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【永楽保全(善一郎)染付立鼓 蓋置】 [幕末京焼]

『幕末京染付』シリーズ、続きます☆

おなじみ?の保全さんです。



善一郎染付立鼓蓋置 (4)-1.JPG



【永楽保全(善一郎)染付立鼓 蓋置】


幅   4.4cm

高さ  5.2cm

共箱

製作年代 天保14(1843)~弘化4(1847)年頃



保全の完熟期といわれる、『善一郎』時代の作品です。


『立鼓』・・・『りっこ』、ともよくゆうておりますが、『りゅうご』が標準の読み方のようです。


『鼓(つづみ)』の形状で、ありますが・・・元は鼓を模したという訳では無く、名称が後からでしょう。


しかし、そこは茶道具です。

『鼓』を活かした取り合わせ、というのも良いものです。



作品を見てまいりましょう。


善一郎染付立鼓蓋置 (5)-1.JPG


こちらから見る、発色も良いですね。

保全といえば、永楽家に於いて最初の磁器製作であることが知られます。

技術的には、京染付では後追いであったようですが・・・五条坂系とは異なり、かっちりとした絵付けと作行きが特徴です。

これは、他の作品と同じく・・・『保全』の個性が反映されてのことと思われるのです。


善一郎染付立鼓蓋置 (6)-1.JPG


『印』の部分を避けて、絵付けがされております。


善一郎染付立鼓蓋置 (7)-1.JPG


画像では、反射して見えにくいのですが・・・『永楽』丸小印が押印されております。


善一郎染付立鼓蓋置 (8)-1.JPG


上から。

無釉部分に、保全らしい土が見えて趣きがあるのです。

轆轤目も見えますね。



善一郎染付立鼓蓋置 (9)-1.JPG


下から。

畳付きは、無釉ですが、こちらからは施釉部分が、ほとんどです。


お客さんから見えない部分に手をかけてることから・・・上からの無釉部分は、趣向を意図してのことというのが、分かるのです。


そして、中心に穴が開いておりますのは、釜の蓋を置いたときの水気や湿気の逃がしを考えらているのでしょう。



善一郎染付立鼓蓋置 (1)-1.JPG


共箱です。


善一郎染付立鼓蓋(2)-1.JPG


蓋の甲部分。


善一郎染付立鼓蓋置 (3)-1.JPG


善一郎銘です。



善一郎染付立鼓蓋置 (4)-1.JPG


『立鼓蓋置』は、『千切蓋置』ともいわれることがあります。


もっと千切っぽいのもあるのですが。

手で千切ったような?感じであることからの云われのようです。


『千切り』を『契り』とかけて、約束ごと、とテーマにした使い方や、2月のバレンタイン、ご夫婦の記念、7月の七夕、はたまた師弟関係の絆などなど。。。


鼓の方とも合わせると、色んなお使い方が出来そうなのです☆




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