SSブログ

【二代 吉羽與兵衛 腰黒 薬缶 即中斎 箱】 [茶道具]

たま・・・には、「普通」のお道具、のご紹介でも。(^^;


といっても、そうしょっちゅう出てくるものでも、ございません。



與兵衛 腰黒薬缶 (5)-1.JPG


【二代 吉羽與兵衛 腰黒 薬缶 即中斎 箱】



腰黒薬缶、というものは「茶道」では欠かせないお道具です。

しかし、最後に少し登場するだけ、なので・・・こだわる人はこだわりますが、なんでも良いのでは?という御仁もいらっしゃいますが・・


そこは、実は一番「違い」が出るお道具でもあったりするのです。



全てのお点前も終了し、お客様方も『お菓子』も『お茶』も頂き終わっており・・・主客との問答も一通り済んで、少しの静寂と、席のエンディングを迎える直前の『凛』とした、雰囲気が部屋を満たしている時・・・・

お点前さんが入ってくるその時!

目にする唯一のアイテムなのです。


一番純粋に注目されるお道具かもしれません。


そこで、お稽古道具でも一緒・・・というわけにはいきません。


解る人には『一目瞭然』、なのです。



表流では、『中川浄益』の6~10代辺り、そして『11代』の書付物、『高木治良兵衛』の少し前のもの、位しか選択肢が無いのです。


その間に入る、スカっとした腰黒薬缶が、この吉羽與兵衛作品なのです。


與兵衛 腰黒薬缶 (5)-1.JPG


與兵衛 腰黒薬缶 (6)-1.JPG


與兵衛 腰黒薬缶 (7)-1.JPG



與兵衛 腰黒薬缶 (9)-1.JPG



與兵衛 腰黒薬缶 (8)-1.JPG


新品、では無いのですがかなり綺麗な状態であります。


『腰黒薬缶』というものは、元は『薬』を煎じて飲む為の道具であったことからという由来です。


古い浄益のものなどは、その名残として小さな『丸い輪』が付いたりします。

それは蓋が本体と離れて不明になることを防ぐのに、鎖でつながれていたことからだそうです。


元は『薬缶』と『火箸』の製作を任されて代々続いております中川家は、千家十職の初期から千家に仕え・・・最後の11代は、生前中、『十職の長』として長らく貢献しておりました。

この作品は、その11代の時にリメイクしたデザインを元に作られております。

伝統のデザインを、現代風なフォルムと色合いで席中の最後を華やかに締めくくるように演出されているともいえます。


與兵衛 腰黒薬缶 (2)-1.JPG


2重箱です。


與兵衛 腰黒薬缶 (3)-1.JPG

二代目が、襲名直後の作品と思われます。

1970年台前半の作ですね。


與兵衛 腰黒薬缶 (4)-1.JPG


即中斎は、最晩年の筆、になります。


意外と、探すと無いのが・・・このようなお道具なのです。


ということで、やきものの取り扱いが主である当店ですが・・・こういうものも、嫌いでは無いのです。


※ご成約済みです。




二代 吉羽與兵衛さんの略歴です。(出典 吉羽家公式HPより抜粋)


1930年 初代 與兵衛の長男として生まれる 本名 宗敏
1947年 家業釜師の修行に入る

1972年 二代與兵衛を襲名 爾来京釜の伝統を厳しく守り、新しい創造を求めて研究製作に打ち込む

1974年 東京にて與兵衛襲名記念展
1975年 京都にて與兵衛襲名記念展
1981年 東京日本橋三越本店にて第一回個展 爾来三年ごとに個展を催す
1984年 広島にて個展および文化講演会「京釜から見た茶の文化」
1986年 岡山にて個展および文化講演会「京釜の製作とその見方」
1989年 名古屋三越本店にて第一回個展
1990年 京都にて個展

1993年 同門会愛知支部にて講演「京釜の製作とその見方」
1995年 茶の湯同好会夏期大学にて講演「京釜の生まれるまで」
2000年 茶の湯同好会夏期大学にて講演「芦屋 天明 京釜」
2002年 表千家北山会館定期公演会にて講演「京がま あれこれ」

2008年 長男柾人に三代與兵衛を譲り、二代惣與となる
2017年 86歳にて没す






=======================================================

Journal of FUJII KOUNDO 《問い合わせ先》


      藤井香雲堂
 

TEL 090-8578-5732

MAIL fujii-01@xc4.so-net.ne.jp


※当ブログはPC用サイトでの閲覧を推奨しております。
スマートフォンでご覧頂く場合もPC用表示をご選択下さい。

=======================================================
nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0