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【樂 旦入 赤菊 小皿】 20枚揃 [幕末京焼]

歴代の樂さんの中でも・・・個人的に好きなベスト3(現実的な分で、ですよ)のひとつが、樂家の十代目となる『旦入』です。


それは、当方がこの辺の時代感のものを・・・大事に想っていることもありますが、紀州徳川藩へお庭焼きへ招聘された三名工(旦入・仁阿弥・保全)のひとりであることも無意識のうちなのかもしれません。

なにより、そのへら使いの妙技にうっとりすることが多いのです。


今回は、『食の器』です。



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【樂 旦入 赤菊 小皿】  二十枚揃


幅  約10cm(各)

高さ 約2.2cm(各)


製作年代 弘化2(1845)~安政元(1854)年頃

共箱



作品を詳しく見てまいりましょう。


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単なる円、ではなく・・少し歪ませてアクセントをつけております。


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しかし、あくまで基本は「端正」に。


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窯変の黒っぽい部分もアクセントになります。

一枚一枚、丁寧に形成したうえに自画で、丁寧な白い菊を描いております。


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高台側も丁寧に。


「隠居印」と呼ばれるものが押印されております。


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樂焼の器というものは、独自の世界があります。


艶やか過ぎず、地味すぎず、軽すぎず、重すぎず。


全ての絶妙な感じが、長い歴史を背負った名家の伝統と代ごとに生まれる独創性とせめぎあって生まれるデザインの中にこもっているのです。


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20枚もあると、壮観なのです!


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共箱です。


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付属して伝世している落ち札です。



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お茶碗で見られる旦入の赤の技法・・・窯変の景色変化、父譲りのへら削りの造形表現法をあますことなくこの小皿に凝縮されております。



これは、もう…使い手の自由にお愉しみ頂きたいです☆







樂旦入 寛政7(1795)年~安政元(1854)年

了入の次男として生まれ、文化8(1811)年、十代吉左衞門を襲名しました。

弘化2(1845)年に剃髪隠居して旦入と号す。

文政2(1819)年より数度にわたって紀州へ赴き、徳川治寶侯・斉順侯によるお庭焼きである「偕楽園焼」、「清寧軒焼」を行いました。
 
 



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