により単色でありながらも、複雑な様相を思わせる釉薬に緊張感のある形状で、花を生けたときにお互いを引き立て合う佳品に仕上がっております。

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底に銘

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共箱です。

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こちらも、昨日の大樋に続きまして・・・お値打ち価格で御座います。



お問合せ先

(mail) fujii-01@xc4.so-net.ne.jp

(tel) 090-8578-5732

藤井香雲堂


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