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【仁阿弥道八 唐津写片口 茶碗】 七代極め箱 有隣斎箱 [幕末京焼]

(2022年1月14日 追記 画像追加)



『片口』という器物は、古くは・・・縄文土器や、弥生土器にも見られる形状です。


ヒト、として『火』と並び重要な『水』を貯め、注ぐという用途で生まれましたが、そこには神聖なるものを中に湛え、分け与える、という行為そのもののが、通常のおひとり様用の器よりもなにか大切なモノとして存在するのかもしれません。


今回は、元来・・・片口として生まれながら、『お茶碗』として引き立てられた味わい深い作品のご紹介です。



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【仁阿弥道八 唐津写片口 茶碗】 


幅    16.2㎝×12.8㎝

高さ   6.2㎝

高台径  6.2㎝

製作年代 文化8(1811)~天保13(1842)年頃


箱    七代道八極め箱  武者小路千家 有隣斎箱 銘 庵の友




『唐津焼』の写しです。

江戸後期には唐津焼が衰退していたそうですので、写し需要に応えたものなのでしょう。


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口の造りも軽妙です。


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向き、によって傾き加減の印象が大きく変わるところも、おもしろいのです。

しかし、それは決して『いびつ』とは一線を画する上品さがあり、これは写真ではお伝えしにくいところでもあります。


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この、大きさと重量が絶妙です。


全然、重くないのです。


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唐津写し、であるところはこの土味にもしっかりと表現されております。

銘は、三代に近似するタイプです。

かつては、私も三代としておりましたが、野崎家のように直接道八家から収まった作品で、二代筆の共箱に収まったこの印のものもあり、(実際私も取り扱った作品もございます)

また、煎茶器類の美術館蔵品でも二代分類のものも存在します。

今回の作品は七代の極めもあることで、なおさら二代の枠に包括すべしという見解に達しました。



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七代の極め箱 

書付の用に合わせて依頼されたものです。


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有隣斎により、『庵の友』と銘をつけられており、数奇者の愛玩道具として『うつわ』としての片口から、茶道具へと再生されております。


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手の収まり、も非常に良いのです☆


もちろん、酒器としても、ちょっとした預け鉢にも使えますよ。


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この、真横からのフォルムもまた、良く・・・

丁寧な轆轤と、ざくっとした箆削りの妙がたまらないのです。



お値打ち価格でもあり、お勧めです。


※ご成約済みです。



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