【楽 惺入 赤舟引水指 柳ノ画アリ】 惺斎 箱 [新入荷]
久しぶりに、千家流お道具のご紹介です。
といっても、こだわり、の珍しい作品です。
【楽 惺入 赤舟引水指 柳ノ画アリ】 惺斎 箱
幅 14㎝ 口径10.8㎝ 蓋の幅17㎝ 高さ19.5㎝
『曳く人も 曳かれる人も 水の泡の 憂世なりけり 淀の川舟』
江戸より下ってきた、表千家如心斎(~1751)と堀内仙鶴(~1748)、そして川上不白(~1807)の3名が同じ船に乗って淀川を下ったことから詠まれた内容と聞きますが・・
その心は、どのような立場の人でも人はみな等しく、平等であり・・人生ははかないものだという事のようです。
お軸や風炉先なので見られる舟曳の絵と歌ですが、水指の意匠としては・・・楽家 7代長入(~1770)の作による、裏千家 5代の常叟 不休斎(~1704)好みの赤楽の舟曳水指が有名です。
後世では、文久時代の虫明焼や幕末明治頃の備前焼にて同意匠の水指が作られたものが知られます。(どちらも、岡山県博・茶道資料館での展観で紹介されてます)
さて、この作品は楽家十三代の惺入によるリメイク作品です。
サイズ、も大きすぎず・・・です。
釉薬の調子も抜群で、造形も箆削りの妙もなかなかのものです。
それでは各部をご覧いただきましょう。
蓋は、曳き人の傘を模しております。
側面を回り込みましょう。
楽、の水指はもちろん、主茶碗で楽を使っても悪くはないのですが、高麗物や、高麗写しなどと合せるとよいバランスでしょう。
柄杓も入りやすいです。
銘です。
蓋です。
お点前の際には、蓋は奥の方にべた置き致します。
長入作のものは、絵付け無しで、のっぺりした印象ですがこの『柳』をあしらうことによる意匠の引き締めが秀逸です。
よく見ますと・・絵付けによる柳の奥に、箆による削り込みが全面に施されてます。
これにより、遠近感を演出しております。
黒っぽくなるのは、窯変によるものです。お茶碗でも掛け分け風にしてアクセントにしてますね。
共箱は、書付に際して斜線を入れます。
惺斎の箱です。
十三代 惺入 明治20年(1887) ~ 昭和19年(1944)
十二釉薬、技法の研究を歴代中最も熱心に行い、また、樂家家伝の研究を行う。
昭和10年(1935) ~昭和17年(1942)にそれらの研究結果を『茶道せゝらぎ』という雑誌を刊行し発表。
活躍した大正・昭和初期という時代は、戦争が勃発し研究も作陶も物資不足で困難となる中、楽家の伝統を守り抜いた人でした。
惺斎とは特に親しくしており、惺入の字は惺斎から贈られたものです。
また、楽歴代の中でも造形作品を一番遺したのも惺入であり、そのほとんどが特別注文品でありましたが、その造形手腕はこの水指にもあますことなく発揮されております。
曳く人も、曳かるる人も・・・、皆等しく、生まれ・・そして去っていくものです。
まるで風に吹かれる柳のように、ありのままに・・しかし、流されすぎずそよいで過ごしていきたいものです。
といっても、こだわり、の珍しい作品です。
【楽 惺入 赤舟引水指 柳ノ画アリ】 惺斎 箱
幅 14㎝ 口径10.8㎝ 蓋の幅17㎝ 高さ19.5㎝
『曳く人も 曳かれる人も 水の泡の 憂世なりけり 淀の川舟』
江戸より下ってきた、表千家如心斎(~1751)と堀内仙鶴(~1748)、そして川上不白(~1807)の3名が同じ船に乗って淀川を下ったことから詠まれた内容と聞きますが・・
その心は、どのような立場の人でも人はみな等しく、平等であり・・人生ははかないものだという事のようです。
お軸や風炉先なので見られる舟曳の絵と歌ですが、水指の意匠としては・・・楽家 7代長入(~1770)の作による、裏千家 5代の常叟 不休斎(~1704)好みの赤楽の舟曳水指が有名です。
後世では、文久時代の虫明焼や幕末明治頃の備前焼にて同意匠の水指が作られたものが知られます。(どちらも、岡山県博・茶道資料館での展観で紹介されてます)
さて、この作品は楽家十三代の惺入によるリメイク作品です。
サイズ、も大きすぎず・・・です。
釉薬の調子も抜群で、造形も箆削りの妙もなかなかのものです。
それでは各部をご覧いただきましょう。
蓋は、曳き人の傘を模しております。
側面を回り込みましょう。
楽、の水指はもちろん、主茶碗で楽を使っても悪くはないのですが、高麗物や、高麗写しなどと合せるとよいバランスでしょう。
柄杓も入りやすいです。
銘です。
蓋です。
お点前の際には、蓋は奥の方にべた置き致します。
長入作のものは、絵付け無しで、のっぺりした印象ですがこの『柳』をあしらうことによる意匠の引き締めが秀逸です。
よく見ますと・・絵付けによる柳の奥に、箆による削り込みが全面に施されてます。
これにより、遠近感を演出しております。
黒っぽくなるのは、窯変によるものです。お茶碗でも掛け分け風にしてアクセントにしてますね。
共箱は、書付に際して斜線を入れます。
惺斎の箱です。
十三代 惺入 明治20年(1887) ~ 昭和19年(1944)
十二釉薬、技法の研究を歴代中最も熱心に行い、また、樂家家伝の研究を行う。
昭和10年(1935) ~昭和17年(1942)にそれらの研究結果を『茶道せゝらぎ』という雑誌を刊行し発表。
活躍した大正・昭和初期という時代は、戦争が勃発し研究も作陶も物資不足で困難となる中、楽家の伝統を守り抜いた人でした。
惺斎とは特に親しくしており、惺入の字は惺斎から贈られたものです。
また、楽歴代の中でも造形作品を一番遺したのも惺入であり、そのほとんどが特別注文品でありましたが、その造形手腕はこの水指にもあますことなく発揮されております。
曳く人も、曳かるる人も・・・、皆等しく、生まれ・・そして去っていくものです。
まるで風に吹かれる柳のように、ありのままに・・しかし、流されすぎずそよいで過ごしていきたいものです。
2020-06-16 12:55
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