SSブログ

【眞葛長造 雁 香合】 [幕末京焼]

今日、2021年10月18日は・・・・「十三夜」です。


中国から伝わった、「十五夜」に対してこちらは、江戸時代に日本で始まった習慣です。

旧暦の9月13日にあたる日で、今日が今年のその日だそうです。


満月では、無いのですが・・・収穫に感謝して、収穫物をお供えする行事なのですね。


栗とか豆とか。。。。


昨日くらいから、いよいよ・・・本気の「秋」の気候になりました。

朝晩、すっかり寒くなり。。


ということで、「秋」といえば「雁」が連想されます。


320.jpeg


長造、でご紹介致しましょう。


リサイズ 長造雁 (3).jpg



【眞葛長造 雁 香合】


 幅  4cm×7.2cm

 高さ 4.3cm

 共箱

 江戸時代 後期




藁灰釉、さび絵といった、眞葛のお家芸の手法ですが・・・・意匠が珍しい、のです。


「眠り雁」



なんとも、かわいいお姿です。


リサイズ 長造雁 (4).jpg


リサイズ 長造雁 (5).jpg


リサイズ 長造雁 (6).jpg


眠ってる雁って、どんなの?


ukinedori.jpg


こんな感じです。


群れて飛ぶ姿や、落雁といった意匠が古来より有名です。


Ito_Jakuchu_Imperial03.jpg


若冲の画です。


破損の恐れのある、雁そのもののディフォルメをせず、より趣きを増しつつ・・製作の安定性と、茶事での使用を考えられた、形状なのです。


リサイズ 長造雁 (7).jpg


内側は、長造の特徴である、薄く迄・・・削り取るいつもの。

リサイズ 長造雁 (8).jpg


身の内側は施釉されます。

リサイズ 長造雁 (9).jpg


底部です。


リサイズ 長造雁 (1).jpg

共箱(甲)

リサイズ 長造雁 (2).jpg

共箱(裏)


これは、長造の晩年期のタイプになります。


長男である、長平も一緒に製作をしていた頃ですね。


何度も、ご紹介しておりますが今一度…


眞葛長造 (1797~1860)

青木木米の弟子で後、真葛ヶ原にて窯を開く。観勝寺安井門跡より「真葛」の号を賜り晩年華頂宮より「香山」の号を頂く。
江戸後期において仁清・乾山の再来というべき京焼伝統の継承者であり、特に藁灰釉によるといわれる独特の風合は長造特有であり、雅味溢れる作風で京焼の代表格の一端を担う。眞葛焼の祖。

長平は、長造の長男であり…眞葛窯の後継として技を身に付けて期待されていたのですが…父、長造の後を追うように同じ年に亡くなってしまうのです。




夏が明けてから、コロナ禍で皆様も気持ち、もせわしなくお過ごしの中…迎えた秋の夜長、です。


ちょっと、ひと息、入れてみましょう、ね。


リサイズ 長造雁 (3).jpg




=======================================================

Journal of FUJII KOUNDO 《問い合わせ先》


       藤井香雲堂
 

TEL 090-8578-5732

MAIL fujii-01@xc4.so-net.ne.jp


※当ブログはPC用サイトでの閲覧を推奨しております。
スマートフォンでご覧頂く場合もPC用表示をご選択下さい。

=======================================================
nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0