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『永樂レアものさん ギャラリー』③ 永樂和全 蔓付茶入 備前写 御室初窯 [新入荷]

『永樂レアものさん ギャラリー』、第3弾いきます。

昨日は、保全から和全に続く時代の中での宗三郎(回全)のご紹介でした。

その中で、御室窯のお話が出てまいりましたが・・・今日、ご紹介致しますのはその御室窯作品です。

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永樂和全 蔓付茶入 備前写 御室初窯

この、フォルムと上がり・・・和全作品の中で、稀にみる仁清の精神性が宿ったかのような作品です。

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反対側から。

この作品は和全の作品の中でも特に稀少かつ出来のいい御室窯時代です。

義弟・宗三郎の所有地に新しく窯を築いたところ、仁清印のある陶片が大量に出土したことから

野々村仁清の窯跡地であったと判明したということです。

しかし、永楽が初めて自前の本窯を開くということ、仁清以来衰退していた御室窯の復興、仁阿寺

の御用窯としての需要など様々な目論見から、計画的な立地であると考えられております。

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この作品は、御室窯の初窯の際に焼かれたものです。

初窯は嘉永六年(1853年)の仲秋(陰暦8月)でその当初よりレベルの高い作品が製作されておりました。

伝世では、初窯では磁器作品が多くこのように陶器でしかも手の込んだ物は後の作品も含めて稀少な佳品であると思われます。

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この蔓の角の立った細い造形、仁清風の轆轤形成のしゅっとした感じ・・・それが、備前写しという、これまたひとつ間違えれば鈍重になってしまうところを、かえって重心感と緋襷によりさりげない景色をあしらうことで、全体としての美を成り立たせています。

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象牙の蓋が添いますが、これは替茶器としてお使いになられるか、思い切って小間でのお薄なんかでのおもてなしは如何でしょう?(^-^)


御室窯は明治3年(1870年)まで続きました。

その後、まるで父の背中を追うが如く・・・和全も各地に赴いての作陶人生を送ることになります。

次回は、和全のさらにマニアックなやきもののご紹介です。

※売却済です。


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