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【仁阿弥道八 赤百合 鉢】 [幕末京焼]

『振り返れば、奴がいる』


某、90年代のドラマでは有りませんが・・・そういうのって有るのです。

私の場合・・・俳優さんで言いますと、『織田裕二』や『トム・クルーズ』がそれにあたります。


ファン、と明言してるわけでは無いのですが・・・気づくと、出演作品はほとんど観ていたりします。


同じように(?)、自身では意識せずとも、気づけば良く取り扱っているアイテム、というものが御座います。


『鉢』


それも、ちいさめ~中くらいのもの。


なんででしょう?


以前でしたら、『五つ盛れない』とか『三つでもギリギリ』・・などとお客様から言われ続けておりましたものですが、コロナ禍で時代が変わりました。


『正客用の一個盛り』上等☆


『待合でのお飾り用』にも上等☆☆


『懐石の預け鉢』に上等☆☆☆


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こんな感じですね。(先日お邪魔致しました、お茶事でのスナップです☆)




大きな鉢は好きじゃないんです。

なんと申しましょうか・・・デザイン造形物、として間延びがするのですね。

時代の要、が合いました。有難うございます☆



さて、序盤が長くなりましたが・・・中くらいサイズの鉢のご紹介です。



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【仁阿弥道八 赤百合 鉢】


幅    20cm

高さ   8cm

製作年代 文政9(1826)~天保13(1842)年頃

共箱


『百合』は、五月~八月に開花する花です。


赤、ピンク、オレンジ、黄、白、緑、茶、複色・・と様々な色が有りますが、白いのが一番イメージしやすいでしょうか?

赤百合、も綺麗のですヨ。


赤百合③.jpg

鮮やか、です。



仁阿弥 赤百合鉢 (3)-1.jpg


『三つ盛り』いけますね。


通常は、陶器にせよ磁器にせよ・・・目的とする『色彩』に応じて彩色を必要と致します。

逆に色を付けずに思い起こさせる・・という物も有りますが。


この作品は、『赤樂』という技法自体で『赤百合』を連想させます。


仁阿弥 赤百合鉢 (4)-1.jpg


仁阿弥道八、作品では『乾山写』や『彫造作品』が代表的のように捉えられておりますが、実は『樂』が一番『力量』が見える・・という研究者もいらっしゃるほどで、確かに、全てとはいいませんが見どころのある作品もたくさん存在するのです。

『本樂』ではないのに、釉薬も形状も負けず劣らず、なのは如何に?といったところで。


この作品でもそうですが、釉薬は宗入~了入辺りに通じるものがあるのです。


そして、この造形の生命力あふれる感じは、さすが仁阿弥、といったところでしょうか。


仁阿弥 赤百合鉢 (5)-1.jpg


『6枚』花びら、があるように思われておりますが、実は違います。


外側にある3枚は『がく』(外花被)で『つぼみ』の時に花を守るものです。

内側の3枚が本来の『花びら』(内花被)なのです。

きちんと、造形されております。


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印は、『法螺貝』道八印となります。

鉢ではよく使用されておりますが、技法別でいうと『樂焼』ではめずらしいところです。


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共箱です。

印は『瓢箪小 仁阿弥』印となります。


といったところから、製作年代は『文政9(1826)~天保13(1842)年頃』と推定出来ます。


赤百合③.jpg


仁阿弥が活躍した、幕末期に実は日本で『百合』が人気でした。

そして、かの有名なドイツ医師の『シーボルト』がヨーロッパへ日本の百合を持ち帰ります。

その後、日本の百合の美しさは評価を高め、同じ目方の『銀』と交換されたとか。

そして日本商館では百合の球根の輸出が始まり明治辺りまで盛んに交易されていたようです。


世界にある百合の原種は約100種類、その内の15種が日本産が占めているのです。


仁阿弥 赤百合鉢 (1)-1.jpg


飾るだけでも、良い作品かと思います☆

※売却済みです。

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