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【保土田 横浜薩摩焼 輪花皿】 [明治工芸]

当店で、ライフワークとしております『眞葛焼』ですが、それ以外にも、明治時代には・・・いわゆる『ハマ焼』(横浜焼)というものが、存在しました。

横浜という所は・・・元々、農業と漁業をほどほどに、している片田舎の地域でした。


『開港』、というイノベーションで、世界との扉を開くニッポンの入り口として一気に開花したのです。


幕末期に万博へと薩摩藩が出展したことによって『薩摩焼』というものが世界に認知され、人気を博したことにより多大な需要が生まれたのです。


『本』薩摩焼だけでなく、『京』薩摩焼や、『神戸薩摩』、『大阪薩摩』などといった他地方でも『薩摩手』が大量に製作されることになりました。


海外からは、いづれも・・金をふんだんに使用した豪華絢爛なジャパンメイドのやきものとして同じに見えたのかもしれませんが、実際には産地による従事陶工・画工による各地の特性が発揮され、コレクターには面白いバリエーションへと進化したという面もあったのです。


『宮川香山』の『眞葛窯』は、薩摩手からの脱却と早期から図り・・・『高浮き彫り』や、『釉下彩』といったものにシフトしたのですが、今回ご紹介する作品は、明治後期に独自の進化を果たした『横浜焼』なのです。



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【保土田 横浜薩摩焼 輪花皿】


幅    19.5cm

高さ    4cm

製作年代 明治20年~30年代

箱    無地箱



とても、緻密に描かれた作品です。


輪花形に形成された、皿に安定した上質な生地と施釉。


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『扇』を中心に、『団扇』、『千鳥』、『雪輪』、『巻物』、『貝』、『葉』の窓に・・・それぞれ、人物風景図が描かれております。


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輪花の内側には、祥瑞文様が施され・・・合間の余白には、びっしりと、『桜』と『蝶』に金描が。



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銘『保土田造』


横浜の『保土田商店』の『保土田太吉』が、明治22年頃から製作を始めた横浜焼で、素地は薩摩から取り寄せていたものを横浜で絵付けした作品です。

明治30年頃から、海外へも輸出されるようになったようです。


この作品も、里帰り品となります。



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絵のストーリーは、じっくり見ながらあれやこれや、と思いを巡らせて楽しめるのです☆


※ご成約済みです。



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       藤井香雲堂
 

TEL 090-8578-5732

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